2006年6月24日(土)〜25日(日)
L長南・佐藤・増田・関
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2006/06/24 朝日:藤沢川-白沢 |
昨年の秋に藤沢川を訪れた際に次回は残雪のころに再び訪れてみようと思った山域。新緑のブナ林と山菜を楽しもうという魂胆だ。千メートル前後の山塊においては6月下旬という時期は少々遅すぎたかと思えたが、今年はやはり残雪が多く、雪渓処理に時間を食いエスケープルートを選択せざるを得なかった。しかしその分、6月の山にしては充実した山行となった。
当初、藤沢川シラソマダ沢から女川白沢ナガ沢を下降、同シラブ沢を雨池の北に詰め、藤沢川右岸支流を下降して戻ってくるというルートを計画したが、残雪が多かったため乗越の場所を手前にして白沢を下降、山道から山形側へエスケープという結果になった。
なお沢名は、この山域を地域研究した峡彩山岳会の年報「岳神」15号に基づいている。
前夜、関川の道の駅にて仮眠。
土曜日は梅雨の晴れ間を期待したが空は鈍よりと重い。林道のゲート手前のスペースに車を止め20分ほど林道を歩き踏み跡を辿る。昔はカンニャゴエ西沢まで辿れたらしいが、今は崩壊していてほどなく沢に下る。
大岩をやり過ごすと両岸が迫ってきて右岸が岩壁になる。左岸からクリコ沢を10m滝で合わすと曲滝に阻まれる。ここは右岸から容易に巻ける。
曲滝を過ぎると徐々に沢は広がり、カンニャゴエ西沢を合わすころにはまわりは気持ちのいいブナ林になる。ゆっくりと遊びながら穏やかな流れの中を進むがチラホラとブロックが散在しているのが気になる。420mの二俣を過ぎるとスノーブリッジが現れる。予想よりも早く現れた。
この時点で、シラソマダ沢を詰めてナガ沢を下降し、テン場を確保するのは残雪の様子から無理と判断。エスケープすることにする。エスケープは佐藤案、増田案、長南案と出るが、佐藤案を採用。560mの二俣を左(ズキン東沢)にはいり白沢のシシカリ沢を下降することにした。
ズキン東沢に入るとすぐに冷気が漂ってくる。いくつかスノーブリッジを潜ったり巻いたりしながら959mの南の鞍部に詰めあがる。稜線はヤブも薄く気持ちのいいブナ林が広がっていたが下る東面は潅木が少々煩い。
下りはじめてすぐに沢筋は現れ、30分も下ると見渡せる範囲すべて埋まる雪渓にぶつかる。さすがに東面は残雪が多い。たっぷりと雪渓処理を繰り返しテン場予定地あたりに辿りつくが、まだ雪渓からの冷気が肌寒く、テントなしでは泊まる気にはならない。本流との出合まで下ることにするが、もう何もないだとうと安心しかけた出合のほんの手前にゴルジュが現れる。なかなか最後まで楽しませてくれる沢だ。懸垂を2回で抜け18時半に出合着。今日は11時間半の長丁場になった。日が長いおかげで薪も集めることができ焚き火で寛ぐことができた。
こういう日の焚き火はほんとうにありがたい。
日曜日。昨日の下降時の残雪状況を考えると、同じ東面の沢を詰めて藤沢川側に戻るのは時間が読めないので、本流を下ってエスケープすることにする。
本流には程なくスノーブリッジがかかり始める。本流の雪渓の規模は大きくなるが、幸いなことにどうしようもない雪渓に出あうこともなく雪渓地帯を抜けると、沢は広がりしばらくでナガ沢に出合う。
当初のテン場予定地のナガ沢出合は、広い河原とゆったりとしたブナ林に囲まれた場所で、次回はぜひゆっくりと過ごしてみたいところだ。
ナガ沢出合から牛股沢出合まで沢歩きを楽しみ、牛股沢の水は本流に比べ冷たくないので雪渓はないと推測し、蕨峠経由ではなく五郎三郎沢出合からの山道で抜けることにする。
牛股沢のゴルジュマークは浸かるだけで特に問題はない。このころには陽射しもでてきて気持ちがいい。
五郎三郎沢出合からの山道ははっきりしている。ただ下りはじめて沢筋に一度降りて対岸の急斜面へ登り返すところは見落とし易い。
尻無沢集落からバスと電車で車を回収していると今日中には帰れそうもないのでタクシーを呼ぶ。関川までの運賃を問うと思ったよりもかからなかったので、そのまま車を止めた場所まで回ってもらい、車を回収してその日のうちに帰京することができた。(記:長南)
<コースタイム>
6/24 曇ときどき晴 林道ゲート7:10−7:30林道終点−9:25カンニヤゴエ西沢出合−10:00(420m)二俣−12:30(550m)二俣13:05−15:05稜線15:15−18:30白沢出合BP
6/25 曇のち晴 BP8:00−9:45(380m)出合10:10−11:00牛股沢出合11:15−13:15五郎三郎沢出合13:30−15:30林道
<1/25,000地形図>
舟渡・越後下関
<交通費>
タクシー(尻無沢から田麦集落奥の林道ゲートまで):約7,000円