焼石:胆沢川小岩沢〜南本内川

2003年10月11日(土)〜13日(月)
L長南・増田・阿部

2003/10/11 焼石:小岩沢

今年の10月の月例山行は、中止になった9月の月例山行の焼石がそのままスライドした。紅葉にはちょうどよいが水に浸かるにはちと辛い、そんな季節だが紅葉の焼石にはまだ行ったことがなかったので期待が高まる。

ルートは胆沢川の小岩沢を詰め北側の南本内川を下り700m付近の二俣から牛形山南方1200m付近鞍部を夏油川側に乗っ越し夏油川を下るという計画だったが、メンバーの体調不良と雨のため南本内川を下ったあたりで戻るという結末になった。

■11日 快晴
水沢には夜行バスで6時前に着いた。しばらくうだうだしてからタクシーを拾い胆沢川沿いに入ってもらおうとするが、タクシーの運転手はダム工事中の中沼方面の分岐で首を傾げている。どうやら中沼登山口に向かおうとしているらしいので再度行き先を告げ小岩沢を渡ったところで降ろしてもらう。小岩沢にかかる橋はなぜか「大岩橋」だった。

準備をしながら橋の下を覗く。下流は磨かれた側壁と釜をもった滝が続きいい渓相だ。
右岸の踏み跡から沢に降りしばらく行くと岩盤がはってくる。水に浸かるかと思ったが軽くヘツるだけで通過でき風窪沢を合わせる。
この先、釜を持った小さな滝が続きいい感じなのだが陽はまだあたらず肌寒い。両側から側壁が迫ってきたころに、とうとう胸まで浸かりそうな滝場が出てきた。身体も温まるし軽く左岸から巻こうとしたが、両岸が壁なので思った以上に巻き上げられ最後は懸垂で増田さんが様子を見に行くが、あと少しザイルが足りなかったらしく最後3mほどは別のロープが掛けてあった。

しばらくゴーロが続くが谷はV字状に狭まっていき3m滝を水線左から乗っ越すと正面の斜面でカモシカがじっとこちらを見ていた。
沢が右に曲がった先に4mの滝。土砂が崩れた跡にできた段差のような滝で右の斜面を登れそうだが崩れそう。空身で増田さんが上がって荷揚げ。

ようやく谷に陽がさしてきてまわりの紅葉が美しい。沢も開けてきたころにすっきりとした少々斜度のある15m大滝。下部はハングっていて登れない。地形図2つ目の滝マークはこれなんだろうけど、一つ目はどれだったんだろう?
左から簡単に巻き、沢に降りるとしばらくナメが続き平らになる。あまり先に行くと薪がなくなるので今日は早めにテン場を探す。

絶好のテン場はなかったが1200m少し下の二俣の台地にテントを張り沢に降りて焚き火場を整地する。
薪を集め上に様子を見に行っても陽は沈まないので明るいうちから飲みはじめる。陽が傾いてくると対岸の黄葉が徐々に赤く染まっていき綺麗であった。

■12日 曇
いつもは一番に起きる増田さんが起きない。昨夜泡盛を1本空にしていたようだったが、私なら原因はそれだが、増田さんには適量だし少々気持ちが悪い程度の酒量なのに動悸が激しく起きれないそうだ。
しばらく様子をみることにしてまたシェラフに包まる。
阿部さんと火をおこし朝飯を食べお茶を飲み、阿部さんがスケッチをはじめて…。そんな風にいつもからは考えられないようなゆったりとした朝を楽しんでいたが、今日、稜線から登山道にエスケープするにしても南本内川を下って様子を見るにしても、そろそろ決めなければならない時間にまでなってしまった。テントまで様子を伺いに行くが動けるということなので様子を見ながら先に進むことにした。

テン場から先は蛇行を繰り返し緩やかに斜度を上げていき、焼石岳が正面に見えてくると大草原になる。休んでいると稜線から人の声が聞こえてくる。登山道はかなり賑わっているようだ。
残念ながら稜線まで草原というわけにはいかず最後の詰め上がりは濃いヤブであった。それもカエデ類、シャクナゲにハイマツという結構うるさい部類の潅木帯だった。

増田さんも問題ないようなのでこのまま登山道を下らず、夏油川へは届かないかも知れないけど南本内川を下ることにする。
稜線から登山道経由で南本内川側に向かっていると泉水沼の分岐あたりから大声を上げ手を振っている2人とその先の登山道をでっかいザックを背負って走って登ってくる輩が見えた。トガちゃんとこのパーティだ。ザックを下ろして待っていると、はたして古川原が走って近づいてきた。トガちゃんたちもやってきてしばらく今後の予定などを話して稜線で別れ、我々は南本内川を下りはじめる。

南本内川源頭部の大お花畑は中に入ってみるとそれほど大きさは感じなかったが、小岩沢の源頭とまた違って色彩豊かな草紅葉で美しかった。
テン場適地があれば今日はもうそこまでと思っていたがなかなか適地がなく、1200mあたり、ナメやナメ滝が出てきたあたりの右岸をテン場とした。

■13日 雨
夜半に雨。今年は雨に降られなかった山はあっただろうか。テントから顔を出して流れが来ていないことを確認して再び寝る。
ところが朝起きると焚き火場は水面下。対岸の小さな枝沢は滝場になっている。かなり増水している。どうやら源頭のお花畑は固い粘土質らしくて保水力もなく、増水に関してはナメと同じ現象を引き起こすようだ。
流されたものをできるだけ回収しようとしているうちに水は引きはじめ、焚き火の跡も現れてきた。未回収物は長南:菜箸1本、増田:同じく菜箸1本、阿部:ガスカートリッジの蓋とほとんど無傷のようなものだった。

水が引いてきたとはいえまだ増水しているので下降するのをやめ、稜線まで昨日の下降ルートを戻ることにした。

稜線に上がると強風雨。だだっ広い稜線を横殴りの雨風の中、銀明水の小屋まで駆け下る。
昨日の雨で尿前沢にはいっているパーティーが心配だったので11時に交信を試みるが通じない。電波は届かない場所ではないのでエスケープしたんだろうと少々安心する(後日聞いたところでは前日に夫婦滝手前の枝沢から金明水の小屋に上がっていたそうだ)。

小屋でタクシーを呼んでつぶ沼までキノコを採りながら下る。収穫はムキタケ、ブナシメジとやはり今年は不作のようだ。

今回は計画通りには行けなかったが、小岩沢と南本内川の源頭部に入れたし、山スキーの下見もできたのでそれなりに満足のいく山行であった。(記:長南)

<<コースタイム>>
11日 晴 大岩橋730-750風窪沢-11:30大滝-13:30(1190m付近)B.P.
12日 曇 B.P.11:00-13:30稜線-14:20下降点-16:00(1180付近)B.P.
13日 雨 B.P.9:00-10:30稜線-11:00銀明水12:30-14:10つぶ沼登山口

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