蔵王・北川小屋の沢

2003年8月30日〜31日
L長南・佐藤

2003/08/30 蔵王:小屋ノ沢

前夜、笹谷ICで山形道を降り林道の途中まで入り仮眠をとる。
早朝から釣師の車が何台か入ってくる。空は今ひとつすっきりしない。まだ8月の終わりだというのに秋の気配が強く漂っている。林道を車で魚止橋まで向かうが2kmほど手前で落石で通行不能。無理に入っている車もいるようだが無理せずに身支度をして歩き始める。

林道から見る限り小屋の沢の水量は多くない。林道側面の壁は花崗岩でスパッと切れていて沢も岩盤がはっていそうな雰囲気だ。
ところどころ崩壊で埋まった林道を魚止橋まで行く。ここで小屋の沢本流がガッカラ沢に出合う形で流れ込む。本流は魚止沢との記載もある。橋からは釜を持った花崗岩質の滝が見えている。期待が持てそうな渓相だ。

橋を右岸側から沢に降りる。見えていた釜を持った滝を右から越えると小さなゴルジュになる。朝から水に浸かるのを避け左岸から巻く。暑い日なら浸かって行ける所だ。真ん中に倒木がかかる小さな滝も濡れるのを避けて左から小さく巻く。巻き道はしっかりついている。
時折差す薄日で花崗岩が映えて美しい。天気がよければ気持ちのいいところだ。

左岸から10m滝で沢が出合うとゴルジュ状に瀞と小滝が続き魚影は見えるのだが全く見向きもされない。釣師が入っているのかかなりすれているようだ。その後もポイントごとに竿を出してみるが全く見向きもされなかった。
八方平からの沢を合わせて小さなトイ状の滝を越えると6mの直瀑。登れそうにないので少し戻り右から高巻く。

次の12m滝も右から巻くと二俣。水量は1:1。二俣を過ぎると沢筋は狭まり小さな連瀑帯になる。右岸から踏み跡で高巻くと沢は開けナメと斜瀑が続くようになる。よいテン場はなかなかないが1050mの小峰を回りこみナメを越えて沢が開けると左岸に絶好のテン場が突如現れた。
今夜は雨が降るかもしれないのでタープの下にツェルトもはった。湿った大木に火をつけようと酒を飲みながらガンバっていたらポツリと来たので片付けはじめると本降りになる。ツェルトの中で少し飲んで就寝。

翌朝になっても雨は上がらず、小雨の中をゆっくり出発する。
ナメを越すと連瀑帯に入る。まず斜瀑の段々状6mを越えて4mは右から巻く。右から沢を合わせると4mナメ滝。その奥にも登れそうもない連瀑が8mほど続く。右岸を巻くと踏み跡があるが先に見える大滝も高巻いているようなので途中から大滝の下に降りる。大滝は30mほど。水流右の露岩から登れそうだが上段がどうかなという感じだ。上段は右に逃げれそうなので直登する。下段はスタンスはしっかりしているが少々滑りやすい。上段は水流近くはツルツルなので右斜上するバンド沿いに空身でザイルを引いて登るがイヤらしい。少々レイバック気味でそろそろ支点が欲しいところに残置ハーケンがあり使わせてもらう。一段上がったところで確保支点をとり荷揚げをしてセカンドも空身で登ってもらう。その先も壁があったが壁の脇の草付きと潅木帯を斜上し落ち口に出る。

名号峰への二俣を分けると流れは小さくなり小滝を連ねて蛇行気味になる。当初予定では登山道に上がらずにそのままガッカラ沢に抜けるつもりだったが、雨で時間も食ったので登山道に1390mあたりで出て1100mあたりの鞍部からガッカラ沢の支流を下ることにした。
蛇行気味の笹がかぶる沢筋を詰めてヤブに突入したその先に登山道がありほとんどヤブ漕ぎはなかった。

稜線の反対は少し薄日も差す天気で登山道からは濁川にかかる不帰ノ滝が豪快に落ちるのが見えてしばし見物。100m近くあるだろうか。
1100m付近の鞍部から下るがこちらの笹ヤブも樹林の下で薄い。ナメ底になると8mの滝はクライムダウンできず懸垂下降。あとはクライムダウンでガッカラ沢本流へでる。

その先3段15mは水流の中へ懸垂かと思ったが左岸に踏み跡があり巻き下りる。沢が広がり流れが緩やかになると護岸された林道終点が突如として現れる。

林道に上がり車まで林道を歩く。時間が押していたので近場の笹谷の簡保の湯(500円)に入ったが、温泉とのぼりがあったのに厚生省認可の弱アルカリ性の温泉の素なるものが入った代物だった。(記:長南)

<<コースタイム>>
30日 曇り 9:10林道(通行不能地点)−10:00魚止橋10:20−12:00八方平からの沢12:45−14:30二俣−16:00(1040m付近)B.P.
31日 雨 B.P.9:00−10:10大滝上10:30−11:00二俣(名号峰への)11:15−12:25登山道12:40−13:00(1100m付近)鞍部-14:00ガッカラ沢本流14:20−15:20林道終点−16:00通行不能点

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