和賀・玉川堀内沢八滝沢

2002年10月12日(土)〜10月14日(月)
L長南、関、増田

2002/10/12 和賀:八瀧沢

今年の秋の集中は担当のマッチャンの達ての希望で和賀となった。私にとっては二度目。前回は北の羽後朝日岳を中心としたが、今回は南の和賀岳を中心とした沢となった。この時期、楽しみはきのこと紅葉だ。

10月12日(土) 晴れ
夜行バスを角館で降りてJR角館駅まで徒歩で移動。駅のコンビニで朝食と行動職を買い込んで電車を待つ。電車に乗って二駅目の神代で下車、予約してあったタクシーに乗り込む。夏瀬温泉は去年の暮れから営業を止めているそうだ。お客さんが少ないのかな。タクシーを夏瀬ダムで降り、そこから支度をして歩き始める。初日の行動は辰巳又沢Pと一緒だ。

歩き始めてすぐに栗拾いとなる。ここから入渓点までの林道は山の幸の宝庫だった。栗、むかご、三つ葉、山葡萄、ぬめりすぎたけ。

林道終点の堰堤の上から入渓。歩き始めは川幅いっぱいに流れるチャラ場歩きであった。なんとなく尾簿内の珪藻に似ている。生保内の渓相に似ている。この最初の川原歩きはのんびりときのこを探しながら長く続いた。ならたけとぬめりすぎたけをゲット。そして大岩の間を流れるゴーロ帯となる。けっこう水量は多い。

入渓から2時間ほどで朝日沢の出合に到着。昼飯休憩とする。ここで佐藤さんがなめこを発見。

昼食後も平凡な渓相が続く。左右に台地が点在し、どこでも泊まってくれと言っている。そんな中をやはりきのこを探しながらのんびりと歩いていった。15:00前にマンダの沢の出合に到着。このまま八滝沢に入るとテン場に着くのが暗くなる可能性があるため、ちょっと早いがここで泊まることとして、それぞれがきのこ採りや薪集め、料理に下ごしらえなどの仕事にかかる。ここで長南さんがなめこの大群落を発見。ふたりがかりでスーパーの袋にいっぱい採った。その他、ならたけ、むきたけ、くりたけ、ぶなはりなどをゲット。

その夜の宴会は山の幸がふんだんで、斎藤さんから差し入れてもらった肉もあり、食当が持ってきた食材はほとんど消費されなかった。そのメニューは、なめこおろし、なめこ汁、焼肉、焼肉の残り汁によるならたけのソテー、きのこふんだんの豚汁、茹で栗、栗ご飯、むかご飯などなど。食べ物がうまかったせいかちょっと飲みすぎてしまった。

10月13日(日) 快晴
今日の行程は長いので7:00に出発。昨夜の酒が残り頭が重い。歩き始めて程なく2段くの字の斜瀑。右から巻いて一旦沢床に降り、その上の15mの滝は左から巻く。次に釜を持つ5mの滝。釜を泳いで滝の右に取り付いて超える。冷たい水に体が痛みを覚える。

辰巳又沢の出合で佐藤さんたちパーティーと別れる。すぐの2段の滝は上段の8mは左から巻いて超える。ここからしばらくは長いゴーロ歩きとなる。沢が南西から南へと方向を変えると開けてきて勾配が緩やかになる。このあたりからナメや滝が適度に出てきて楽しめるようになる。滝はほとんどが斜瀑で難なく越えられる。

標高900〜950mの地形図で等高線の詰まっているところに15m程の滝が出現。左の急斜面をブッシュ伝いに登ったとしても落ち口へのトラバースができるかな。などと見ていると、長南リーダーの指示は右。右のルンゼを登るが、急で悪く、長南さんが一旦空身で登り、自分と私の分のザックを荷揚げして次にお助け紐を出してもらって私が登る。私はそのままザイルを持って空身で登り、安定しているところに支点を取ってザイルを下ろす。そのザイルにつかまりながら関さんが登り、最後に長南さんが自分のザックを背負って、私のザックを上でザイルで確保しながら引っ張り上げた。ブッシュが多くて荷揚げ不能のために取ったやむをえない方法。とはいえ長南さんお疲れさまでした。この高巻きに約1時間を要し、13:00の交信ができなかった。

この上は特に何もなく、小滝や斜瀑を交えながらのゴーロといった渓相で高度を稼いでいく。このあたりから私は疲れが出てきてペースが遅くなってしまった。

15:00の交信は1150mあたり。ここで無線の電源が入らないことに気付く。バッテリー切れか、どこかにぶつけて故障でもしたか。いくらやってもダメなので諦めて出発。最後の詰めは笹と潅木のヤブコギ。1時間ほどヤブを漕いだろうか。斜度の緩いヤブだったのでそれほどしんどくはなかった。16:30稜線着。この時間では小杉沢の下降は危険なので、登山道を下り、薬師岳の避難小屋に泊まることとする。無線が使えないので、在京連絡人である越山さんに携帯電話でその旨を伝え、マッチャンの携帯にも伝言を入れた。

和賀岳17:00。日は既に沈みかけて、稜線が夕日に赤く染まって美しかった。もう少しその場にとどまって景色を眺めていたかったが、そうもしていられない。明るいうちになるべく距離を稼いでおかなくては、と先を急いだ。小杉山で17:40、ついに日は完全に暮れた。ここからヘッデンをつけて歩く。19:30薬師岳避難小屋(跡)に着。そこではキャンパーが焚火を炊いてえらく盛り上がっていた。200m程下った水場で大鷲倉Pとも落ち合い、辰巳沢Pの消息も知れて一安心した。

その夜は疲れていたせいか、食事が終わると酒を飲むのも早々に、くたっと寝てしまった。珍しく酒の余った山行だった。

10月14日(月) 晴れ
今日は下るだけなのでゆっくりと9:30ごろ出発。大鷲倉Pとともに10:40登山口に到着。呼んであったジャンボタクシーに乗り、途中袖川沢の出合で佐藤さんたち辰巳又沢Pを拾って角館の温泉「湯ぽぽ」に向かった。なかなかいい温泉でした。そこから先はお定まりの宴会泥酔旅行となったのである。

【反省】
またもトランシーバーが役に立たなかった。原因はバッテリー切れだったので、どこかでスイッチが入ってしまったものと思われる。結果的には全員無事に山行を終えたが、今回のように予定から外れる行動をとる場合には非常にまずい。「ヒヤリハット」事例として反省したい。(記:増田)

《コースタイム》
12日:夏瀬ダム(9:00)〜入渓点(10:10)〜朝日沢出合(12:10〜12:55)〜マンダノ沢出合テン場(14:45)
13日:テン場(7:00)〜辰巳又沢出合(8:30)〜950m付近の15mの滝(12:30〜13:30)〜1150m付近(15:00)〜稜線(16:30)〜和賀岳(17:00)〜小杉岳(17:40) 〜薬師岳避難小屋跡(19:30)
14日:テン場(9:30)〜登山口(10:40)

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