2002年8月31日〜9月1日
L長南・佐藤・西・松之舎・関
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2002/08/31 飯豊:七滝沢 |
合宿も終わったことだし、ちょっと行ったことのない山域に行きたくなって計画してみたところ、青春18切符の消化なのか、帰りの新潟宴会に釣られたのか、5名のパーティーになった。
行きも帰りもおなじみの「ムーンライトえちご」である。行きは指定が取れなかったのでデッキで宴会居座り状態で新潟へ向かう。
新発田駅では両手に荷物をかかえてホームで一息ついている変な集団に見えたことであろう。
朝飯やら準備を済ませてタクシーで内の倉ダムへ向かう。出合あたりにはナント2パーティーが入渓準備をしていた。有名な沢だったのか。ここから入渓するとすれば七滝以外にあるまい。「かみんかみん」と蝉のような合唱を聞かされ、先行パーティを抜くには人数も多すぎるので、一番後ろを行くことにして30分仮眠することに。
とたんに道でそのまま寝てしまう姿を逞しく思う反面、たまに通り過ぎる車の奇異な眼差しを感じる前に寝てしまうんだったと反省する。キジウチからの帰り道、またまた1パーティーが入渓準備をしているのが見えた。その傍らでどたぁぁぁぁぁと寝ている我がメンバーをなにか恐る恐るチラチラと見ている。とてもご同輩とは見てくれていないようだ。
3パーティ先行とはまいった。この段階でメジャーな沢と烙印を押してしまったが、天気は久々の快晴。気を取り直して皆を起こしてぼつぼつと出発する。
左岸沿いの山道を、時折見える沢に期待を膨らませながら歩いていると、前から「ぎゃぁ〜」という松ちゃんの叫喚が朝の清清しい空気を引き裂いた。関さんも西さんも走って逃げ散っている。何事かと小走りに近づき道に伸びる木のを葉をくぐり抜けると、蜂の大群が襲ってきた。完全な攻撃モードである。瞬間に動きを停止するとまわりは蜂だらけでどこを襲おうかホバリングしている。アシナガバチのようだ。避けた葉の裏に巣があり、しばらくすると戻っていったがこちらが動くとまた攻撃モードで集まってくる。前のパーティーが攻撃モードにしてしまったようだ。
アシナガバチさんと「ダルマさんが転んだ」をやっている場合ではないが、何度か付き合って彼らの縄張りから脱したところで走る。
松ちゃんの様子を見に行くが、耳と頭で3-4箇所刺されたようだ。沢に下りて冷やしている。痛みはあるようだがスズメバチではなかったので大丈夫だろうと、先に出合いまで行って待つことにした。佐藤さんが「笑っちゃわるいけど」といって松ちゃんのダンボ耳を見て笑っていた。
七滝沢は、出合いからしばらくはゴーロや小さなゴルジュで平凡な渓相が続くが、沢が左に折れるところの2mほどの壁のような滝を越えると、5mで右に曲がり次の10mを右の台地から巻いていると前方に連瀑帯が見えた。どうやら七滝のようだ。巻き道はそのまま明確な七滝の巻き道へ続き、小沢を二本越して七滝の上まで続いていた。
いくつかの滝とゴーロを過ぎて北に向きを変え左から沢を合わせると次の連瀑帯が見える。地形図で七滝の次に滝マークのあるところだ。
5m,15mは左から巻き、2条5m、3mは簡単。次の8mは左から巻く。5mは水流の中。次の5mは右から。2段6m・3m、5m,4mと越えると沢は一気に高度を上げ、一息ついたところから振り返ると連瀑帯が見渡せた。
右に曲がり小さなトロの先に12m。登れそうにないので少し戻って左から巻くが、急登で関さんが荷物を背負ったままでは登れなかったので、先行した西さんに懸垂で下りてきてもらい荷物をあげてもらったりしていて時間をくってしまった。
二股あたりまで行っても先行者がいるだろうから、小さなゴルジュ手前の河原をB.P.とした。
この日は寝不足と暑さで疲れていたのか、佐藤さんと松ちゃんを残して皆いつもより早めに寝た。
翌日、我々の行動開始時間からすれば先行パーティに追いつくことは考えにくいので、いつも通りの時間に出発。
昨日とうってかわり、渓相は緩やかで穏やか。ちょっとしたゴルジュやトロ場が続く。
高巻きを嫌い空身で泳いで奥の小さな滝に取り付こうとするが、私の泳力ではダメ。泳力のある西さんに代わってもらう。西さんお決まりのラッコ泳ぎで取り付くがあとひとつスタンスがないらしく残念ながら諦める。左の壁を登ってザイルをフィックスして空身で登ってもらい、松ちゃんと滝上から荷揚げをする。続く場面ではハーケン1枚打ち込んで西さん果敢に泳いで突破する。
左に岸壁を見て右に沢が屈曲すると、3mと小さなゴルジュに小滝。次の5m,15mは右壁を登り途中でブッシュに逃げ落ち口へ。続く3段の釜を持った滝は美しい。
奥の二俣で登山道から降りてきた空身の釣り師と会う。左沢から降りてきてまた戻るようだ。
この二俣前後からナメと小滝の連続で、どれも簡単に登れるか巻けるかで楽しく美しい。
詰めは草原というよりは草付きと草原の中間ぐらいの急斜面で、登りきるとほんの少しのブッシュを越えてひょっこり奥社跡の土台のある登山道に出る。
一頻、飯豊方面の山々を眺め沢筋の同定をしたあと下山する。
二王子神社からタクシーで「あやめの湯」へ向かい一風呂浴びてビールと思いきや、ビールはなくバスで新発田駅へ向かうことに。電車の中で新潟宴会へ向けてビールで乾杯。新潟の夜はこれから始まるのである。ノドグロ、のっぺい、沖漬け…うまかった。(記:長南)
<コースタイム>
8/31 快晴 内の倉ダム7:40-8:45七滝沢出合9:20-11:30七滝手前-12:15七滝上12:25-16:40連瀑帯上-18:00B.P.
9/1 快晴 B.P.8:20-8:35-二俣-12:10奥の二俣12:50-13:20取水口下13:40-15:10稜線15:30-17:50登山口