八幡平・玉川大深沢八瀬沢


2005/06/20 八幡平:大深沢八瀬沢

2005年6月20日〜22日
大塚

6月20日(晴れのち雷雨)
田沢湖行きの夜行バスを降りて玉川温泉行きの路線バスに乗り換える。五十曲で下車し、大深沢の出合から右岸の軌道跡を進む。軌道跡の踏跡は直ぐにヤブが被るようになり右岸から上五十曲沢が出合う手前で途絶える。

一旦本流に降りてから再び右岸に上がり軌道跡を探す。この辺りから黒石沢出合までは、軌道跡はあるにはあるがヤブが被っていたり崩れていたりで思っていたより行程がはかどらず、ヤブの鬱陶しさと夏のような暑さに嫌気がさし、黒石沢出合からは本流通しを歩く事にする。本流は広い河原なのでこちらの方が気分は良いが、渡渉を繰り返すので時間的にはあまり変わらない。今回は膝上くらいの渡渉なので問題なかったが水量が多ければ本流を行くのはきついだろう。石仮戸沢出合手前の取水施設からは良く踏まれた作業道が続き、湯ノ沢吊橋、見張小屋を経て大深沢の大堰堤まで一気に距離を稼ぐ。

堰堤上で身支度と昼食を済まして入渓する。初めは広いゴーロだがソヤノ沢出合を過ぎると両岸がやや狭まって、へツリや小さな巻きを交えるようになりようやく沢登りらしくなる。右岸から入る小さな支流を2本越えた辺りで雷が鳴り始めると、まもなく大粒の雨が降ってきた。ついさっきまで晴れていた空が急に真っ暗になり夏の様な夕立になる。雷も雨の降りもかなり激しいのでしばらく様子を見ていると、見る見るうちに増水し、あっという間に前進不可能になる。背後の台地に非難してずぶ濡れになりながらヤブを整地してツェルトを張る。雨が降り始めて一時間後にはまっ茶色の濁流になり、二時間後にはさらに水量が増し、岩と岩がぶつかる音がゴツンゴツンと響き渡る大迫力の増水になった。

結局雨は3時間程で止んだがこの日はここに泊まる事になった。

6月21日(晴れ)
朝5時に起きて沢の様子を見に行くが昨日の増水がまだ完全には引いておらず、単独での渡渉は危険と判断し出発を遅らせる事にする。竿を出して遊んでいると流れが濁っているのが幸いしてか腕の悪い私にも尺物がかかった。

9時になっても水量は朝の時点とあまり変わらないが意を決して出発する。水勢の弱い渡渉点を探しながら、高巻きを二度交えて上手い具合に八瀬沢の出合に辿り着く。計画では本流の東ノ俣沢をツメ上がる予定であったが、ここで八瀬沢へのエスケープを決める。八瀬沢に入ると水量はぐっと減り、渡渉の緊張感から開放される。

八瀬沢の下流部は両岸が崩壊していてひどく荒れている。滝ノ沢の出合を過ぎると渓相は落ち着き、ナメや小滝が現れるようになる。地形図の滝記号はトイ状の4m程の滝で意外と小さい。右岸から小さな支流を入れ、2段7m滝を越えるとスノーブリッジが行く手を塞ぐ。ブリッジはそこそこ安定していそうだが取り付けないので右岸から高巻き、トラバースしながら様子を見る。このまま巻くと高く追い上げられそうなので、小ルンゼから懸垂2ピッチで雪渓上に降りる。50m程の雪渓の終端は薄そうだったが右岸のへりから上手い具合に沢床へ降りる事が出来た。

ここから先は美しいナメの上を小さな魚影が走る穏やかな渓相になり、天気も良くとても開放的な気分になる。しかし、この先で思わぬ落とし穴があった。標高980m付近の水量比1対1の右岸支流を本流だと思い込みルートミスしてしまう。(ルートミス詳細は別項参照)八瀬森にツメ上がったつもりが北隣の1209mピークにツメ上がってしまい、この日は八瀬森山荘まで行けずに減頭部に泊まった。

6月22日(晴れ)
ルートミスを修正して八瀬森へツメ上がる。登山道を見つけた時には正直ホッとした。

大深岳経由で松川温泉へ下山。

<ルートミスの経緯>
※遡行図、地形図参照
1. 八瀬沢標高985m付近の本流がゆるやかに左曲し左岸から支流が入る地点【A´】と、その200m程手前の標高980m右岸支流(水量比1対1)が入る地点【A】とを誤認し、標高980m右岸支流を本流だと思い込み、間違えて入ってしまう。
2. 沢がほぼ90度左曲する地点【B】で方角の確認をしてさらに間違えないと思い込んでしまう。(本流の【B´】地点だと思い込んだ)
3. 間違えて入った支流と本流はほとんど同じ方角に流れているので、全く気がつかないまま1209mピークを八瀬森だと思いツメ上がる。
4. あるはずの登山道がなく右往左往する。(約1時間)
5. 間違えて1209mピークにツメ上がった事を確認するために南側の沢に降り、さらに現在地を特定するために標高1050m付近まで下降する。(約1時間30分)
6. 時間切れで源流部の標高1120m付近に泊る。
7. 翌朝、八瀬森へ直接上がる沢をツメて登山道に出る。

<ルートミスの原因>
ルートミスの原因は1:25,000地形図を持っていなかった事だ。地形図はカラーコピーしか持っておらず、八瀬沢へのエスケープは予定外であったため、八瀬沢源流部は途中で切れていた。エアリアマップ(1:50,000登山地図)を頼りに遡行したが、八瀬沢源流部は蛇行しながら細かい支流が入り組んでおり非常に分かりづらかった。

下山後、1:25,000地形図で自分の迷った経路を確認したが、地形図さえ持っていれば絶対にこんなルートミスはしなかったと確信している。

<教訓>
地形図はあらゆるエスケープを想定して広い範囲を持つべきである。コピーは濡れると駄目になるので現物の方が良い。行動中はコピー、予備に現物が理想。単独の場合は他人をあてに出来ないので特に要注意。コンパスの予備も持つべきである。(記:大塚)

<コースタイム>
6月20日/五十曲(9:25)〜湯ノ沢吊橋(12:40)〜大深沢大堰堤(13:15〜13:45)〜ソヤノ沢出合(14:10)〜雷雨により行動中止(14:45)
6月21日/幕場(9:00)〜八瀬沢出合(9:40〜10:10)〜滝ノ沢出合(10:50)〜トイ状4m滝(11:40〜12:00)〜標高980m右岸支流(13:30)〜1209mピーク(14:50)〜源頭部幕場(17:00)
6月22日/幕場(5:40)〜八瀬森(7:10〜7:30)〜大深岳(10:00〜10:35)〜松川温泉(12:20)

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