朝日・荒川中俣沢

2007年10月5日〜7日
L大塚、長南

2007/10/05 朝日:荒川中俣

10月5日(晴れ)
 ムーンライトに乗り、新潟経由で小国に入る。小国からタクシーで大石橋へ。
 大石橋から荒川沿いの登山道を歩く。角楢小屋周辺はブナの森が見事。夏合宿の帰路で訪れた大鳥池周辺のブナ林も美しかったが、やっぱりここが一番だ。この美しいブナの森は荒川遡行の素晴らしきプロローグである。

 大玉沢出合から遡行を開始する。しばらく穏やかな河原を行くと大きな釜を持った地形図上の滝となる。再び河原となってナベクラ沢を過ぎると30m程の瀞になり、右岸の明瞭な巻き道から高巻く。大帯沢出合手前の広河原は良い幕場だが、泊るには時間が早過ぎるので先に進む。大帯沢を過ぎると両岸が狭まり、花崗岩の白い岩床の間に瀞や小滝が続く。左岸から滝沢が出合った先のゴルジュは瀞の先に小滝と釜が連続するが、右岸のバンドを辿ると上手い具合に水に入らずに通過出来る。正面に滝を連ねる支流を見ると沢は右曲して毛無沢の出合となる。毛無沢の出合からしばらく行くと2段20mの曲滝。逆くの字形の滝で本流の滝らしい豪快な滝だ。左のルンゼ状から高巻くが、ワンポイントが悪く空身で登り荷揚げをして越える。
 曲滝上の小さな河原に幕営。大きな増水には耐えられないが背後に逃げ場があり、砂地もあるのでまずまずの幕場だ。薪もそれなりに集まったのでのんびり焚火をしてくつろぐ。

10月6日(晴れ)
 幕場から幾つか小滝を越えると2段8mの綾滝となる。二条の水流が中段でクロスしているので綾滝の名が付いたのだろう。曲滝の豪快に対して綾滝は優美。両岸は切り立っているが白い岩盤なので明るく解放的な滝だ。右壁から取り付き、中段で水流の裏を潜って左壁から落口へ抜ける。綾滝を過ぎると両岸が狭まり、淵の先に3段7mの斜瀑がかかる。泳いで取り付けば越えられそうだが、この滝上で沢が左曲した先にまだ何かありそう。さすがにこの時期に泳いで先を見に行く気にはならず、少し戻って右岸から高巻く。トラバースをしながら様子を窺い、ゴルジュの切れ目に降りると丁度そこは2段10m程の滝の落口だった。上段はツルツルなので、おそらくゴルジュの中を遡行してきてもこの滝は登れないだろう。
 西俣沢出合までは夏なら雪渓が残りそうなゴルジュ続くが、沢床はゴーロ状で難なく進む。西俣沢を過ぎて5×10mのナメ滝を越えると、3段18m(下から4.6.8m)の大滝となる。大滝と言う程の落差は無いが、両岸は狭く切り立ちなかなか悪相の面構え。左岸の潅木帯から高巻き、傾斜が緩んだ所でトラバースして行くと明瞭なルンゼに出るので、このルンゼを懸垂下降2ピッチで大滝落口へ降りる。大滝の上はゴーロになり僅かで二俣。開けた二俣の出合の台地は格好のベース地だ。
 二俣から中俣沢に入るとしばらくはゴーロだが、右岸から支流を入れると沢は右曲し滝場が始まる。小滝を二つ程越えると5mの滝となり、これは左の凹角状の岩場を登り小さく高巻くがやや悪い。その後は5mクラスの滝が続き、6mのヒョングリ滝は右、トイ状8mは左を登る。ゴルジュは深さを増し圧倒的な白い花崗岩の側壁に囲まれるようになり、いよいよここからが中俣沢のクライマックス。沢が左曲した先に15mの直瀑がかかり、左のルンゼ状を登ると、その上には20mの美しい滝がかかる。滝下には陽の当たる絶好の休憩ポイントがあり、しばしこの美しい滝を鑑賞する。下流には遡ってきた高い側壁を持つゴルジュが眺められ最高のビューポイントだ。この20m滝を右の支流から高巻くとゴルジュは終り核心部を抜ける。沢は開けてゴーロとなり、幕営可能な場所が幾つかあるが、時間が早いのでこの日のうちに稜線に抜ける事にする。
 中岳への支流を右に2本見送り、上部に滝をかける支流を左に見送ると、西朝日岳へツメ上げる本流は再び滝場となり、5mクラスの滝を連続させる。その殆どを快適に登ると最後は平凡なゴーロとなり、西朝日岳と1813mピークとの鞍部にツメ上がった。
 稜線は紅葉の盛りでミネカエデの赤が一際目立ち印象的。秋の澄んだ空気の中に主稜線の山並みを殆ど見渡す事ができ、紅葉と周囲の山並みの美しさに時間も忘れて何度も立ち止まった。夕刻の竜門小屋は超満員で中に入れず、小屋の前でツエルトを張る事になったが、風もなく穏やかな夜だった。

10月7日(晴れ)
 日暮沢小屋へ下山。清太岩山付近からは高松沢の大滝が良く見えた。

 荒川中俣沢は非常に美しい渓だった。アプローチのブナの森から始まり、穏やかな河原、白い花崗岩の岩床と個性的な滝群、中俣沢核心部の圧倒的な側壁。下流から源流まで見所満載で、良く纏まった美渓だと思う。中俣沢に入ってからの滝の登攀は予想していた程の厳しさはなく、ロープレスでグイグイと登って行けるのも爽快だった。
 10月の朝日は癖になりそうな予感。来年は高松沢かな。(記:大塚)

<コースタイム>
10月5日 大石橋(9:25)〜角楢小屋(休10:10〜30)〜大玉沢出合(11:10)〜大帯沢出合(休12:30〜13:00)〜曲滝上の幕場(14:30)
10月6日 曲滝上の幕場(7:45)〜綾滝上(8:35)〜大滝下(休9:45〜10:10)〜二俣(休10:55〜11:20)〜20m滝下(休12:25〜12:55)〜稜線(15:50)〜竜門小屋(17:20)
10月7日 竜門小屋(8:30)〜日暮沢小屋(11:40)

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