ここ数年、この時期になると訪れる尾瀬沼南西部あたりを彷徨する山行。
今年は雪が少ないので時期を早めたが参加者の都合が悪く単独行になりかけた。
直前で増田さんが土曜朝発で行けることになり久しぶりの単独行は避けられた。山岳会というのはこういうときありがたい。
10年以上、沢も雪山も単独でやってきたので単独行は苦にならないが、こういったのんびりと楽しむ山行は仲間がいるほうが楽しいしうれしいものだ。
10時頃には戸倉に着いたが、なんとゲートが閉まっていた。この積雪だから当然開いているものと思い込んでしまっていた。仕方なく用意をして板を担ぎ歩きはじめるが、道路にもあたりにもまったく雪はなく不条理を感じながら歩く。そのうちにあまりにも周りの山肌に雪がなく心配になってくる。ひょっとしたら取り付きからしばらくは薮かもしれないと、今冬の薮スキーを思いおこしため息をつきつつひたすら歩く。
さすがに大清水から先の林道は雪があり先ほどまでの心配は杞憂となった。3月にまとまった雪が降ったからか残雪は昨年なかったところにもあり、積雪は少ないが雪解けは遅いといったところか。
いつもの取り付きから登りはじめ、心配していた徒渉点もなんとか渡ることができ皿伏山をトラバース気味に回り込んでマサヨシ沢の源頭から滑り込む。林道を歩かされた分遅くなったがそれでも日没まで早春の尾瀬を満喫した。
翌朝はゆっくりとテン場を出て沼尻川沿いを遡り枝沢からタソガレ田代へ上がる。行きと同じルートはつまらないので、田代を横断し治右衛門池を回り込んで大清水平へあがり、そこから三平峠へは出ずナメ沢の二俣をめがけて滑り込むルートをとる。
大清水からの滑りはじめは快適な斜面と樹間でなかなかいい気分で滑っていくが、ナメ沢へと回り込むとナメ沢がゴウゴウと流れていた。昨日の感じでこの二俣くらいの標高なら徒渉できると判断したのだがナメ沢の右俣が尾瀬沼から取水しているのを見逃していた。確かに地形図に水色の点線があった。仕方なく取水口の上までトラバースするが褒められたルートではない。左岸に渡り尾根を回り込むまでは少々緊張した。沢沿いは危ないので登山道に沿って三平橋まで下った。
大清水までの林道は雪に埋まっているが滑ったり止まったりといった感じだ。問題はここからで、戸倉までの舗装された道路をスキーを担いで歩くわけだが戸倉へ着く頃には二人とも足首上の靴が当たるあたりが腫れてしまっていた。
帰りは加羅倉館で汗を流したころに雨も本降りになっていた。(記:長南)
<コースタイム>
7日 晴のち雪 戸倉ゲ〜ト1000〜1200大清水〜1300取り付き〜1600皿伏山〜1700テン場
8日 晴のち雨 テン場1000〜1200大清水平〜1430三平橋〜1500大清水〜1640戸倉ゲート