2008年4月12日~13日
担当)長南、佐藤、大塚、松之舎、関、立田、小南、小池
12日のみ:戸ヶ崎よ、五十嵐
13日のみ:守屋、山本
今年のレスキュー訓練は、参加総数12名となった。はじめての人が多かったので、基本メニューを中心に行い、完全ではないものについては繰り返し身体で覚えるような内容にした。
■訓練メニュー
① まずは基本
・ レスキューでの支点について
流動分散を固定化
スパニッシュ・ブーリン
・ 半マストの操作
カラビナへの半マストのセット(ゲート左右両方)
ロープへの直接セット
仮固定
② 懸垂下降中の自己脱出
・ 懸垂下降中の仮固定(簡易固定、本固定)
・ 懸垂下降からの自己脱出(宙吊りからの自己脱出)
③ 確保者の自己脱出
・ トップを確保中のビレーヤーの自己脱出
・ セカンドを確保中のトップの自己脱出
④ プルアップ(1/3法)
・ 特に支点の作り方が重要となる。各自が一度は支点のセットを行うよう反復練習を行う
⑤ 懸垂下降の応用(新人メニュー)
・ 初日不参加の新人は①をリーダーについて消化
・ 懸垂下降時のバックアップ(オートブロック等)
⑥ ザックを使用した負傷者の背負い方
・ ザックのみ、ザック+雨具
・ 雨具+潅木での簡易担架作成、搬送。
⑦ 負傷者を背負っての懸垂下降
・ 介助懸垂
・ 上部から確保器で制動しながら降ろす方法
⑧ プルアップ(1/3法)
・ 実際に斜面でグループに別れて負傷者をプルアップする
■所感&覚書(来年のために)
1.半マストについて
半マストでのロープ操作を習得できるまでやった
1.カラビナへの半マストのセット
2.ハーネスのカラビナへの半マストのセット
3.1での半捻りでの固定
4.2でのミュールノットでの固定(ムンターミュール)
2.トップを確保中のビレーヤーの自己脱出
以下の方法で固定
1.ミュールノットで仮固定
2.支点へプルージックでバイパスを作成
3.マリナーノットで固定
4.バックアップ
3.セカンドを確保中のトップの自己脱出
新人にはセカンドのビレイは、まずATCでの折り返しでやるように指導しているので、その場合の方法を検討した
ATCで折り返しビレイの場合
1.支点からプルージックでバイパス作成
2.もう一つ支点を作る
3.メインロープで半マストで半捻りで固定
4.プルージック解除
だがレスキューの場合、はじめから半マストで支点ビレイすればよい。そして半捻りで固定。
そもそもこれができるような新人であれば、確保器はルベルソ、ピウー、ATCガイドのようなロック機能付の確保器を持たせた方がよいのでは。
4.懸垂下降時のバックアップ(オートブロック等)
オートブロックは、カラビナの上と下でセットできるが下にセットした方がよい
5.負傷者を背負っての懸垂下降
ディジーチェーンで加重を分散させる方法は、緩い斜面では背負うことになり加重が背負う人にかかり分散しない。垂直な壁でしか機能しないので、安全を確保できる場所がないので未消化。
6.上部から確保器で制動しながら降ろす方法
いろいろな方法を試したが、今回の訓練でのベストな方法は、
1.確保者は2人で一本はバックアップ
2.支点でワンターンさせて半マストでボディビレイ
1人では加速度がつくと耐えられない。バックアップは必要なので2人で確保したほうがよい。
8環は制動がかけにくい。またATCは持っていかれやすい。
支点ビレイで、2人の懸垂の荷重を制御するのは危険。加速度がつきビレイヤーが支点に引き寄せられバランスを崩し手を離したらシステムが崩壊する。ビレイシルテムは懐にあったほうが安全。なのでボディビレイ。バランスを崩して引きずられても片手さえ放さなければ確保できている。
7.1/3でのプルアップ
・プーリーがない場合、タイブロックを用いた場合などでも確認した
・ATCとプルージックでストッパーを構築するよりはビエンテなどのストッパー結束にしたほうがスムース(?)
・4-5mほどの垂直に近い斜面で約100kgを女性2人でプルアップしてみたが、無理だった。
・これは4人パーティで男性2人、女性2人を想定したもの
・その後、いつもの斜面でプルアップ
・背負っている人が足を運びやすいように引き上げ側は声をかけることが必要
8.レスキュー用に確認したロープ結束
・半マスト
・シートベント
・ヘッドオン
・バッチマン
・オートブロック
・マリナーノット
・ミュールノット
9.試してみたロープ結束
・スパニッシュブーリン
岩場の終了点では使えるかもしれないが、沢やレスキューでは出番なしかな
・ストッパーに用いる結束
ロレンツィ、ビエンテ、ガルダーなどを試したが、ビエンテが有力(?)
10.その他
・今回はレスキューにおける半マストの有用性を再認識した
(記:長南)