朝日・荒川角楢沢下ノ沢

2006年7月29日〜30日
L長南、増田、大塚

2006/08/02 朝日:角楢沢下ノ沢

夏合宿のプレ山行として梅雨明け10日の好天を狙って朝日の計画を立てていたが、その目論見は見事に外れて今年は長梅雨が続いていた。それでも朝日に拘る長南リーダーと我々は、野川、荒川、石滝川の3水系で5ルートの計画を立て、大雨洪水雷雨警報発令中の現地へ向かった。

7月29日
前夜、奥羽本線の峠駅で仮眠し米沢経由で朝日方面へ向かう。天気予報はこの週末の悪天を告げ、前日発令した警報もまだ解除されていない。本命の野川ガッコ沢はこの状況では行程的にきついので、取りあえず第二候補の荒川方面への転向を決める。国道113号で小国方面へ向かい宇津峠を越えると荒川水系に入るが、車窓から眺める沢はどの沢もかなり増水しており、やはり昨夜はかなり降ったようである。とにかく現地を見て判断する事にして荒川の林道を奥に進むが、奥に入るにつれ雨脚は強まり林道終点に着く頃にはかなりの本降りになっていた。
林道終点でしばし協議するが、昨夜の雨による増水と今日明日の予報を考えるとこの状況での入渓は断念せざるを得ない。翌日の天候回復を期待し、最終カードの日帰り角楢沢下ノ沢に一縷の望みを残してこの日はお決まりの湯治場探しとなった。

7月30日
予報に反して思いのほか天気は良く晴れ間も覗いている。やはり朝日に拘ってここまで来た甲斐があった。林道終点から大石橋を渡り荒川沿いの登山道を上流へ向かう。3つ目の釣橋を渡ると角楢沢出合。朝日の沢としては小さな沢だが、出合の緩やかな流れに足を浸すと日帰りの沢ながらも期待は膨らむ。水量は多めだが濁りはない。
角楢沢の下流部は左岸に大きな崩壊地がある他は、小滝、小ゴルジュがある程度で概ね穏やかな流れだ。水量が多いので多少手こずらせる場面もあるが、それがかえって楽しめる程度。上ノ沢との二俣を見送り下ノ沢に入ると2段15mの滝が現れる。これは少し戻って右岸から大きく高巻く。この後は狭いゴルジュ、泳いで突破する小滝など現れるがどれも大した困難さは無い。花崗岩系の明るい岩盤の滝やナメ床が多く、フリクションも良く効き楽しく遡行出来る。標高800mを越えた辺りのナメ状の連瀑はこの沢のハイライト。この辺りまで来ると稜線も見えさらに明るく開放的な渓相になり、やはり小さくても朝日の沢の良さを実感する。上流部は3〜5m程度の登れる小滝が続き、小気味良く遡行してゆくと最後は傾斜の緩いスラブになり、忠実に登るとヤブコギ無しで祝瓶山下の登山道に出た。

祝瓶山から大石橋への下山道は荒川水系の良き展望台だった。懐深い山塊に深く切れ込む荒川本流と、右岸支流の毛無沢、西俣沢の大きな雪渓が印象的だった。遠く荒川源流の奥に聳える西朝日岳から大朝日岳にかけての主稜線はガスに隠れて見る事が出来なかったが、朝日連峰の核心の一部を形成する荒川源流の各沢を目前に見る事が出来たのは良い収穫であった。

「荒川へ」の想いを強く胸の奥に刻み帰京した。(記:大塚)

<コースタイム>
林道終点(7:40)〜角楢沢出合(8:25〜8:35)〜下ノ沢出合(10:00〜10:15)〜標高700m付近休憩(11:45〜12:15)〜稜線(14:45〜15:15)〜林道終点(16:45)

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