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2006/07/18 神室:軍沢川 |
今年度の7月月例は神室山塊。2泊あるので、無理やりの感もあるが、宮城県側の軍沢川から根ノ崎沢へ繋いでみた。軍沢川は平凡そうだが、100m近い黒滝とその上の地形に興味があった。以前に深野さんの「宮城 産土の山を行く」で記録を読んだことがあり、トマの風の記録で興味を惹かれた沢だ。
■15日 夜行バスで古川に着いたころは曇天だったが、陸羽東線で鳴子温泉へ向かう車内からみた神室方面は暗い。新庄から入った佐藤パーティはすでに本降りらしく、本日の停滞を決めたらしい。
鳴子温泉駅に降りる頃には雨。足湯に浸かりながら様子をみるが、無理する場所ではないと軍沢川のみの1泊として、今日は自炊場に転がり込むことにした。しばらく足湯に浸かっていると佐藤パーティが温泉に入りにやってきた。午前中一杯様子をみて夕刻に入渓点近くまではいるようだ。
湯治場で酒を飲むには早過ぎる時間なので、我々は車を借り、少々しょぼい間欠泉を見て、荒尾の地熱発電所から野湯探し、虎毛と神室の間の沢の様子などを偵察して、夕刻に東鳴子温泉の「まるみや」旅館へと酒を買い込み向かった。
■16日 翌朝、鳴子は晴天。これは運がよいとタクシーで鬼首トンネル手前のパーキングまで向かうが、やはり山は雲がかかり晴天とはいかない。
パーキングで準備をして橋のたもとから沢に下る。釣師のものだろうか、踏み跡があった。
軍沢川は地形図通り平凡で一箇所スノーブリッジが残っていたが、黒滝の下までは特に何もない。釣師にも会わなかった。
黒滝は思っていた以上にすっきりとした幅広の滝で下から眺めた限りでは40mほどの滝だ。直下の左岸を壁を避けながら巻きあがる。40mほどに見えた黒滝はその上でナメ滝が左俣、右俣に続き、さらに40mほどはあるだろうか。滝は1つの幅広滝に見えたが右俣左俣は別々に流れ落ちていたのかもしれない。少なくとも落ち口では左右交わっていなかった。
一度右俣に降りるが右俣は舗装道路のようなナメでこちらもおもしろそうだ。左俣へと乗り越し落ち口を見に行くが、右俣のナメ滝とともにその先でスパッと落ちていてなかなかの景観だった。
左俣はU字状の削られたナメが続き、ゆっくりと遊びながら進む。なかなかテン場はないが900mあたりの右俣と最接近するあたりの台地を整地してタープを張る。
■17日 残念ながら今日も雨。神室側へ下っても林道が長くタクシーも呼びづらいので、右俣へ乗り越し林道へ上がり鳴子へ戻ることにする。
テン場の正面から緩く登り少し藪を漕ぐとすぐに右俣の枝沢に下りる。流れが出てくるとすぐにナメになり本筋に交わると左岸に林道の跡らしきものが現れたので、しばらくあがってみると果たして林道跡らしく、あっけなく林道にあがってしまった。地形図よりも随分北に延びていたようだ。「ようだ」というのは、この林道跡は最後まで潅木と草本が生い茂っていて車はおろか人の通った跡もほとんどなかった。
途中、鬼首トンネルを越えたあたりから枝沢を下降する。こちらの沢もナメが多く、10m-20mの滝も出てくる。最後にスパッと切れ落ちたその先に鬼首道路の橋が見え、左岸から橋のたもとに上がる。橋から見ると50m急の滝だった。このあたり、なかなか地形図では読み取れない滝が多くナメも多いので晩秋あたりは面白いかもしれない。
パーキングでタクシーを待つ間、タープを張りびしょ濡れになった服を着替え、鳴子温泉の共同浴場「滝の湯」に入り、帰路についた。(記:長南)
<コースタイム>
16日 曇のち雨 駐車場8:30−8:45軍沢川出合−11:00二俣−11:20黒滝11:55−16:10テン場
17日 雨 テン場8:45−9:15右俣−9:30林道跡−11:30下降点−12:30駐車場
<1/25,000地形図>
鬼首峠