虎毛・役内川潰沢三滝沢〜虎毛沢赤湯又下降

2002年9月14日(金)〜16日(月)
L戸ヶ崎洋市・戸ヶ崎真理子・関・越山

13日午後10時蓮田発、ぐずつく夜空の下、東北道古川経由国道108号沿いのコンビニで池袋発組に追いつき道の駅で仮眠、翌朝鳴子・鬼首を越えて役内川沿いに潰沢橋から湯ノ又林道へ。

予報通り雲の合間からやわらかな青空が覗きだし、春川パーティーと別れて山道から潰沢に降り、10m滝他いくつかの滝を越えて昼前に三滝沢出合に着いた。

ヤクナイ川といえば昔からマージャンを打つ際の洒落−リーチ一発役無い川!というふうに使う、もっとも沢屋の間でしか通じないが−以外に価値のないチャラ川ということで通っていたし、その支流のツブレ沢というのもいかにも冴えない名前であることから、その枝沢の三滝沢も虎毛沢流域へのアプローチルート以外の何ものも期待されていなかったのだが、最初の8mナメ状滝を左水流沿いにブッシュに絡んで抜けるといきなり100m程もあろうかという長大なナメ床が現れ、メンバー一同目を見張ることになる。
その後も所々石が堆積しているだけで、高度450m上方の源頭まで全て緩やかな凝灰岩のナメとナメ滝で構成されていると云え、大いに楽しませてくれた。 “三滝”は上流部左岸の三つの40m級スラブの意か。

概ねまんべんなく現れる10個前後の3〜5mのナメ状滝は、いずれもフリクションを効かせて直登したり、側壁のブッシュを伝って難なく通過できるのだが、そこそこ長い沢であり15時過ぎにようやく高松岳南方稜線に上がり、赤湯又沢左又下降開始。
予想される稜線直下の草付を避ける為、しばらく樹林伝いにトラバース気味に下降して沢床に降りる。源流部にはナメがあるが、しばらく行くと三滝沢とは比ぶるべくもない平凡な渓相になってしまった。

前夜発夜行の初日にしては山越えを含む7時間超の行動時間は長く、誰もが注意力を低下させていた時、とがまさんが右足首を捻ってしまった。右又出合下流の”オンドル”テン場まではまだ遠く、足跡からすぐ前に先行者がいるのも分かっており、二又出合の手前で流木の豊富な小さな川原を見つけ、これ天佑と泊場にする。

15日朝、夜半からの小雨もあがり30分で赤湯又上部の二又に到着。とがまさんの足の腫れは思っていたよりひどく、予定していた虎毛沢遡行は中止、右又をつめて高松岳山頂避難小屋に上がることも検討したが、虎毛沢本流を下り皆瀬川経由大湯を目指すことに。

もうもうと温泉の噴気を上げるくだんのオンドル台地、熱湯の流れ込む小渕(久しく整備されておらず入湯は諦め)以外見るべきものもない流れを辿り、虎毛沢出合にかかる4m美滝に13時前に到着。

ここからは殆ど標高差のないたおやかな流れの両岸にしっとりとした凝灰岩のナメが次々と現れ、気持ちが良い。15時、幸い春川ダイレクトクーロワール登攀中の長南さんと交信が出来、虎毛山に上がらないことを伝えられた。
ここからは関さんと私で先に泊場を探しながら行くことにし、春川出合の川原で流木を集めテント場の整地も出来上がった頃合に、戸ヶ崎夫妻も無事到着。星空の下、予定外の焚き火を囲んで暖をとることが出来た。

16日、とがまさんの足の腫れはいよいよひどく、役内側の赤倉橋にデポしてあった車を回収しに私が先発。よく整備された山道を行く始終、皆瀬川の瀬をはむ滔々とした流れの音が耳に沁みた。(記:越山)

<<コースタイム>>
9月14日 9:20 湯又林道下降点 〜 11:25 三滝沢出合 〜 15:10 高松岳南方稜線 〜 17:00 赤湯又左沢泊場
9月15日 9:30 出発 〜 10:00 赤湯又二又 〜 12:45 虎毛沢出合 〜 16:30 春川出合泊場

1/25,000地形図
秋ノ宮、桂沢

交通機関・費用
クルマ、 往復(蓮田〜赤倉橋)約¥30,000(高速・ガソリン代)

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