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2009/06/27奥秩父・井戸沢奥新左衛門窪左俣 |
前夜は当会定宿の仲見世初デビュー、のはずが、巡回してきた警備員に警察まで呼ぶと脅され、やむなく退散、御花畑駅でSB。
また御花畑でも朝5時には駅員に起こされ(当然か)、ベンチに横になろうとした松之舎さんは「寝ないで下さい」とまで言われる始末。まあ、時代が変われば、悪くなるマナーがあれば良くなるマナーもある訳で、そう考えると我々沢屋は昔からの悪習を引きずっているだけなのかもしれない。
翌朝は7時三峰口着、予約をしてあった丸通タクシーに乗り込む。梅雨の真っ只中というのに大変良い天気で、気持ちが良い。大洞林道は荒沢橋手前までタクシーが入り、8時着。着替えを済ませ、昨日からの晴れで少し乾き気味の林道を進む。井戸沢へは一度来たことがあるのだが、林道をどこから下りるのか全然覚えていなかった。それでも出合いは少し渓相が変わったようだ。
井戸沢は総じて暗い沢だ。谷が深く、木々が鬱蒼としている。しかし、良い天気と相まって、独特の美しさを演出している。木漏れ日は、まず水面で一部が反射し、残りが川底を照らすのだ。美渓と言われるだけのことはある。
途中、小滝や深い釜を多く越えたが、ワンポイントには必ず残置が多数あるので、困難を伴うものは無い。いくつかの滝や釜は自分も覚えていた。また、人の顔ほどの大きさもある巨大なマスタケを発見し、夕飯用に若いのを少々採る。有名なキンチヂミの滝は左の巻き道をとり、懸垂なしで沢に降りられた。そろそろ飽きが来るころ、椹谷出合い。二又上の6m滝は左からやや高いところまで登り、懸垂で下降。次の10m滝は右側から簡単に越える。
前新左衛門を過ぎ、大きく沢が屈曲している変曲点の辺りで、本日の行動終了とした。少し整地して、いいテン場となった。薪を集め始めた松之舎さんがすぐに大声を上げたと思ったら、対岸にフレッシュな鹿の死骸が浮いていた。自分は釣りに出かけ、4匹釣って3匹持ち帰った。大きいのが掛からなかったので、釣り師が入った後なのだろう。夜は焚き火も十分にでき、小南さん食当の越山火鍋(もつ鍋)を腹一杯に食った。
翌日は7時発。結構早い出発である。早速小滝を越えていき、2条6mは右の小ルンゼ状を登り、掛かっている虎ロープで越える。その巻き道は次の7mもそのまま越える。1時間で奥新左衛門出合い着。入ってすぐに右俣と左俣の二又がある。左俣は出合いすぐに2段10m, 6mの滝があり、右側を巻き気味に登る。次の15mは左から簡単に小さく巻ける。直登できない滝は以上で、その後にでてくる小滝は全て快適に登れる。また、小さい沢だがゴルジュが発達し、ナメも多く、長南さんの昔の記録に“ゴルジュとナメの続くいい沢だった”とある通りである。
最後は膝下くらいの笹薮を稜線に出る。登山道は所々見晴らしが良く、将監峠の向こうに富士山も見えた。牛王院平付近は、綺麗なモミの森で、道幅も広く状態も良い。下山は2時間半くらいかかるかと思っていたが、1時間45分で着いてしまった。三ノ瀬で塩山タクシーを呼ぶと50分くらいかかると言う。当初は大菩薩の湯に入って帰ろうと話をしていたが、それでは温泉から駅までのバスの時間に間に合わないので、宏池荘に変更する。400円也。レモン石鹸しかないのはかなりマイナスであったが、立派なお風呂であった。駅まで10分程歩き、着いたら丁度、雨が降り始めた。
(記:古川原)
<コースタイム>
27日 三峰口(7:00)~荒沢橋(8:00)~井戸沢出合(9:15)~椹谷出合(13:05)~泊場(15:00)
28日 泊場(7:00)~奥新左衛門出合(8:00)~稜線(11:00)~三ノ瀬(12:45)
<1/25,000地形図>
雁坂峠、雲取山