朝日・小沢源頭部

2008年4月27日〜29日
L長南、戸ヶ崎よ

昨年に引き続き、小沢源頭部をテレマークで遡下降(登下降?)してきた。今回は小沢西俣源頭部から三足一分山方面の魑魅魍魎としたあたりがターゲットだ。

2008/04/27 朝日:小沢源頭

■27日
月山第一トンネルの荘内側パーキングに車を停め、旧道(112号)にあがる。昨年より積雪は50cmほど多い。急な斜面などはこの微妙な積雪の差で少々嫌らしいトラバースとなる。

もう少し積雪が多ければ尾根にあがり大越に出た方が安全だろう(ルート取りによってはこちらのほうが迂回しない分、早いかもしれない)。大越で休憩していると、案の定、スノーモービルが湯殿山方面から爆音とともに大越を越えていく。志津から湯殿山南面の台地にあがり降りてくるようだ。
大越から平らな稜線にあがり小沢右岸にでる。天気はいまいち。振り返っても月山が見えない。時折、雨が混じる。稜線が南に曲がり1116mあたりで南の沢に滑り込み小沢の左俣(東俣)に出る。昨年、初日にツエルトを張ったあたりだ。そのまま沢を詰め、左岸1179m南の鞍部に突き上がる枝沢に入る。鞍部を乗越し中俣に出たところでテントを張る。昨年の2日目のテン場だ。今回はここをベースにして小沢の右俣(西俣)源頭部から三足一分山方面を探ろうという魂胆だ。
風が強いのでブロックを積み水を汲むために中俣を滑る。思わず笑みが溢れてくるくらい快適な滑りだ。昨年、水が出ていたあたりは雪の下で、結局、左俣との二俣まで滑る。この二俣下は滝が出ていて下りられない。水を汲むのも困難なので左俣を少し入ったところで水を汲み戻る。
この日は夜半から雪になった。

■28日
今日は、低気圧が東へ抜け移動性の高気圧がやってくるはずだ。視界がなければ源頭部の細かい地形の判断は厳しいな、と考えながら、ゆっくりと朝飯を食っていると、たまに青空が覗くようになるがすぐにガスが流れてきて小雪が舞う。ルートを短縮するか、分かりやすいルートに変更するか迷うところだが、ひとまず離森山まで登ることにする。
中俣を登っていると視界はますます悪くなり雪が吹きつけてくる。今日も風が強い。地形図と磁石頼りで源頭部の魑魅魍魎な地形を鍋森と離森山の鞍部まであがると、その向こうには朝日主稜線と湯井俣川水系の山々の山裾が分厚い雲の下に光っていた。離森山を登る間に雲はどんどん流れていく。離森山に着くころには雲の中だった朝日主稜線が顔を出していた。離森山は朝日連峰北部のいい展望台だ。湯井俣川と八久和川の筋がはっきりと見える。
しばらく山座同定を愉しんで小沢源頭部左岸域に向かう。稜線は雪原状だ。中俣と右俣の間の魑魅魍魎とした地形を頭にいれながら1202m南の鞍部から右俣源頭部へ滑り込む。天気もよくなりご機嫌な地形が続くのでテンションも上がってくる。このあたりは沢筋も尾根筋もどこにルートをとっても愉しめそうだ。右俣右沢を970mあたりで左沢に入り(この二俣は良いテン場)、1100mあたりで中俣右沢に乗越す。乗越すといっても沢床から5mも上がらずに乗越せてしまう。それもそのはずで稜線から見たときにこの沢は右俣なのか中俣なのか上から見ただけでは判らなかったところだ。
中俣右沢へ滑り込み、昨日、水を汲んだところまで滑り下りる。ひと仕事して中俣を登り直すが、途中から左俣との中間尾根にあがる。この尾根もブナのいい尾根で、途中からついつい滑り込みたくなるところが多い。どうやら小沢源頭はブナの純林らしく、ミズナラやダケカンバなどは見当たらない(これは左俣、中俣、右俣すべてで)。月山を眺めながらゆっくり登り、1179mを迂回気味に少しくだりベースに戻る。ご機嫌な一日であった。

■29日
昨日、中俣と左俣の中間尾根から左俣に滑り込む、というところで意見が一致し、また今朝も月山を見ながらのんびりとブナの尾根を行く。滑り込めるポイントを探しながら昨日、あたりを付けていた辺りで、少々、最初が急だったがトガちゃんが一気に滑り込んでいく。荷物背負って、2mの板と革靴で滑っていく姿に見蕩れてしまった。やっぱりトガちゃん、うまいわ、と、こちらは春仕様の130m板でそれも最初はキックターンで下りていく。
左俣に出て、滑り降りた沢を登り、稜線の屈曲点までのあがれば後はシールなしで車まで滑って戻る。(記:長南)

<コースタイム>
27日 駐車場9:20−10:20大越10:40−12:30東沢ー13:00中俣BP14:30-二俣ー16:00BP
28日 BP9:50-11:00離森山11:30-西俣源頭12:00ー中俣乗越13:00ー13:30二俣14:30ー16:00BP
29日 BP9:20-10:00東沢10:15ー稜線10:35ー大越11:25ー12:15駐車場

<1/25,000地形図>
湯殿山、赤見堂岳

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