谷川・赤谷川本谷

2005年8月19日(土)〜20日(日)
L増田、西、関

今年の夏合宿は奥利根本谷を予定していたが、私の仕事の都合で直前に中止となり、メンバーの皆さんには非常に迷惑をかけた。幸いにして後半は休みが取れたので、本来は合宿の事前山行として承認をもらっていた赤谷本谷に行くことにした。

赤谷川本谷は入会した年の夏に連れて行ってもらったことがあったが、谷川の沢の中にあってとりわけ開放的でスケールの大きな沢という印象が残っていた。今回も最終日は好天に恵まれ、明るく開放的な赤谷本谷を満喫することができた。

8月18日(金)
どうせ前日発なら、早めに出て林道終点で焚き火をしながら入山祝いをやろうということで、笹穴沢出合の川原を幕場とした。久しぶりの山行で1時間半の林道歩きでも結構疲れた。こりゃ先が思いやられる。酒のほうは山行のブランクと関係なくハイピッチで進んだが、これがまた翌日の行動に響くことになった。

8月19日(土) 晴れ後曇り夕方から雷雨、夜また晴れ
7:00出発の予定が、目が覚めたのが7:00前。慌てて身支度をし、8:00発。登山道を横断点まで行くことも考えたが、せっかくなので下から行くことにする。

下マワットノセンまでは特筆すべきポイントはないが、ナメと釜と登れる滝が適度にちりばめられ、スタートからなかなかの好印象を与える。下マワットノセンは右岸から簡単に巻ける。

マワットノセンは左のルンゼを登り途中から右の壁に取り付くが、思いの他てこずった。登りきった所に上から降りてくる踏跡があり、もう少し上から巻くのが正解だったようだ。また、後でガイドブックで確認したところ、「水流の右を直登できる。」という記述もあったが、それは全く思い及ばなかった。

マワットノセンを超えると長い巨岩ゴーロ帯となる。巨岩に阻まれ右往左往しながら時間がどんどん経っていく。これさえなければもっと登られてもいい沢だと思うのだが。途中から右岸の踏み後をたどり、ある程度の距離を一気に巻いてしまった。

裏越ノセンの高巻きは大きな釜を胸まで浸かって渡り、水流左側のルンゼを直登する。途中右に逃げる踏跡らしきものもあったが、先が見えなかったので段々傾斜がきつくなるルンゼをまっすぐ登りきった。

久しぶりの山行であることと前日の酒でピッチが上がらなかったこと、高巻きのルートミスその他何やかやで時間がかかり、ドウドウセンの下まできたときには既に16:00頃になっていた。しかも午後から続いていた小雨が次第に激しくなり、雷も鳴っている。高巻きは2〜3時間といわれているので、これからだと暗くなるかなと思い、予定外ではあったがドウドウセン下でのビバークを決めた。左岸の一段上がった所の藪を整理してタープを張る。ヌカカとブヨに悩まされる決して快適とは言えないテン場だったが、濡れた物を着替えると人心地ついた。皆疲れていてあまり食欲がなく、飯も炊かず酒もほとんど進まないまま9時過ぎに就寝。雨は上がって星空になっていた。

8月20日(日) 晴れのち曇り夕方雷雨
朝起きるとまず空を見る。晴れている。「よしっ」と気合を入れ、5時起き6時出発をほぼ守り、朝一番からドウドウセンの高巻きに取り掛かる。右岸の枝沢を途中まで登り、赤テープのついた所を攀じ登る。最初は傾斜がきついが次第に緩やかになり、岩盤の基部まで行って左に回りこむ。藪漕ぎすることしばらくで草付の露岩帯に出る。高度感があるため慎重に登る。最後は再びブッシュに突っ込んで1507mピークからの枝尾根に出た。当初1507mを回り込まなければいけないかと思っていたが、しばらく行くと眼下に目標とするドウドウセン上の川原が見えたため、そこからまっすぐ草付の急斜面を下る。高巻きを終えほっと一息ついて、昨日泊まるはずだった快適な川原でしばし休憩。

流れが大きく北に向きを変え、長い淵の奥に8mの滝を抱えている所を右岸から高巻くと、そこから先は難所のない快適な上流部の遡行となる。まずは川幅いっぱいのチャラ瀬。両岸が開けて真っ青な夏空が広がり、その下のきらめくような流れを歩いていると自然に表情も緩んでくる。

次にゴルジュ帯に突入するが、小滝と淵の連続で適度に楽しめる。そこを過ぎると流れは東に向きを変え源流部の様相を呈してくる。両岸は笹原の緩斜面で、風にざわざわと揺れている。枝沢を分けるたびに流れは小さくなっていく。水量比1:4の二俣を左に入るとさらに流れは細くなるが、それでも階段状の滝が連続し、最後まで飽きさせない。最後は左に逃げ、あまり藪漕ぎもなく草原となって登山道に飛び出した。あとは登山道をバテバテになりながらオジカ沢ノ頭〜肩ノ小屋〜天神尾根〜天神平と下って終了。

天神平に着くと雷が鳴って雨が降り出し、ロープウェーがストップしたが、我々が着替え終わる頃には再び動き出し、ロープウェーでらくちんに下り、最終のバスに乗り継いで水上駅へ。そこからはお定まりの宴会列車となって、楽しい夏休みの山行を振り返りながら帰途に着いた。

反省と感謝
私の都合で振り回されたにもかかわらず、気持ちよく参加してくれた二人のメンバーに感謝します。特に西さんについては、事前には1年ぶりの泊まり山行だからと弱気な発言もありましたが、いざ蓋を開けてみると高巻きのすべてをリードし、最後の詰めでは絶妙のルート取り。お疲れ様でした。

それに引き換え私はというと、自らバテバテになってパーティーの足を引張り、初日にドウドウセンを超えられなかった原因を作り、不快なテン場にメンバーを追い込んでしまい、反省することの多い山行でした。

しかし、赤谷の上流部はやはりいいところですね。今年の利根川本流は条件が悪すぎたようですので、怪我の功名というか、結果的に後半にずれ込んでよかったのかな、などと思っています。(記:増田)

<コースタイム>
8/18 川古温泉 (16:00)〜 林道終点(17:30)
8/19 林道終点(8:00)〜裏越ノセン(14:50〜15:50) 〜ドウドウセン下〔幕場〕(16:00)
8/20 幕場(6:10)〜ドウドウセン上の川原(8:20〜9:00)〜稜線(13:00)〜肩ノ小屋(14:40〜15:00)〜天神平(16:00)

<データ>
タクシー代(後閑駅〜川古温泉):約6400円

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