電車山行の味わい

 電車で行く山行が好きだ。一人で登っていた頃はそうでもなかったのだが、この会に入って仲間と行くようになってから少しずつそう感じるようになった。電車の何がいいのか思いつくままに書き並べてみた。

早朝列車:まだ夜が明けやらぬうちに家を出て、眠い目をこすり駅に向かう。ホームで電車を待っている間にも次第に空が明るさをまして、今日の好天を知らせてくれる。電車に乗り込んでウトウトしているうちに気が付くと周りがすっかり明るくなっている。仲間と集合してまた電車に乗り込む。話題は殆ど今日の沢の話だ。電車の中で地図を広げ、朝食のサンドイッチを頬張りながらああだこうだといろいろ話す。

夜行電車:仕事を終えて帰宅。あわただしく用意をし、集合場所へと向かう。すでに何人かは集まっていて「どうも。」などと挨拶を交わす。時々遅れそうな人がいて少し心配したりする。列車がホームに入ってきて乗り込む。ムーンライトのようなボックス席の列車であればすぐさま宴会が始まる。足を投げ出し、くつろぎモードに入って、明日からの沢への期待を話題に酒を飲む。ときどき、いや、しょっちゅう飲み過ぎて、翌日の体調に影響の出る人もいるが、まあそれはご愛嬌だ。
はじめの頃は夜行で寝ることができなかったが、最近では熟睡できるようになり、夜行が苦痛でなくなった。やはり慣れが大事だ。

帰りの電車:無事山行が終わり、温泉など入ってさっぱり気分で電車に乗り込む。もちろんビールとつまみは欠かすはずがない。山行の終わった安堵感と充足感にひとり、想い出や反省を話題にしながら、ビールを飲む。このひとときが最高なのである。帰りの電車は空いていることが多いので、車窓の夕景色など見ながら思い切り足を伸ばしてくつろぐことができる。やがて心地よい眠りへと引きずり込まれていく。

やはりくつろげること、そして酒が飲めることが電車のメリットだ。空いていて座れることが前提条件であるが、我々の山行は大衆の指向とのズレのためか、結構空いていることが多い。とはいってもたまに座れないこともあるが、そのときには通路にしゃがみ込んでとにかく飲むだけは飲む。この前丹沢に行った帰り、小田急線の車内で車座になり酒を飲んだ。最初は他の乗客の視線が気になったが、そのうちなんともなくなった。恐ろしいものである。世間を浮浪者の視点から見ているような気がした。電車万歳である。(ま)

Pocket
[`evernote` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です