2009年3月29日
(担)大塚、五十嵐、増田、戸ヶ崎よ、松之舎、関、古川原、望月、小池、山本、稲葉
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2009/03/29 丹沢:確保技術訓練 |
例年、沢シーズンの始めに行う確保技術訓練。ここ数年の訓練で新人や中堅向けの基礎メニューはほぼ決まってきており、沢での滝登りを想定したロープワークを実践的に反復する訓練となっている。
内容としては新人や中堅を対象と考えれば良いメニューになっていると思うが、リーダー組にとっては既に知っている技術の確認でしかなく、訓練の場では指導係としての役割をお願いしているだけになっているのが原状である。
実際はリーダー組の技術向上も必須であり、もっと新しいことも試みたいという考えもあるのだが、会全体での訓練となるとなかなかその時間がなく、新人と中堅が訓練の中心になってしまうのは仕方がないことなのかもしれない。
一方、最近はフリーやアルパインに行くメンバーも増えてきているので、以前に比べれば岩場に通う頻度も増えてきている。そういうメンバーは確保の技術や知識も向上をしてきているので、それは良い傾向だと思う。岩場には全く行かないという会員も多いが、確保技術の基礎的な技術や知識は、岩場でトレーニングしないと習得出来なかったり、理解できないものもあるので、出来れば年に数回でもいいので岩場に行く機会を作って欲しいと思う。
私が確保技術訓練の担当になって今年で6年目。来年はそろそろ誰かに担当を譲り渡したいと思っていのだけれど、誰か志願してみませんか?
以下は今回の訓練概要
【訓練のテーマ】
[新人]登攀システム全体の流れを理解すると共に、自身の安全確保技術を完全に身に付ける。
[中堅]確保技術全般を習得し、パーティーのリーダーとして自立する。
[リーダー]今まで習得した技術の応用と考察。
以下のロープ結束を訓練前の各自が確認してくるようにお願いした。
・エイトノット(フィギアエイト、八の字結び)
・プルージックノット
・インクノット(マスト結び、クローブヒッチ)
・半マスト結び(イタリアンヒッチ、ムンターヒッチ)
・ダブルフィッシャーマン結び
・バッチマンノット
・オートブロック(マッシャー)
【訓練メニュー(項目別チェックリスト)】
1.リードでの登攀
a.登る前のディスカッション
登攀ルート、後続の確保方法、荷上げの方法などの確認
b.プロテクション(中間支点)のとり方
ハーケンの打ち方
ハーケン、ボルト等へのカラビナやシュリンゲの掛けかた
立ち木、ブッシュ等での支点のとり方
カラビナ、ヌンチャクへのロープの掛けかた
セカンドが登る事を考慮した支点の取りかた
ロープの流れを考慮した支点の取りかた
2.リードの確保
ビレイヤーの位置
セルフビレイの有無
ロープの繰り出し方
リード墜落時の注意点
3.セカンドでの登攀
a.上から確保されて登る登攀
プロテクション回収時の注意点
b.固定ロープによるプルージック登攀
プルージックセット時の注意点
登攀時の注意点
アッセンダーの利用
4.セカンドの確保
a.確保支点について
立ち木、岩などでの支点のとり方
ハーケンでの支点のとり方(複数支点での加重分散方法)
b.確保方法各種
ATCでのワンターンボディビレイ
ATC、エイト環での支点ビレイ
ルベルソ、ピウー、ATCガイドなどを使った確保方法
肩がらみ確保の方法とその危険性
5.懸垂下降
a.懸垂下降のロープのセット
支点(捨て縄)セット時の注意点(立ち木、倒木、岩、ハーケン)
ロープ1本の場合のセット方法
ロープ2本の場合のセット方法
ロープの投下方法とその注意点
b.下降時の注意点
セルフビレイ
エイト環のセット方法
下降中の注意点
回収時の注意点
6.コールによる意思疎通
コール、ホイッスルによる意思疎通方法
7.ロープの束ね方
振り分け式
ループ式
今年の参加者は11名。午前中は2班に分かれて新人と中堅のメニューを中心に行う。リーダーは指導係。午後からはリーダー組が集まり、ダブルロープ、セカンドとラストの同時登攀などの課題を行い、新人と中堅は午前中のメニューの反復練習。予定していた訓練メニューは一通り行ったが、まだまだ反復練習が必要なので今後も各自でトレーニングを行ってください。
参加者の皆様、寒い中お疲れ様でした。リーダー組の皆様、指導係ありがとうございました。
(記:大塚)