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2007/11/09 奥利根:矢木沢川ジロウジ沢四ノ沢 |
刃物ヶ崎山。晩秋の訪れる人も稀であろうその頂に一人奥利根の夢を馳せてみる。
居倉橋のゲートはこの時期、8時開門17時半閉鎖。日帰りで刃物ヶ崎山のピークを踏んでくるのは少しキツイかもしれないが、13時半を引き返しのリミットと決めて出発する。矢木沢川下流部は明るく穏やかな流れが続き開放的。幽沢出合先の小ゴルジュは左岸に巻き道があるようだが水線沿いを行く。悪沢出合先の瀞と、東メーグリ沢出合先の魚止滝は左岸の明瞭な巻き道を辿り、広い河原の屈曲部を過ぎるとジロウジ沢出合。ここまで1時間20分。出足順調、このペースなら刃物ヶ崎山のピークが踏めそうだ。
ジロウジ沢に入ると2〜5m程度の小滝が続くが困難なものはない。ジロウジ沢下流部はブナ林も美しくマズマズの渓相。四ノ沢に入り4段の小滝とその上の6m滝を越えると30mの大滝が現れる。水量こそ少ないがスダレ状の美しい滝だ。下段は水流左の乾いたフェースを登り、上段は左側の潅木の中を登る。
大滝を越えると数個の小滝の後、左から支流を入れしばらく辿ると水が涸れる。ツメは露岩混じりのヤブになり、正面に東南稜の岩稜が見えるようになる。正面の岩稜を避け、やや左側にトラバース気味にツメ上げ東南稜の稜線に出る。尾根上の小岩峰を左から巻いてさらに急傾斜のヤブを登ると刃物ヶ崎山のピークに登り着いた。
360度の展望に思わず雄叫びを上げる。特に奈良沢川の眺めが抜群。ブサノ裏沢の大滝、下ゴトウジ沢源頭の草原、小沢四番手沢、かつて辿った沢が手に取るように眺められる。眼下には奥利根湖、本流左岸は水長沢、赤倉沢、割沢。楢俣川は遠いが、赤倉岳、至仏山、笠ヶ岳の稜線が秋の澄んだ空気に中にはっきりと見えた。予想以上の展望に大満足。たまにはピークを目指す山も良いもんだ。
往路を戻って下山。洞元荘の露天風呂で満天の星空を眺め、今シーズン最後の沢を締めくくった。(記:大塚)
<コースタイム>
矢木沢川林道終点(8:20)〜東メーグリ沢出合(9:10)〜ジロウジ沢出合(9:40)〜四ノ沢出合(10:45)〜刃物ヶ崎山(12:25−13:00)〜四ノ沢出合(14:10)〜ジロウジ沢出合(15:00)〜東メーグリ沢出合(15:25)〜矢木沢川林道終点(16:20)