2007年7月28日(土)、29日(日)
L長南、松之舎、増田
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2007/07/28 中ア:正沢川細尾沢・幸ノ川 |
合宿前の泊まり山行ということで、朝日の野川を予定したのだが、東北地方悪天のため、中央アルプスに転向。天気に恵まれ、非常に疲れる充実山行となった。
7月28日(土)晴れ
前夜中央自動車道を塩尻ICで降り、中央本線に沿って走る国道19号線を南下し、道の駅「木曽なら川」で泊。ちょうどコンビニが隣にあり、便利のいいところだ。
翌朝、木曽駒高原スキー場の一番上の駐車場に車を止め、用意をして出発。今回は日帰り2本であるため、お泊りグッズをテン場予定の幸ノ川の堰堤上にデポし、一旦スキー場まで下って茶臼山方面へ向かう登山道を行く。平らな森の中を歩くこと15分ほどで、登山道が正沢川を横断しているところに到着。ここが入渓点となる。入渓点近くにも砂地のいいテン場があり、ここでも良かった。
入渓後細尾沢出合までの約2時間は長いゴーロ歩きだ。天気がよく、暑くて非常に疲れる。細尾沢に入ると渓相は一変し、まず初めにいきなり35mほどの大滝。地形図にある滝だろう。これは右のルンゼから高巻くが、その上にも2段30mほどの滝があり、そいつも一遍に巻く。
その後も滝は続くが、いずれも直登可能な滝で、快調に上る。白い花崗岩の露出した渓相で、フリクションがよく利く。フェルトの私でさえそうであるから、アクアステルスの二人は言うまでもないことだろう。しかし、前半の暑さの中ノゴーロ歩きによって弱った体には、岩盤からの反射熱と急な高度上昇はなかなかきつく、割合ゆっくりペースで登った。何せ本日の到達点は標高2950m付近、実に高度差1600mの登りなのだ。
上流部の多段の滝を越えると沢はナメ状の窪になり、やがて藪混じりの露岩となる。壁を避けてルートを取りたいが、この頃になるとガスがかかってなかなかルート選定が難しい。それでもガスの切れ間にルートを見極め、右へ迂回気味に頂上直下の登山道に出た。
ここから高度差1600mの登山道の下りである。登りで消耗した体に、この下りは最後の止めを刺した。デポ地点に到着したときは、もう疲れきってぼろぼろであった。
タープを張り、薪を集め、靴を履き替えといういつもの作業をのろのろとこなし、焚き火に火をつけたときには既に薄暗くなっていた。今日はデポなので、酒は多めにあっても良く、持参のウイスキーに加えてビールや日本酒を買い足したにもかかわらず、私は缶ビールを2本飲んだだけであえなく沈。後の二人もあまり酒が進まなかったようだ。疲れたよ今日は。こんな体調で明日も行くのかと思うと憂鬱だ。ある種の期待をしながら長南さんに「明日は何時起き?」と尋ねると、無情にも「5時起き7時発」という短い答えが返ってきた。
7月29日(日)晴れ後くもり時々雨
朝起きると今日もいい天気だ。これで行かない理由はなくなった。まっちゃんの「腰の具合が悪い。」に期待が掛かるが、期待空しく案外好調のようだ。仕方がない、行くか。
昨日下山した林道を幸ノ川渡渉点まで登り返し、そこから入渓。入渓点から沢の中・上流部が正面に見える。本日の遡行終了点である登山道横断地点までは標高差800m。昨日半分だというのが一つの救いであるが、その分体の疲れもある。
堰堤を一つ越えるといきなり滝の連続となる。この沢は殆ど滝で高度を上げていると言っても過言ではない。そのくらい滝が連続している。しかもその殆どが登れる。
2m〜5mの滝を数個越え、次の5m逆くの字の滝は左右両岸から高巻きを試みるも断念。長南さんが流れの右壁を微妙にへつって左に移って通過。行ってみるとフリクションが良く利くため、案外滑らない。この沢も昨日の細尾沢と同様、非常にフリクションの利く沢だ。
ここからは連瀑帯で、全部足すと60mくらいになろうか。その上も2〜3mの滝が連続する。1840m付近の二俣に掛かる15mの滝は左から小さく巻ける。その後も登れる滝が連続し、快適に高度を稼いで、12:30登山道横断地点に到着。振り返ると入渓点が見えていた。高度差800mを4時間で登り、入渓点と遡行終了点がお互いに見通せるなんて、なんて快適な沢なんだろう。
登山道を行くこと数分で避難小屋に出る。後は昨日と同じ道を下り、荷物を回収して駐車場に下った。車で「駒の湯」に行き、汗を流した。ここは薬湯を売り物にしている沸かし湯で、お湯は独特のいい匂いがした。帰りはカーナビに従って19号線を途中から右に折れ、権兵衛峠経由で伊那に抜け、伊那北ICから高速に乗った。(記:増田)
<コースタイム>
7月28日:駐車場(6:40)〜幸ノ川デポ地点(7:30)〜正沢川入渓点(8:00)〜細尾沢出合(10:10)〜稜線(15:05)〜デポ地点(18:30)
7月29日:入渓点(8:15)〜登山道横断地点(12:30)〜泊場(15:00)