JR川井駅に集合して大丹波川沿いの林道を約1時間ほど歩くと真名井沢にかかる「とりがや橋」に着く。ここが入渓点だ。途中、林道脇で何のためかヘリコプターがホバリングをしていた。今から思えば、これがこの後の悲劇の前兆だったのかもしれない・・・
足支度をしていると、鉛色の空からポタリポタリと雨が落ちてきた。入渓するとしばらくワサビ田跡が続く(残念ながらワサビは残っていない)。2mの滝を過ぎた後も小滝が続きなかなかおもしろい。
入渓して約50分、620m付近の二俣に到着し、ここで小休止。ところが大塚リーダーの様子がなにかおかしい。腹痛を訴え、何度かキジ打ちをするものの一向におさまらないらしい。結局、大塚リーダーがギブアップし、戸ヶ崎さんも降り続く小雨に退き気味だったのか「よぉ〜し、撤退撤退」となんか嬉しそう・・・
撤退ルートは、左俣を少し行った右岸の窪を赤杭尾根の登山道に上がるというものだ。窪に取り付いたのだが、これが以外と急登で北斜面のため足首上くらいの雪のラッセルになってしまった。雪も降り出し、ヘリコプター、ラッセルとくれば思い出すのはあの揖斐川・・・
またもや遭難か?と不安がよぎるが、所詮は奥多摩。1時間ほどでヒョッコリ登山道に出た。一気に登山道を駆け下り、古里駅に着いた頃には大塚リーダーの腹の具合もすっかり回復していた。
しかし、今回の山行は1月の月夜見沢の汚名を晴らすための冬丹会(冬でも丹沢で焚火をする会)満を持してのものだったが、今度は会長自らが失態を演じてしまった。
冬丹会の存在意義を問われそうである。(記:松之舎)