2005年5月3日(火)〜5日(木)
L大塚、関、山口、佐藤
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2005/05/03 南紀:八木尾谷右俣、雲音谷 |
連休前夜、池袋から南紀勝浦行きの夜行バスで新宮に向かう。新宮で山口さんとも合流し、松之舎パーティとともに8時30分に予約したジャンボタクシーに乗る。さすがにバスよりも早く、1時間も掛からずに八木尾橋に着いた。前回は小雨だったが、今回は良い天気で幸先が良い。車道を少し歩いて、道が川原に降りる所で身支度をする。
しばらくは堰堤もある平凡な渓相だが、左から沢が入ると、次第に渓相が良くなり、最初のゴルジュで早々に腰まで浸かって通過する人もいる。右から沢を入れると、核心部に入った感じとなり、柱状摂理のゴルジュの奥に釜を持った6m滝。直登は無理なので、左の岩と泥のミックスした斜面から巻く。ナメ滝を越すと再びゴルジュとなり、4m、2段6mと続く。今日は時間もあることから、この6m滝は長南さんが残置+1枚ハーケンを打ち、空身で右から突破する。しかし、予想どおり8人分の荷揚げのため、かなり時間が掛かった。続く6m滝は、右のルンゼから登り3m程の懸垂で落ち口へ。これまた8人なので時間をくう。次の3mはお助け紐。その次の幅広15m滝は素直に左を巻いた。スラブ状の瀞を越し、10m滝を高巻くと二又も近いが、その前に15m滝。前回と同様に右の踏み跡に出て巻く。既に時間も4時を過ぎ、川原を僅かで二又に着く。ここは前回も泊まった良いテントサイトである。夜は2パーティ合同で宴会をし、三々五々に就寝。
翌朝は、少々二日酔いで目覚める。今日も時間にゆとりもあるので焚き火でのんびりし、松之舎パーティよりは早いが、8時過ぎに出発。天気も上々。初めは少々うっそうとした渓相だが、すぐにナメが続く。5m滝は巻くのも簡単だが、ザイルを出して直登する。なおもナメが続くが、ゴルジュの奥に釜を持った5m滝。直登は無理で、右のザレた岩場から巻く。上にあがると踏み跡があった。その先は二度小さく巻くものの、問題はない。ナメの多い中、左、右と沢を分けると、左に炭焼き跡がある。その先のナメ小滝をいくつか越すと、2段20mに見える滝。直登は難しそうで、左の岩と泥のミックスした斜面から巻く。結局、滝は4段で35m位あり、大高巻きになった。この滝上もナメ滝が続き、左が岸壁になると、2段15m滝。ここで昼食の後、ルートを見ながら岩場を覗っていると、こぶし大の落石。ヘルメットも脱いでいたので、ヒヤリとさせられた。かなり難しいルンゼからの巻きと思っていたが、落ち口横にルートがあり、予想外に簡単に登れた。この滝の後もナメ滝が連続し、水が枯れると植林になり、踏み跡を横切る。これを辿ると、途中に不明瞭になるものの、30分弱で七色への登山道に出た。この登山道は熊野古道の一つ、中辺路?への由緒正しき道で、熊野本宮方面も途中から見え、道祖神や看板やらが目についた。また、この道には照葉樹が多く(名前は分からなかった)、落ち葉が滑るのには参った。
下山には休憩を入れても1時間半程だが、天気が良かったため、七色に着く頃には汗がダクダク。自販機横で飲んだ缶ビールが最高だった。汗の引いたところで、仕入れた缶ビールをザックに、早々に雲音谷に向かった。(記:佐藤)
5月5日(晴れ)
雲音谷出合の堰堤上に不要な荷物をデポして遡行を開始する。帰りのバスの時間を考慮して5月としては異例の5時40分に出発する。この時間から遡行を開始するのは寒くて辛いが幸い今日も良い天気になりそうだ。
しばらくはヤブの被った平凡な渓相だがすぐに小滝が続く滝場になり、10m滝の水流右側を登ると20m滝が姿を現した。スッキリした直瀑で周囲の新緑の景観とも相まってなかなか美しい滝だ。左岸の潅木帯から巻き始めるが落口付近が壁になっていて、岸壁を大きく右から回り込む形で上に追い上げられる。植林帯に入り古い仕事道の跡をトラバースぎみに辿り、二つ目のルンゼ脇の潅木を掴みながら沢床に降りる(高巻き所要55分)。20m滝の上は4m滝になっていて、その上には取水施設があり右岸側から立派な道が上がってきている。この道は右岸を大きく高巻いてきているようだが、これを見つけられればこの滝はもっと容易に高巻く事が出来るだろう。
再び小滝の続く滝場になり標高300mの右岸支流を入れると綺麗なナメ床が現れ、それを過ぎると25m滝が現れる。右隣に支流の2段20m滝があり、ちょうど滝が二つ並んで見える。支流の左岸を高巻き2段20m滝の落口に達し、さらにトラバースして本流の25m滝の落口を目指す。最後の数mが微妙なのでザイルをのばして落口までトラバースすると25m滝の上に8m滝があった。
これは登れず一旦戻り今度はそのまま上にザイルをのばす。8m滝の上にはさらに5m滝があり、結局全部まとめて高巻く事になる(高巻き所要60分)。
この辺りまでが核心部のようで谷は開けるが、依然小滝は続き飽きる事のない遡行が続く。標高450mの二俣を左に入り連続する小滝を小気味良く越えて行くと、傾斜の緩い3段20mの滝になるが、これは水流沿いに容易に登れる。
これがおそらく登山大系の50mの斜瀑であろう。
標高600m付近で右岸から5×10m滝で支流が入り、本流には3段12m滝が懸かる。ここでそろそろ帰りのバスの時間が気になり始めたのでこの支流をツメ上がる事にする。本流はまだまだ良い渓相が続いているので未練が残るが、核心部は越えたしここまでで十分楽しめたので良しとしよう。支流に入るとすぐに水が涸れ、ゴーロの中の涸れ滝をいくつか越えて行くと最後はヤブ漕ぎもなく熊野古道(小辺地)に出た。
途中、登山道で松之舎パーティーと合流して七色に下山した。(記:大塚)
<コースタイム>
5/3 入渓点(10:00)〜最初の滝(10:55〜11:15)〜2段6m滝上(13:00〜13:30)〜二又(16:30)
5/4 二又(8:25)〜5×10m滝上(10:00〜10:25)〜右沢出合(11:20〜11:30)〜2段15m滝下(12:25〜13:10)〜植林地踏跡(14:10)〜登山道(14:35〜14:45)〜七色(16:10)
5/5 堰堤上(5:40)〜20m滝上(7:30−7:50)〜25m滝上(9:30)〜標高450m二俣(10:10−10:30)〜標高600m右岸支流(11:30)〜水涸れ地点(11:45−12:05)〜登山道(13:15)〜七色(14:10)
<1/25,000地形図>
伏拝、発心門