朝日・大越川楢山沢〜湯井俣川深沢下降〜湯井俣川右俣〜八久和川小国沢北沢下降〜八久和川出谷川

2007年8月11日(土)〜8月15日(水)
L長南、関、小南

2007/08/11 朝日:大越川楢山沢~湯井俣川深沢下降~湯井俣川右俣~八久和川小国沢北沢下降

 今年の夏合宿は八久和川を絡めてのルートで、西、東、北の三方からのパーティとなったが、総会で夏合宿は朝日と決まった時点で個人的には湯井俣川からの継続を考えていた。

 頭の中で線を引きはじめたのは4月末。小沢源頭部に山スキーで訪れた折に、離森から湯井俣川から残雪の朝日主稜線を眺め、沢筋を見ながらあれやこれやと線を引いてみた。
 その段階では以東岳を終点に線を引いていたので、最後は八久和川西俣。湯井俣川は若木ノ沢から乗越すルートを考えていた。しっくりこないのは入渓点だった。湯井俣川を下から遡るのではおもしろみに欠ける。小沢から越えて行っては西俣に届かない。
 夏合宿の日程も決まり、地形図に実際、線を引いて時間読みなど具体的な計画をはじめてみると、湯井俣から西俣では日数が足りなかった。大塚パーティも東から山越えで西俣を考えているようなので、もう少し実現性の濃い平七沢で線を引き直す。ただここも佐藤パーティが西から山越えでの計画をしていた。
 ならばと、もう少し山にどっぷりと浸かることをメインにして八久和は本流のみとし、日程があれば平七沢に入るという案に修正した。
 八久和川の遡行がメインでなくなったので、若木ノ沢から長沢という八久和へのアプローチ的なルートをやめ、湯井俣川の右俣から小国沢の北沢というあまり記録を見ないルートに変更したら、入渓点はアプローチのしやすい大越川と自然と繋がり夏合宿のルートができた。
 メンバーも、夏合宿初の小南ちゃんと関サブリーダーと決まった。メンバー的にも5日間山深いところを渡るこのルートは合っていたのではないかなと思う。(記:長南)

8月11日 晴れ

 前夜発の夜行バスが定刻より2時間も大幅に遅れて到着。山交バスターミナル発鶴岡方面行きのバスに乗り月山ICバス停にて下車、タクシーを呼び大越川付近の国道112号線途中で下車、道路端で身支度を整え、道路脇からのアプローチとなる。
 なんら問題も無く大越川川原へと思いきや、なかなかの下降ヤブこぎ、移動疲れと炎天下のダブルで初めから息が上がる。
 川原に到着後、一息入れ本流部出合部へと向かう。出合部まではさほど距離もなく到着した。本流(シノマタ沢)は川原状が続き小さな流れ込みなど多々あり足慣らしに良い。釣師であろう足跡もあり、時間帯では出くわす確率が高そうである。スタートして30分程したところから両岸は切り立った岩がけ形状となり幅も狭まって、地形図による岩がけ箇所が心配されたが、こじんまりとした瀬であってゴルジ帯が続くことは無く北沢との出合部で昼休憩となる。天候は何ら心配することもない申分のない晴天であるのだが良すぎるのもかえって体力の消耗が懸念される。
 休憩を終え歩き始めてすぐに本日初めの滝(2.5m)にでくわす、直登は無理なので右岸岩肌をトレース、釣師のふみ跡らしきものもあり足場はあるが本日一発目は緊張してしまう。
 続けざまに小滝(1.5m)・巨石とは言いがたい小中石帯を進んでいく。
 本流(シノマタ沢)は小中石帯やゴーロ状が続き小規模な釜や流れ込みが多数、高低差も然程なく穏やかではあるが、如何せん暑い。汗が噴出し足取りが重い。真夏の山行が身にしみる。3時の休憩後、ようやく体が慣れてきたかと思うが、如何せん距離が稼げていない。PM4:00に楢山沢との二俣に到着ここは4m滝になっており、向かって右俣に楢山沢・4m滝滝つぼは中規模な釜状、左俣にシノマタ沢で合流点には巨石が鎮座している。ルートは楢山沢方向であるが4m滝は直登は無理なため、シノマタ沢を少し入ったところから高巻きし上流へと進める。ゴーロ状の沢を進み次なる滝(3.0m)が現れる。滝前面が壁状になっていて直登ルートが見当たらないため、10mほど後退し高巻きルートに入る。個人的に高巻きはあまり得意分野ではなく、とりあえず遅れをとらないように必死について行くしかない。人ないし熊の道筋が有り未熟者の私にとっては有り難いルートであった。沢へ戻り夕刻まじかなため先を急ぐとともにテン場確保へと先を急ぐこととなる。
 楢山沢は細かく左右に蛇行し小滝(1.0〜2.0m)点在、左手側よりの枝沢(ナンゴウ沢?)との出合部にPM5:30さすがにあたりは薄暗くなりつつテン場を探し進む。進むにつれ空が広がり沢もゴーロから川原へと交互に変化し良いテン場に出くわすであろうと思いきや、さすがに源頭部に近づくにつれ、沢幅は狭まって小中石帯となる、大人3名が寝れて焚き火が出来そう場所はそうそうないものであるが日没サスペンドとなる。
 各自手際よく寝床・薪・食当と段取をし、一日目終了となる。
 当初行動予定(L思惑)としては、楢山沢を乗り越し深沢1/3下降箇所が予定テン場であったが、多々事情が重なり大越川楢山沢全体の1/3を残す行動となってしまった。

8月12日 晴れ

 AM5:00起床−腹ごしらい・身支度・後片付けを整え、AM7:15テン場を発つ。
 本日の行動は、残り1/3程度の楢山沢を乗り越し、深沢下降となる。
 歩き始めゴーロ・小中石帯・小滝と中々な軽快な足取りであったが目の前に立ちはだかる滝(3.0m)出現。これも直登は諦め草付の壁を高巻きへ、ぬかるむ壁を草&枝を手繰り寄せ必死に上へ上へ、朝一は何でもキツイのだが高巻きは勘弁してほしいと思いつつ前へ。この後、今合宿で必ず朝一高巻きが必修になろうとは・・・
 高巻きを終えてからはバラエティー豊かな沢であり、狭まったかと思いきやパッとそらが広がったり、直登可能な滝が多々飽きのこない源頭部で、ルートもL長南氏が楢山沢を以前に下降を行った沢であるので、記憶を元に進んでいき迷走することもなく稜線部へと詰め上がった。目標の赤見堂岳(1445m)の西側稜線部(1331m)の中間を抜け尾根沿いの深沢左俣へとやぶを掻き分け沢筋へ出たところで気づく、尾根の東側が予定ルートであったが、どうも西側へと進み入ってしまったようである。しかしながらどの道深沢本流へ出合うことになるためこのまま先へ進むことになる。深沢源頭部はガレ場状で滑りやすく、プラスブヨの登場である。しかし道中のお供に一匹程度の襲来でさほど害を及ぼすことはなく進めた。本日も晴天で暑く、枝沢の流れ込み部に日陰があり昼休憩となる。
 クールダウンとお腹を満たし本流部出合へ、出合部は大滝(15m)となっておりドキドキである。
 滝を上から見るとどうしても大きく見えてしまい、懸垂下降となるとハラハラドキドキ、
ザイルを二本繋ぎ順に懸垂下降となる。下から見上げてもなかなかどうして、大滝の右側は熊道らしき道筋、巻き下降にも使えそうで、左側はガレ崩れとなっていた。
 深沢本流部は、短い範囲で広場・溝状・滝部が交互に形成された樹林帯沢、しかし沢幅は狭く一雨くれば危険である。懸垂下降をしいられた滝(3.5m〜5.0m)は5箇所で高巻きは1ヶ所ほど、高低さのある沢であった。
 3時の休憩をとりつつ程なくして、湯井俣川出合部へと出る。

 湯井俣川は出合部から上流はいきなり両側が切り立ちゴルジュ状、その奥は流木等の滝(2.0m)その奥は大規模な淵そして魚止滝(12m)。もちろん直登は無理と判断し、踏み跡を探し高巻きへ、踏み跡は安易に見つかり仕事道なのか熊道なのか足場良く進む。しかし途中踏み跡が消え草付の泥壁へと、どうも土砂崩れで道が途中で切れていた。先行するL長南氏は危なげなく進むが私と関嬢は固まる。滑落防止の為に途中潅木にお助け紐をつけてもらいゴボウで突破となる。が、二人とも振り子状態へと誘われる。
 一難去った後には垂直の壁が、ココはL長南氏がフリー(荷付)て突破し、上で確保して頂き、後の二人が続く。崩れやすい壁であっりヒヤヒヤものであった。
 高巻きを終え沢へ降り立ち30m程進んだところで2日目のテン場となり荷下ろす。
 本日は早めの終了なり、翌日への休息となる。(記:小南)

8月13日(月)

 幕場を出てからしばらくは何もない。右から沢が入り。地形図の「ホラ滝」のあたりから滝が続いて出てくる。始めの3m滝の所からも奥に続く滝が見えている。3m滝を2つ越えた所からルンゼの横の小尾根から巻きはじめる。巻きの途中でもう1つ奥に10mくらいの滝が見えたのでそれもまとめて巻く。この滝の事を「ホラ滝」と言っているのだろうか。屈曲の所にも20m滝がかかりこれも巻き。右から巻く。15m滝も右から巻いた。8m滝は巻くのが面倒なので登ることにする。が、意外と滑るし脆いので長南さんが空身で登り、後続は確保してもらって登る。快晴で熱中症になりそうなところでシャワークライムは涼しくなってよい。小滝が続き源頭部の様相になり、影を作る木もなく、暑い。イタドリの影とか小滝の直下とか、ちょっとした日陰を見つけて休憩する。沢型が無くなると草原となる。キンコウカ(?)・なんとかシオガマ(?)などが咲き、モウセンゴケも生えていた。赤見堂岳や昨日乗越した所がよく見え、気分がよいのでゆっくり休憩する。最後のツメはヤブ。ヤブを漕いで乗越すとこれまた草原。下るところを間違えると長沢に入ってしまうので確認をしつつまた草原で休憩。霞んでいるが八久和左岸の沢の雪渓が見える。鞍部には長沢源頭のちっちゃな池があった。それをまわり込んで下降開始。巻き下りられない滝を懸垂し大桧原山からの沢を左から合わせた下に、整地すればなんとか泊まれる所を見つけ、そこを幕場とした。

8月14日(火)

 幕場すぐ下から連瀑帯となり懸垂合戦が始まる。大きい滝はないものの、滝が続いていたり、先が見えなかったりで、30mザイルダブル懸垂4回、全部で8回の懸垂下降をしてアオ倉沢の出合に着いたのは12:00。幕場を出てから4時間45分もかかった。懸垂下降の繰り返しと滝の下の釜は泳ぎあるいは結構な浸かりで、私はかなり消耗した。ここから八久和本流まではほとんど何もないが、泳ぎの苦手な私1人、非常に辛かった所があった。泳ぎ浸かり疲れて、体はすっかり「けだるい」感じ。小学生の頃、夏休みに学校のプールでいっぱい泳いで夕方疲れて家に帰る時の、あの感じのようなけだるさ。小国沢出合から30分程、小赤沢手前によい幕場があってよかった。。。

8月15日(水)

 昨年歩いているのに、人間の記憶とはなんと怪しいものなのか、所々しか覚えていない。途中、泳ぎ突破隊長のこなんちゃんには大活躍して頂いた。しかし、やっぱり水泳部は飛び込みは頭から飛び込むものなんですね〜。岩屋沢出合から登山道に上がる。なかなか辛い登りである。天狗角力取山からタクシーをお願いし、登山道入口の林道終点に着いたのは(私は遅かったので)18:25。山形駅に一番ちかい山辺温泉に寄ってぎりぎり最終の新幹線に乗って、無事その日のうちに帰京できた。(記:関)

<コースタイム>
8/11(土) 国道112号脇 10:30 〜 大越川川原(支流) 11:00 〜 大越川二俣着(支流・シノマタ沢) 11:15 〜 二俣(シノマタ沢・北沢 お昼休憩) 12:30〜13:10 〜 休憩15:10〜15:30 〜 二俣(シノマタ沢・楢山沢) 16:00〜16:30 〜 二俣(楢山沢・ナンゴウ沢) 17:30 〜 テン場到着18:10
8/12(日) テン場 7:15 〜 休憩8:18〜8:30 〜 休憩10:30〜11:00 〜 鞍部〜深沢支流源頭 12:00 〜 枝沢出合(お昼休憩)12:30〜12:50 〜 深沢本流出合13:10 〜 休憩15:00〜15:20 〜 湯井俣川出合15:40 〜 テン場到着(湯井俣川)16:40
8/13(月) 幕場(7:40)〜ホラ滝辺りの連曝巻き終わり(9:10〜9:15)〜源頭部の草原(13:50〜14:25)〜乗越したあとの草原(15:05〜15:20)〜幕場(17:05)
8/14(火) 幕場(7:15)〜Co1050辺りの屈曲下(9:00〜9:20)〜アオ倉沢出合(12:00〜12:55)〜小国沢出合(14;35〜15:05)〜小赤沢手前の幕場(15:40)
8/15(水) 幕場(7:20)〜小赤沢(7:25)〜茶畑沢(7:55)〜平七沢(10:55〜11:25)〜岩屋沢(12:20〜13:00)〜天狗角力取山(15:10)〜登山道口(18:25)

≪感想≫
 当初計画の八久和横断、平七沢に入れなかったのは、やはり一番の原因は「体力不足」であろうか。夏合宿に向けてもう少し体を作っておくべきだったと反省。歩けば遅れ、泳ぎも苦手、まったく情けない。そういうつもりはまったくないが、どうしても「連れていってもらった」感がしてしまう。中堅会員としてやらなければならないことはいろいろあるのに、「体力不足」でついていくのが精一杯。リーダーの長南さん、泳ぎ突破隊長のこなんちゃん、すみませんでした。ありがとうございました。
 計画どおり最後の平七沢までは繋げなかったが、朝日で遡下降でき、八久和に出る事ができたのはよかった。つめ上がった草原から眺める沢や山はやぱっりいいものですね。
しかし濡れたザイルがこんなに重いものだったのか!と実感してしまった。(関)

 合宿前のプレ山行へは、諸事情によりすべて参加できずに挑んだ夏合宿・・・
 正直、大変疲れました。合宿中の3日目から頭のネジが通常より多めに外れ、思考回路停止状態突入・・・最終日は八久和で何度も飛び込むことが出来唯一誇れる泳ぎで貢献出来たと自己満足、大変楽しい時間を過ごせたことは何より、さすがに山奥の奥の奥、一般市民が立ち寄ることの出来ない場所での経験出来たことは良かったかなぁと、
 然しながら、準備不足はい言い逃れできず今後考えなければならないと。
 大きな事故は無かったのは幸いであるが、立ちこけによる打撲や裂傷などまだまだである。
 やはり山行数をもっと増やし、鬼教官の言われる「山の体は山でしか培われない!!」というのは実感することが出来た。
 しかしながら、毎日の生活(仕事)を充実させておかなければ、山には行けず・・・お年頃色々重なる外圧等・・・ふぅ〜 正直しんどい面もある。
 まぁ、急がず慌てず一歩一歩進めていくしかないと思う今日この頃であります。

 合宿最終日15日に自宅へ無事帰れて、16.17日は爆睡眠でとりあえずザックの荷出しのみ後は、今現在も部屋の中で散乱中。週明けは業務多忙の日々深夜遅く終わらない仕事が山となり、こちらの山行の方が難解である。今も続く。。(こみなみ)

 今年の夏合宿で一番うれしかったのは、小南ちゃんを挟むために先頭をお願いした関さんがルートどりなどサブリーダー的な仕事を自発的にやってくれたことかな。残念ながら4日目の北沢の連瀑帯を過ぎたあたりから遅れ勝ちでしたが。
 小南ちゃんは泳力あるね。高巻きも少し慣れてきたみたいだし。もっと沢へ行って体力つけて経験を積んでいって欲しいですね。
 ピリリと辛い合宿ではなかったけど5日間かけて山を渡り山を満喫できたいい合宿でした。(長南)

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