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2007/05/28 奥秩父:入川金山沢大荒川谷 |
5/27
夜勤明けの単独行。重い体と寝ぼけた頭、気だるい気分で一人電車に揺られていると、このまま引き返して部屋でビールでも飲んでいようかと何度も考えてしまう。単独行は現地に着くまでが核心部。いつもの事だ。
秩父最奥の集落川又でバスを降り、入川左岸の軌道跡を歩く。ひとたび山に入れば、疲れているはずの体もシャキッとするから不思議。これもいつもの事。祝、東京脱出。
赤沢谷出合から入川の本流を行く。本流は水量豊富でなかなか良い。夕刻に腰上まで水に浸かるのは辛いが、逆光に輝く新緑が眩しく楽しい気分になる。中小屋沢出合を過ぎると本流は険しさを増し二ヶ所程ゴルジュを高巻いて金山沢出合に着く。
金山沢も水量豊富で下流部は小ゴルジュの中に小滝やナメ滝が続いている。しばらく行くと開けたゴーロになり、標高1080m付近で幕場とする。
5/28
幕場からしばらくは平凡だが、ゴンザの滝(2段15m)は美しい滝だ。落差は無いが豪快な滝でこの沢の看板だろう。直登は出来ないので左岸から巻く。CS滝が2つあるゴルジュを右岸から巻きしばらく行くと小荒川谷出合。大荒川谷は右曲しやや薄暗い渓相の中に小滝をいくつか掛けながら蛇行ぎみに進む。標高1500m付近は連瀑になるが概ね直登して行けるので楽しい。上流部は開けて穏やかになるが美しいナメ滝やナメが多くなかなか良い。15mのスダレ状のナメ滝が上流部の見所。
最後の三俣を左に入るとガレ場になり左岸の樹林帯に逃げて稜線に抜けた。
下山は雁坂峠経由突出尾根で川又に降りた。突出尾根から見下ろす新緑の入川と滝川は懐深く穏やかで印象的だった。この時期の奥秩父は良い、荒川源流はあまりにも近場の当たり前な山域なので、開拓的な興味は薄いが、そういうガツガツした沢登りではなく、ゆったり沢旅的な彷徨を楽しみたい山域だと思う。東京近郊では一番「山」らしくて良い所だと再認識した山行だった。(記:大塚)
<コースタイム>
5/27 川又(13:40)〜赤沢谷出合(15:15)〜中小屋沢出合(16:10)〜金山沢出合(17:25)〜標高1080m付近幕場(18:05)
5/28 幕場(6:25)〜ゴンザの滝(7:00)〜小荒川谷出合(休7:50〜8:05)〜15mスダレ状ナメ滝(9:50〜10:20)〜三俣(10:50)〜稜線(休12:00〜12:25)〜雁坂峠(13:15)〜樺避難小屋(休14:45〜15:05)〜川又(16:30)