奥利根・楢俣川日崎沢〜裏日崎沢下降

2008年7月12日〜14日
大塚

2008/07/13 奥利根:楢俣川日崎沢~裏日崎沢下降

7月12日 晴れ
湯の小屋のバス停から楢俣川の林道を狩小屋沢の降り口まで歩く。林道脇の小スペースに幕営。
7月13日 晴れ

早朝、バイクで釣り師が入ってくる。澄んだ空気を切り裂く醜い排気音。耳障りな雑音に朝から嫌な気分になる。10分の差で釣り師が先行。
矢種沢出合の先で鬱陶しい奴らを追い越すと再び静寂の渓となる。ゆったりと流れる楢俣川の本流。その魅力は何と言っても水量の多さだろう。森の豊かさと山懐の深さを感じながら遡りゆく喜び。至福の時。
4年前に本流を遡った記憶を辿りながら見覚えのある日崎沢出合に着く。日崎沢に入ると小さいながらもゴルジュ地形となり快い緊張感を伴いながらの遡行となる。滝は小さいが胸まで水に浸かったり、大股開きで通過したりで意外と大変だ。ゴルジュ出口の2段10mの滝は左を直登する。
沢が右曲して地形図上の滝記号を越えると両岸開けて穏やかな渓相となる。小滝、ナメ滝、ナメ床が適度な間隔で続いていて綺麗な滝も幾つかある。上部はややヤブっぽくなり、1727m峰にツメ上がった。
滅多に来ないであろう場所なので、名のあるピークを踏みに岳ヶ倉山(日崎山)まで足を延ばす。ヤブを漕ぎ30分と読んだが意外に手こずり1時間近くかかった。古いワンゲルのプレートがある山頂からは、ススヶ峰、大白沢山、景鶴山などの行ってみたい山々が見渡せた。眼下には猫又川源流と尾瀬ヶ原。目立つ先鋒もなければ大岩壁もない、ただ緑色の山並みがウネウネと広がる地味な展望だったが、何だが「これが俺の山登りだな」と思った。
しばらく展望を楽しんだ後、裏日崎沢を下降する。こちらも穏やかな渓相で、小滝、ナメ滝、ナメ床が飽きない程度に交互に現れる。下流部にある3段15mの滝はなかなかの美瀑。本流と出合う辺りの裏日崎沢右岸(本流左岸)の段丘には見事なブナ林が広がっていた。
本流をススヶ沢出合まで遡って、ススヶ沢出合の台地に幕営。
7月14日 雨のち曇り
夜半から雨が降って増水を心配したが朝には止んだ。出発の後、再び降りだしたがシトシト雨で大した増水はなかった。雨の中、ガスに煙る楢俣川は静かで心落着いた。来た道を再び湯の小屋に戻る
(記:大塚)

<コースタイム>
7月12日 湯の小屋バス停(14:30)〜林道ゲート(15:15)〜狩小屋沢降り口(17:05)
7月13日 狩小屋沢降り口(5:30)〜矢種沢出合(5:55)〜前深沢出合(6:20)〜日崎沢出合(7:10)〜二俣(9:20)〜1727m峰(11:30)〜岳ヶ倉山(12:20-50)〜裏日崎沢出合(15:25)〜ススヶ沢出合(15:45)
7月14日 ススヶ沢出合(5:40)〜前深沢出合(7:50)〜狩小屋沢降り口(9:00-20)〜林道ゲート(11:30-50)〜湯の小屋バス停(12:30)
<1/25,000地形図>
至仏山、尾瀬ヶ原

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