上州・塗川西俣沢

2008年7月6日(日)
L佐藤、関、山本、小池

2008/07/06 上州武尊:塗川西俣沢

前夜は関さんの車で、白沢道の駅まで。
塗川は、武尊牧場スキー場の手前で東俣沢と西俣沢に分かれている。塗川の右岸につけられた車道を進み、西俣沢側にかけられた逢瀬橋の手前に車を止め、身支度をして出発する。
西俣沢右岸の砂利敷の林道を30分ほど歩き、「西保沢林道終点」(西俣沢の誤りと思われる)の標柱のあるところからさらに登り気味に伸びている林道を進み、小沢を越えて薄い踏み跡を辿り西俣沢に降りた。標柱のところが、2.5万分の一地形図の林道終点だったようである。

透ける黄緑の木の葉に、沢床の石には苔のテールベルトが美しく、身体中まるごと緑の渦に包まれて、ふぅわりと穏やかな気持ちになる。すぐに美しい幅広5m滝が出迎えてくれ、心楽しく越えて行く。オス沢と思しき流れは意外と小さく、本当にこれだろうかと訝しく思うが、滑床をさらに進むと、両岸に城壁のような石積の橋脚が現れて、現在地を確認することができる。
西俣沢の下流部は、森の中をゆったり流れる黒っぽい滑床と緑苔のバランスがよく、しっとりとした美しい沢である。1260m付近で沢が右に曲がる手前で、引き返してくる2人連れの釣人に会う。その先は小さなゴルジュ状になるが、すぐに開けて、平凡な川原状を進む。左岸から3本ほど枝沢が入るが、距離が短く雨も少なかったためか、いずれも水量は大変少なかった。
中流部は開けて明るい沢になる。やがて赤茶色の石やスラブ斜面をいくつか過ぎるとシロビレ沢出合だが、これも小さな枝沢である。その先の7m滝で、また引き返してくる釣人らしい単独男性とすれ違う。ここは右岸にしっかりした巻き道があるのでそれを利用した。しばらくスラブ斜面を交えて川原を進むと、1480m付近の屈曲部にある、倒木が右側に立てかけられたような4m滝に出た。ガイドブックでは水流右を直登しているが、ここは左手の岩のクラックを利用して登った。小滝、4m斜滝と右を越え、次の赤茶色の滑りやすい4m滝は佐藤さんがリードしてお助けロープを出してもらう。
1555m付近の小さな屈曲部で、はじめて正面のルンゼの下部に雪の塊を見る。小滝と赤っぽい滑床を進んでいくと、再び雪渓が現れた。上端がスノーブリッジになっており、その先にCS滝があるのが見える。スノーブリッジの下をくぐってCS滝の様子を窺うが、登れそうにないため、またブリッジの手前まで戻り左岸を高巻いた。CS滝の先の滝も合わせて巻き、降りたところの少し先が、1650m付近の二俣であり、ここで昼食を取った。
その先も滑と小滝、トイ状滝などを越え、正面に岩場が望まれるようになるが、不穏な遠雷がかすかに聞こえるようになり、1750m付近でしばし思案するが、追い立てるような雷の音に、左岸の枝沢を登山道にエスケープすることにする。枝沢に入ってからも、まとまった雪渓が4箇所ほど現れた。水が枯れてから15分ほど笹薮を漕いで、立派な岩峰の右側の尾根が平らになった地点で登山道に上がった。
武尊牧場スキー場の上端に着く頃に少し雨に降られるが、心配した雷が近づくこともなく、若干1名が楽しみにしていたソフトクリームを片手にリフトに乗る頃には雨も上がり、虹のかかった牧場の上を、足をぶらぶらさせながらハイジの気分でラクちん下山した。たまにはこんな楽しみもよいでしょうか?(記:小池)

<コースタイム>
逢瀬橋7:25—入渓8:15—オス沢出合8:25—橋脚跡8:30—シロビレ沢出合9:50—倒木のかかった4m滝10:30—1650m付近二俣12:05/45—1750m付近枝沢出合13:10—1930m付近登山道14:30/40—武尊避難小屋15:10/20—リフト16:05—逢瀬橋16:50

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