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2006/04/08 丹沢:モチコシ沢 |
山北からタクシーで玄倉林道を小川谷の分岐から僅かのゲートまで入る。天気はうす曇と言ったところで、所々桜が咲き始めているが、新緑はまだだった。
ゲート前で足ごしらえをして林道を歩き出し、約30分で玄倉川への降り口の青崩トンネルに着く。トンネル横のカレ沢沿いの踏み跡を降りると、玄倉川は伏流となっている。上流にゴルジュが見えてくると、少ないながらも水流復活し、ヤマメもちらほら。両岸がさらに高くなり川が右に曲がるところがモチコシ沢出合だった。
さて、大滝は出合から見えるが、40m位にしか見えない。パーネスを付け出合のトイ状を越して滝下に。大塚リーダーは、下段を登って上段が難しかったら巻けば良いと言いながら、やる気満々。私も下段を登って上段は巻くことになるだろうと、その時は思っていた。滝が大きいので、少し離れて全体を撮ったり、リーダーが登っているところを撮ったりして見守っていると、下段は支点のある左側にザイルを伸ばして登っていく。しかし、上部がスラブ状で、しかも支点の間隔が遠いので、信頼はしているものの少々心配する。リーダーは、それに気づいたようにハーケンを打ち、登りきる。上で確保の支点を取ると、40mザイルの余りは5m位だった。続いて五味渕君が登り、再度ザイルを投げ、ラストに今シーズン初沢登りの私が登る。私にはハーケンを打った付近から上、特に古いシュリンゲの掛かった辺りから上の最後がのっぺりとしたスラブがバランスクライムで嫌らしかった。下段を登って上段を見ると、落ち口がツルツルでさらに悪そう。しかし、ここから巻くのはガイドブックに書いてあるのとは違って、さらに難しそう。リーダーの「行くしかない」の一言で、直登することに。落ち口が左に曲がっており良く見えないため、とりあえず10m程上のピナクルでピッチを切る。ここから5m程上からツルツルで、シュリンゲがぶら下がっている。にわか雨が降ったりし、さすがのリーダーも躊躇していたが、全身ずぶ濡れでクリアー。上からザイルを投げれないため、中間ビレイで五味渕君が登る。やはりザイルが足りず、お助け紐をダブルで繋いだ。私も最後に登ったが、下から見えない所にもう一段あり、やはり全身ずぶ濡れ。シーズン初めということもあり、全身に力が入ってドット疲れてしまう。大滝の登攀になんと2時間以上も掛かってしまった。
大滝のすぐ上の2俣で昼食にし、大休止。以降はそれほど難しい滝はなく、ほとんどがナメ滝でしかも花崗岩質のため、明かるく快適である。1時間程遡行した後に右から4m滝で出合う2俣は、水量の多い左を登るとじきに水が枯れ、まだ詰めは早すぎると思いながら急なザレを巻き気味に登ると鞍部に出た。ここから見渡すと、すぐ右横に沢形のはっきりしたカレ沢がある。どうやら先ほどの滝がガイドブックにある沖の悪場のある本流と気づく。地形図も誤っており、注意が必要だ。この鞍部から右に降り、このカレ沢を少し遡ると、地形図上の2俣だった。この2俣からは源頭も見え、稜線までは僅かだった。
鞍部からは20分程で東沢本流に出て、ナメの多い渓相を下ると、記憶にある小川谷の堰堤下だった。堰堤上の山道入り口で軽く行動食を食べ、歩き慣れた山道と車道を玄倉まで戻った。 (記:佐藤)
<コースタイム>
林道ゲ−ト (9:30) 青崩トンネル(10:00) モチコシ沢出合(10:20〜10:30) 大滝上(13:00) 出合(13:10〜13:45) 二俣(14:50) 地図上の二俣(15:20〜15:25) 尾根(15:40) 東沢本流(16:00) 小川谷堰堤(16:15〜16:30) 穴平橋(17:15〜17:35) 玄倉(18:35)
<1/25,000地形図>
中川