奥秩父・滝川本流〜水晶谷〜雁坂小屋〜突出し尾根下降(途中で入川谷の中小屋沢出合を目指して尾根下降)〜入川本流〜金山沢大荒川谷〜破風山〜戸渡尾根下降〜笛吹川東沢本流〜東のナメ沢〜笛吹川東沢本流下降

2006年7月31日(月)〜8月5日(土)
L馬上(早大探検部)・五味渕・光永(早大探検部)

2006/08/03 奥秩父:継続遡行

■前置き
 8月下旬にマダガスカルの渓谷を遡行すべく、そのプレ合宿(ロープワーク、人工登攀、幕営技術、長期山行、5万図での読図力強化のトレーニング)として本合宿を行うことになった。

長く続いた鬱陶しい梅雨も明け、全日程を通して快晴に恵まれ、のびのび遡行することができた。毎日何かしらのイベントがあり、フルコースを毎日食べているような感じだった。たまにはこういう合宿も悪くない、かもしれない。

■8/1 前夜(7/31)のうちに西武鉄道三峰口駅からバスで川俣へ。そこからは滝川峡トンネルを過ぎた「東大演習林」の看板があるあたりまで徒歩で移動し、仮眠。起床後、天狗岩トンネル50m手前より踏み跡を下って滝川本流入渓。下流部はとくに難所もない。夫婦岩付近でカムとアブミの練習をする余裕もあった。本流遡行中、埼玉県警山岳救助隊の3人が下降してきた。先日ブドウ沢で滝登攀中に滑落した東京学芸大の学生の遺品を回収しにきたのだという。隊員の一人の背中には、傷だらけになったザックがくくりつけてあった。合掌。そのブドウ沢手前の2本の滝が滝川本流の核心で、1本目の8mは右側を登る。落ち口トラバースがちょっといやらしい。2本目の4mは、左側にハーケンがベタ打ちされ、残置スリングが多数あるため、そこまで難しく感じないが、なかなかいやらしい。そのまま滝川本流を遡行し、水晶谷、古礼沢を分けたところの右岸にBP適地があるのでそこで行動終了。「肉のハナマサ」(精肉が充実した業務用スーパー)で購入したぶ厚いベーコンを生木にぶっ指して炙り、酒を飲む。

■8/2 起床し、水晶谷遡行開始。事前の情報通り、ほとんどの滝が埋まっていて、つまらない。15m面蔵滝手前の2mくらいの細い廊下が目をひくくらいか。地形図でも確認できる左岸支流の大きなガレを確認した後、1580m付近で左岸から流れ込む支流から早々にツメ始める。ヤブ漕ぎに要した時間は40分程度。主脈縦走路からかつての便所国道までは5分くらいで着く。雁坂小屋でしばし休憩。小屋番のおやじさんとしばし談笑した。最初「仕事か?遊びか?」と聞かれたが、例のブドウ沢での死亡事故の後、後追い遡行者が増えたからだそうだ。休憩後、突出尾根を地図上で2018m付近まで移動し、コルから尾根を下り始める。3時間ほどで入川谷の中小屋沢を分けるあたりに下りられると目論んだが、これが大誤算。濃いヤブに苦しめられ、なかなか進めない。しかし、ヤブ漕ぎ中、MIZOのハンマーを発見!かつてこの尾根を下降路として選択した物好きな沢屋もいたらしい。結局時間切れとなり、尾根上ビバークとなったが、それでもベーコンは炙る。

■8/3 (まあ、ゆっくり寝てもいらんないんで)4時起床。引き続きひたすら尾根を下降。最後ガケにぶち当たり、トラバースしながら50mザイル2本を連結しての懸垂下降を繰り返すこと計4回。13時に、ようやく入川谷に降り立った。さしあたり結果論からいうと、この尾根の下降は全く勧められない。まあ、今日一日で懸垂下降がちょっとは上手くなった気がしないでもないが、重い荷物を背負っての連続懸垂下降は少々腰に堪えた。入川本流は、要所要所で釣師の巻き道があり、楽に遡行できる。ほどなく金山沢と出合い、金山沢を遡行する。ゴンザの滝4段(左岸に踏み跡があるらしいが、右岸を小さく巻いた)を越えたところの右岸がBP適地になっており、ここで行動終了とする。そして夕食のホワイトシチューがやたら美味かった。バターで焼き豚を炒め、シチューの素を放り込み、適当に水を足す。30分ほど焚き火でコトコト煮詰めたあと「増える野菜(ブロッコリー)」を投入。トンコツスープの粉末、ガーリック、塩、コショウで味を調えたら出来上がりである。今夜は焼き豚があるので、ベーコンは炙らない。

■8/4 起床後、引き続き金山沢を遡行。小荒川谷と大荒川谷と分かれたところから大荒川谷を遡行し始める。小滝が連続し、楽しめる。これぞ奥秩父という渓相だ。2段16mの滝で一度だけザイルを出したが、これは快適に登れる。1850m付近の3俣は中俣を行った。ツメのヤブ漕ぎは少ないが、木の根っこが大石を抱き、それをコケが覆うという風変わりな光景が広がっており、少々歩きにくい。破風山から北東に延びる尾根にぶつかってから、不明瞭な踏み跡を辿り、30分ほどでほぼ破風山直下の稜線に突き上げた。しばし休憩後、ダラダラと甲武信ヶ岳へ向かって歩き始める。日没まで時間もなかったので、戸渡尾根(→徳ちゃん新道)から笛吹川までは、下りの参考タイム3時間のところを、休憩時間10分を含めて100分で駆け下りた。しばし休憩した後、東沢右岸より東沢下流部のゴーロ歩きが始まる。この辺はどこもBP適地といえるが、鶏冠谷出合いの右岸で行動終了とした。最後のベーコンを炙り、最後の酒を飲む。

■8/5 起床後ゆっくり焚き火を楽しんでいると、どんどん遡行者が追い越してゆく。さすが人気の東沢、休日は遡行者が多い。みんな釜ノ沢の遡行者だろうか?朝飯を食って、不必要な荷物をデポし、東沢本流遡行開始。15分ほどゴーロ歩きすると、最初の深い釜をもつ6m滝が現れる。これは、左側に斜上するクラックにナッツ、カム、ハーケンを投入して、アブミで越えた。なかなか楽しい。そして、ホラの貝ゴルジュに突入してからは更に楽しい。最初の釜を泳ぐと、すぐに核心の5m滝が姿を現す。かつてはハーケンが残置でベタ打ちされていたようだが、数年前にゴルジュ突破で有名なK氏が全部抜いてしまったため、難易度UPか…と思いきや、またしてもハーケンが残置でベタ打ちしてあった(笑)3人ともアブミトラバースで抜ける。核心の後は、泳いだり、流芯を外して登ったりを繰り返して突破した。ホラの貝ゴルジュを抜けてからは、ツラツラと30分くらい歩き、東のナメ沢に出合う。いきなりの4段スラブ大滝である。他の2人はクライミングシューズで、俺は渓流シューズで登った。大滝登攀のルートは主に左右の2種類があり、今回は左のルートから。俺は一ヶ所テンションをかけたが、全身プロテクションにして何とか登り切った。5ピッチ目はブッシュから支点を取るが、ここからの眺めと高度感がすごい。気分爽快である。当初はこのまま東のナメ沢上流を遡行した後、鶏冠尾根を下降する予定だったが、美味しい所はもうほとんど味わってしまったということで、大滝登攀後、隣の尾根からエスケープして東沢に降り立ち、スタコラ荷物をデポした場所まで下降することにした。時間も時間だったので、東沢のすぐ脇を走る登山道(廃道)はヘッデン下山になってしまった。帰りのバスは既になく、道の駅「みとみ」にタクシーを呼んで、塩山駅で久々に下界の飯を食べ、ビールを飲んだ。 己の技術力と判断力の未熟さを思い知らされる場面も多かったが、大満足の5日間だった。(記:五味渕)

<コースタイム>
記録せず

<1/25,000地形図>
雁坂峠・金峰山・中津峡
<1/50,000地形図>
山と高原地図『金峰山・甲武信』(昭文社)

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