越後・水無川笹花沢~高倉沢下降

2007年10月15日
大塚

2007/10/15 越後:水無川笹花沢~高倉沢下降

 水無川の林道を上流に向かって進むと一番初めに目に止まるのは、竜の背のようなマキグラノツルネの岩稜、続いてオツルミズ沢のカグラ滝。

右手の八海山のギザギザを眺めながらさらに上流へ歩を進めると、モチガハナ沢右岸のスラブ群や、奥の方にはオカメノゾキ辺りのピカピカ光るスラブも見えるようになり、目に映る全てのものが荒々しく、この流域特有の威圧的な光景に身の引き締まる思いがする。そんな水無川の光景の中、十二平からデトノアイソメへの道を進むと、左岸から優美なナメ滝を連続させて水無川の本流にそそいでいる笹花沢が目に止まる。どこまでも続いていそうなナメ滝を連ねる様は印象的で、水無川にあってその女性的な姿は特異な存在に見える。初めて水無川を訪れた時にその笹花沢の光景を目にして、是非紅葉の良い時期に遡行してみたいと思っていた。

 デトノアイソメへの道から笹花沢の出合に降りると、出合から続くナメ滝群の傾斜は対岸から見るよりも緩くひとまず安心する。なんせ単独だからコケる訳にはいかない。出合の2段15mの滝を右から登るとあとは対岸から見た通りのナメ滝の連続。ややヌメり気味なので部分的に緊張する箇所もあるが、概ね快適でグイグイと登って行ける。一旦ゴーロになるが直ぐに第二のナメ滝群となり軽快に登って行く。登攀のレベルは難しい所でⅢ+程度かな。彫りの浅い沢なので自信が無ければ小巻きも可能だが、水線沿いにこだわって登る。幅広の20m滝を水流右から登ると楽しかったナメ滝群は終わる。
 伏流のゴーロとなり左右から小さな支流を入れる。このまま終ってしまうのかと思ったが、上流部で再び滝が続くようになると水流も復活する。連続しているのでどこで区切るか迷うが、大体5~10m程度の落差の滝が緩急傾斜を交えてずっと続いている。一箇所ハングした滝を小さく高巻いたのを除けば全て直登。高度感が出てロープ無しでは怖い箇所もあるが慎重にルートファインディングをしながら登った。上部は傾斜の緩い岩場となり、1565mピークのやや下にツメ上がる。
 稜線は紅葉の盛りだが困った事にガスに包まれた。視界は30m程度しかなく高倉沢への下降点を見定めるのがやっかいだ。地形図を見る限り高倉沢右岸はかなり立っているので、さすがに1565mピークからダイレクトに高倉沢に降りる気にはならない。高倉沢の右岸尾根を入道岳に向かって進み、高倉沢側の傾斜が緩む標高1600m付近から下降する事にする。この尾根は所々ナイフリッジになるが、ヤブは腰程度なので視界が利けば展望が良く気持ち良さそう。ガスが晴れないのが残念。しばらく進むと一瞬ガスが切れて高倉沢側の斜面が見えた。草付斜面だが小潅木を繋いで降りられると判断し下降を開始する(おそらく1600m付近)。傾斜の緩いところを繋いで上流側にトラバースぎみにジグザグに下降して高倉沢に降りる。
 高倉沢は地形図の滝記号の辺りまでは延々と巨岩ゴーロが続きうんざり。滝記号もどれがその滝なのか今一つ判別出来ない。左岸から支流を入れ沢が右に曲がると渓相が少し落着きそれなりに滝場が現れるようになる。下流部は釜を持つ小滝が多くてクライムダウン出来ず高巻きになる滝が多い。高倉沢は凡庸な沢だが、下流部は終始オツルミズ沢のサナギ滝を眺めながら歩く事が出来るのが良い。(記:大塚)

<コースタイム>
高倉沢出合(6:50)~笹花沢出合(7:15)~20m幅広滝上(休8:20~8:45)~稜線(10:55)~標高1600付近下降点(11:50)~高倉沢に降りる(12:10)~標高940m左岸支流出合(休13:45~14:05)~高倉沢出合(15:55)

Pocket
[`evernote` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください