台高・蓮川絵馬小屋谷〜野江股谷下降〜ヌタハラ谷

2007年5月3日〜5月6日
L佐藤、増田、大塚

2007/05/03 春合宿:蓮川絵馬小屋谷・野江股谷・ヌタハラ谷

 今年の春合宿は台高の蓮川水系だがこの流域の沢はせいぜい日帰りから一泊程度の規模の沢しかないので、3泊4日の日程をどう消化するか悩ましいところだ。

個人的にはこの流域を代表する絵馬小屋谷に入りたいと思っていたが、他の沢と繋いで継続するにしても3泊分の荷物を背負って絵馬小屋谷を遡行するのはナンセンスだ。佐藤さんも同様に考えていたらしく「絵馬小屋谷〜野江股谷下降」を前半、「ヌタハラ谷〜やはた温泉」を後半とし、余分な荷物はデポするという計画になった。

5月3日 晴れ
 大台町で夜行バスを降りて松之舎パーティーと共にジャンボタクシーで奥香肌峡に向かう。我々パーティーは絵馬小屋谷の林道入口で下車し、絵馬小屋谷左岸の林道を歩く。林道下の流れは紀伊半島にありがちな巨岩ゴーロで水量は少な目。周囲は植林で山深い感じはない。
 絵馬小屋谷、野江股谷出合に3、4日目の食料をデポし絵馬小屋谷に入る。しばらく平凡なゴーロを行くと「行合い」と呼ばれるゴルジュになる。両岸狭まり側壁の高さは50m以上だが沢床はゴーロで難なく通過する。その後は3m程の滝が数個あるが概ね平凡。
 沢が右曲する場所には7m程の滝が懸かり五箇所のゴルジュとなる。左岸側壁の傾斜は強く、戻って大高巻きと考えたが、側壁のバンドを辿る小巻きルートを佐藤さんが目ざとく見つける。行ってみると比較的簡単に巻き上がれ、台地上をトラバースしてゆくとゴルジュの中が良くみえる。入口に見えた7m滝の上は水流に深く抉られたゴルジュで7〜10m程の滝が続く連瀑になっている。良く磨かれた滝と釜はなかなか見事。
 このゴルジュを通過すると沢は開けてゴーロになる。このゴーロはやや長くて退屈だがしばらく行く3段20mの滝になる。周囲は新緑の盛りで滝の姿も美しく中流部の見せ場だ。ここは下段右端のルンゼ状を空身&荷上げで登る。中段、上段は易しいのでロープは不要。この滝上で再び沢は開け標高750m二俣となる。
 二俣からは水量が減り源流の形相となる。15m滝を左岸支流から高巻き、25mハング滝も左岸から高巻くと美しいナメとなる。ここを過ぎると標高1000mの二俣。計画上の幕場だが時間はまだ14時。この日のうちに野江股谷に下りて泊る事も可能なので少し悩んだが、夜行バスの疲れもあるのでここで幕営する事に決め、久しぶりの渓の焚火を楽しんだ。

5月4日 晴れ
 幕場から30分強で白倉山西側の肩に詰め上がる。白倉山に登ると北面の眺めが良く、迷岳への稜線が気持ち良さそうに見えた。
 絵馬小屋谷はこの流域の代表格と言われているので期待していたが、やや期待外れの感じがした。「行合い」「五箇所のゴルジュ」「3段20m滝」と見せ場はそれなりにあるが、その他はゴーロ中心の谷でやや大味。
 絵馬小屋谷〜野江股谷下降で一泊の計画としたが、登山道下山なら充分日帰り可能。
(記:大塚)

 白倉山では、なんと池木屋山から迷岳に行くという縦走の単独行のおじさんに会う。展望を楽しんだ後、1226mのピークに向かう。ときたま、道が不明瞭になる所もあるが、ヤブが薄いので適当に歩ける。1226mPには、思ったより時間が掛かったが、ピークで行動食を食べたりの休憩。ここで北にナンノ木平経由絵馬小屋林道への登山道を分けている。
 さて、野江股谷へは、江股ノ頭への登山道の鞍部から降り始める。2度出合う右岸のカレ沢の方がともに沢床が低く、登ってくると、ナンノ木平へ自然と出てしまうだろう。2度目に右岸の沢が出合うと、水が流れ出し、ナメや小滝が出てくる。沢がゴルジュになると10mのCS滝だ。右岸の岸壁が高い。ここは左岸を乗っこし、左の沢から出合に降りた。沢はここから大岩の多いゴーロで、一旦伏流となり、水流が復活すると再びゴルジュとなる。右壁が高くなった所に3段滝が掛かっており、下段を左のスラブから降りると再び二又となる。ここはテン場跡があり、ビンのかけらも散乱していることから、昔は小屋でもあったのだろう。
 沢はすぐに圧縮され、高さはないが見事なゴルジュとなる。大塚さんがきわどいへつりで突破するも、フェルトではどうみても無理。釜を泳ぐ覚悟を決めてザックを下ろすと、大塚さんが戻ってきて、10m位のナメ滝の下に降りられない直瀑があるという。内心喜びながら右岸のルンゼから巻く。トラバースする斜面はそれほど急ではないが、沢近くは切り立っている。15分程巻いて大きなガレ沢から開けた川原に降りた。この辺りは出合のみ伏流となっており、上流は見事なゴルジュである。ここで昼食をとることにし、上流を見に行くと、降りれない滝は直瀑8m位だった。食後に、すぐ下流の滝の右を巻き、なおも下降していくとナメのあとに釜を持つ直瀑8m。懸垂で降り、大岩を2つ越していくと、またまた、クライムダウンできない滝が続く。ゴルジュとなって左を巻いていくと植林からの踏み跡が合流し、狭いゴルジュに木橋が架かっていた。その下には6m滝が見える。木橋がなければ、そこまで左巻きである。少し道を進み沢に降りてみると、クライムダウンできない10m位のねじれたウォータースライダーのような滝の上だ。再び少し道を進み降りてから、この滝を見にいくと、左壁がかぶっている、10mのナメ状ネジレ滝で深い釜を持っていた。
 ナメをいくつか越していくと、再び深いゴルジュとなり、ザックを手渡しし、CSを2つ降りると15m程の滝。これは降りられず、CSの上まで戻り、踏み跡を登っていくと仕事道に出た。下流がゴルジュで大高巻きとなり、出合も近いので沢に下りることを諦め、この道をたどると、一旦沢から高度を上げて離れるが、出合のすぐ近くで登山道に出た。
 出合上にデポした荷物を回収し、林道をヌタハラ谷へ向かう。蓮川本流は開けており、景色や花を見ながら、あわよくば山菜と、のんびり歩き1時間弱でヌタハラ谷の橋が見える所まで来てしまった。少し戻って本流への登山道を降り、広い伏流した川原を歩き、ヌタハラ谷でテントを張った。
 時間もあるので本流を少し上流まで歩くと、奥ノ平谷出合手前から水流が復活している。出合上に水の溜まった堰堤が見えたので、酒の肴を調達しようと努力するが、スレているためか、キープサイズで私の毛鉤に掛かったのは1匹だけだった。
 今宵は広い川原での盛大な焚き火を囲み、明日の荷物を軽くしようとビールと焼酎を鱈腹飲んでテントに入った。
(記:佐藤)

5月5日 晴れ後曇り
 合宿3日目。5時起床7:30発。どうしても2時間半かかってしまう。出合から少し行くと林道が上を橋で横切り、その先に堰堤があって一旦は道に上がり、堰堤の上から再び入渓する。
 ゴルジュ帯に入り、4mの滝は左岸から高巻く。次のゴルジュ帯は左岸に付けられた道を使う。しばらく平凡な流れの後、6mの滝は右岸から巻く。幅広5m、12mと滝が続き、斜瀑と小滝の連瀑となる。
 不動滝は左岸のルンゼから高巻き、涸沢を一つ超えて、途中にある高さ不明の滝(エアリアマップでは55mとなっている)の上に降りる。10mの滝を越えると巨岩ゴーロ帯となり、結構疲れる。
 斜瀑と小滝の後、沢が左〜右に屈曲した先に不動滝が現れる。いやなことは済ませてから昼飯にしようと右から高巻き始める。下からでは20mくらいかと思っていたが、巻きの途中でその全貌が現れる。やはり50mはあるだろうか。高巻きの途中に道が現れる。総じてこの辺りの沢は人くさい。
 ナメと平凡な流れとなり、10mの滝二つをまとめて右岸から巻き、20mの滝を右のルンゼから巻くとあとはお決まりのバイケイソウ畑となって源頭へ。源頭につく頃には空はすっかり曇ってしまっていた。
 明神岳から明神平を経由して大又川沿いの登山道を下る。明神平には天理大学の山小屋のほか、エアリアマップでは登山道の途中にある「あしび山荘」が新しく建っていた。若者数人が音楽をかけてキャンプしていた。
 林道終点辺りは砂防ダムの工事で荒れていたため、しばらく下っていい川原があったので幕。雨が心配だったが、3日目も何とか焚き火ができた。夜半に雨がテントを叩く音がしたが、また眠りの中に沈んでいった。
(記:増田)

<コースタイム>
5/3 絵馬小屋林道入口(7:05)〜絵馬小屋谷、野江股谷出合(7:20〜8:30)〜五箇所のゴルジュ入口(9:40)〜五箇所のゴルジュ上(10:10〜10:40)〜標高750m二俣(11:55〜12:40)〜標高1000m二俣(14:00)
5/4 標高1000m二俣(7:10)〜稜線(7:45)〜白倉山(7:50〜8:10)〜1226mP(9:25〜9:55)〜10mCS滝下二又(10:30)〜テンバのある二又(11:05〜11:20)〜ガレた沢出合(11:45〜12:30)〜木橋(14:00)〜引き返し点(14:00)〜絵馬小屋谷出合(14:55〜15:20)〜ヌタハラ谷出合(16:25)
5/5 ヌタハラ谷出合(7:30)〜不動滝上(12:00〜13:00)〜1394mP(14:50)

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