越後・水無川滝沢左俣

2005年9月10日
L大塚、長南

2005/09/10 越後:滝沢左俣

越後の水無川と言えば豪雪に磨かれたスラブに豪快な大滝、悪い草付きや豊富な雪渓など、困難な沢のイメージが先行して、当会では今まであまり食指が動かなかった水系だが、個人的には前々から非常に惹かれていた山域だ。

前回デトノオオナデ沢に登り鉱山道尾根から水系全域をほぼ見渡す事ができ、小さな流域にギュッと凝縮された数多くの遡行価値の高い沢を眺め「水無川へ」の想いはさらに強まった。水無川の格沢は多くの遡行記録が出ており今更目新しさは無い山域ではあるが、会としては殆ど記録を持っていないので、まず手始めは小さな支流からと思い今回は滝沢左俣を選んだ。

(晴れのち雷雨)
デトノアイソメから平凡な本流を30分程で滝沢が出合う。出合から直ぐの2段15mの滝は左からノーザイルでパスする。それ程難しくは無いが朝一番の体が硬い。小滝を幾つか越えると10mの直瀑、直登するなら水流右だが左岸から高巻く。続く4段の連瀑は快適に越える。トイ状12m、6mは直登も出来そうだが右岸から楽に巻けそうなので高巻くと、三俣の並ビ滝。
右俣は10mの直瀑、左俣は8mの滝を始めに10m以下の滝が幾つも連なっている。「並ビ滝」と名が付く程だからもっと豪快な滝を想像していたが意外にも平凡だ。ブッシュが多く両岸の傾斜も緩いので威圧感は全く無い。左俣に入り、並ビ滝からは連瀑で一気に高度を上げるが高巻きが容易なので、フリーで登れる滝は登り、ロープを出す必要がある滝は小さく巻く。
一旦滝場が途絶えるが右岸からガレルンゼを入れると4m滝を前衛に2段12mの滝になり左壁から上部草付を直上する。ここからは両岸が切り立ちゴルジュとなるが沢床はゴーロという渓相をしばらく行く。CSをかけた悪いルンゼが正面に見えると本流は右に屈曲し6mの滝をかけている。ここは思い切って左壁を直登する。2段15mの滝を右から越えるとここからは再び連瀑帯になり上部にもかなりの滝が続いているようだ。ここは気持ちの良いテラスになっており対岸の眺めも良いので昼食にする。遡行の目途も立ったのでリラックスして大休止だ。ここから続く連瀑を右岸から高巻くと沢は源頭の様相になり、簡単な小滝だけになる。標高1300mの二俣を左に入ると水が涸れてゴーロになり若干のヤブ漕ぎで稜線に出た。

下山の途中で強い雷雨に打たれ悲惨なずぶ濡れ状態を嘆いていると、雨が上がり見晴らしの良い場所で雲が切れた。そこで目にした水無川の大増水ショーはかなりの見物であった。磨かれたスラブはそのまま流水溝となり、地形図上に丁寧に水線を入れたように一本の白い飛沫の連なりが上から下まで綺麗に繋がって見えた。僅か30分の雷雨で豹変する水無川の恐ろしさに驚愕したが、この流域は雷雨対策が必須である事をこの目で見る事が出来たのは良い収穫であった。

今回の山行は登攀の困難性を予想し、大量の登攀具を持ち込んだが結果としてはザイルさえ一度も使わなかった。滝の登攀と高巻きは時間的に早い方を選択したので、プロテクションを取りながら登らなければならないような滝は殆ど高巻いた。高巻きが困難であればもっと直登を試みたであろうが、高巻きが容易ならばこれが自然な遡行ではないだろうか。稜線から俯瞰した様子からすると滝沢は水無川の他の沢と比べてスラブの発達が少ないようだ。草付斜面もせいぜい10m程度で、樹林が沢床近くまで降りてきているので比較的高巻きが容易なのだろう。(容易と言っても的確なルートファインディングが必要です)(記:大塚)

<コースタイム>
十二平手前(6:15)〜デトノアイソメ(7:10〜7:40)〜滝沢出合(8:00)〜並ビ滝(9:25〜9:45)〜上部連瀑(11:45〜12:30)〜稜線(14:30〜15:00)〜十二平手前(16:40)

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