奥利根・幽ノ沢~上長倉沢~小穂口沢~ブナ沢~本谷山

2009年8月8日~10日
L増田、関、小南

2009/08/08 奥利根:幽ノ沢~上長倉沢~小穂口沢~ブナ沢~本谷山

奥利根本流筋の中で人気が高いとされている剣ヶ倉沢と、記録の少ない幽ノ沢を繋ぎ、奥利根を東西に横断しようというのが今合宿のコンセプトだった。しかし、結果的には台風接近による雨のため、最大の核心部である剣ヶ倉沢に入ることなく、途中エスケープして本谷山から十字峡へと下ることになった。残念ではあったが、幽の沢とその支流、上長倉沢の様子を知りえたことは、次へと繋がる成果だったかなと思う。

8月7日(金)(前夜)
夕方の関東地方でのゲリラ的集中豪雨+私鉄での人身事故等と重なり、乗車予定の電車に間に合うのかドキドキしつつ、今宵の集合場所JR上牧駅にam0:07頃に到着。佐藤班の山行が中止になったことを聞き、何とも残念無念。缶ビール3本ほど寝酒にし、早朝に備えて床に就く。
8月8日(土)曇りのち雨
ダムサイトまではタクシーでの移動で予約のタクシーが朝5時半と聞き、昨晩に携帯目覚ましをセット・・・を間違えam4:00にアラームを鳴らしてしまい、同行の二人に冷ややかな眼差しと愚痴を早朝から受けてしまう。タクシーに乗車し、最近の天候等を運転手さんに聞きつつ、渡し舟を頼んである民宿に到着。約束の時間より若干早く付いたものの、玄関先から増田さんがいくら声をかけても誰出てきてくれず・・・しばし・・・そのうち宿泊をされていたお客さんとともにエプロン姿の宿の奥さんが出てきてくれた。旦那さんはもうダムへボートを運びに行っているとかで、奥さんが車でダムサイトまで送ってくださる・・・走りなれた道、道幅・車線を・・・インからインへと峠族のごとくのドライビング・・・ふぅぅ~。ほどなくしてダムサイトに到着。想像していた渡し舟と違い、小型のクルーザータイプ! 救命胴衣はなしでそのまま乗船!! 早朝のダムクルージングを楽しむ。天候は曇り空でダムの水量はここ二三日の雨で7割の水量との事、15分ほどのクルージングを楽しみ幽ノ沢出合部へ到着、沢支度を整えam7:30一日目の山行開始となる。
幽ノ沢下流部は、ネット等には釣行の記録等がある他はなかなか見当たらず、へつりが多く程好く時間のかかる沢と紹介されており、それなりの覚悟をしつつ歩き始めた。下流部は沢筋も広く空も開けており、竿を振るには丁度よく、中ゴロタ床が続き大きな滝もなく、ゴロゴロの段差等が所々あるくらいで何ら問題もなく進める。小休憩を取りつつam8:40最初の二俣部(ゴミ沢)に到着。ゴミ沢との二俣部は地形図ではもっと開けている印象があるのだが、まったくもってこじんまりとした印象、しばし休憩を取り進行方向右へと進む。ここの二俣はネットによると右俣入口部は岩がありオーバーハングしており難関とのことだが・・・? 何もない。 崩れたのだろうか? まぁ、先ほどの沢筋よりは狭まり、入口部は8m程のゴルジュ群。左に蛇行しゴロゴロ段々右に蛇行ゴロゴロと高低差はあまり感じられないものの、小滝とへつりが連続する小ゴルジュ群とゴロタ床が続き、道中カエルが二匹ほど関嬢の歩みにより圧死・合掌。am9:39二つ目の二俣(長倉沢出合)に到着した。
ここまで、何ら難関もなく順調に来られ、少しばかし気の緩み(油断? こんなもんかぁ?)と思い始めていたが、長倉沢出合上部の本流へ踏み入ると「なめたら、いんぜよ!!」と思い知らされるのであった。流れは所々狭まり、小さなナメ滝が連なったゴルジュ群が現れ始める、沢筋も右へ左へと細かく蛇行を繰り返し、直登と巻きを繰り返す連滝郡と続き高度を徐々に上げ、目の前に完全に直登は無理な滝が現れ始めココより大巻き大会の始まりである。右岸側に取り付き枝から枝へと手を伸ばし「もう一段上!・もう一段上!!」と枝越しに沢筋・滝を確認しつつ一度沢へと降り立ったのが間違いで、2.5m屈折ナメ直滝の突破をチャレンジする羽目となるが、如何せん沢レベル未熟な私なので左岸側から取り付き後一歩のところで断念、L増田さん試みるも直登は無理と判断し、一度降りてしまった右岸側を登り返した。上り返しの途中で左腕が、小指から二の腕にかけてつってしまい傾斜のある泥壁途中でのストレッチを繰り返しなんとか登り、上長倉沢へのルートである流れ込みの枝沢流れ込み部へと降り立った。直登チャレンジが思いのほか時間を取ってしまいpm12:50遅めの昼食休憩となる。
本流での格闘で程好くパワーを使い果たし少し長めの休憩後気合を入れなおしつつ、「枝沢やし何もなかろう」と思ったのもまたまた束の間で、ガレ沢+滝+巻きの枝沢山行であった。
出合部から30分ほど進み目の前には3.5mの直滝、滝脇左岸側のこれまた直草泥岩壁に足場をタワシで磨きつつ苔を落とし空荷で登り、確保&荷上げで突破となる。後、5m白滝・巻き→ガレ&ゴロ床→小滝→ガレ・・・と続く。途中イタドリ畑がありテン場にどうだろうかとのL増田さんの提案があったのだが、pm3:00と微妙な時間帯であったのと、もう少しで稜線を越えられそうであろう距離であったので、そのまま先に進み本日最後の直滝4mを直登・荷揚げ+確保で突破し、少々藪をこぎ稜線へとpm4:57詰め上がった。標高が低いせいもあり藪藪の稜線で、そそくさと下降開始である。上長倉沢上流部は藪藪のガレガレ、前日の雨等の影響で乾いている部分はなく、テン場に適していると思われる場所もグチョグチョで、その下流になんとか3名が横になれるスペースを見つけ整地し、タープを張り終わった頃雨となった。Pm6:03高度1350付近。 残念なことに焚き火は出来ずタープ下での宴会となる。
(一日目夕食メニュー);海草サラダ・ジンギスカン・白米・麻婆春雨・その他(珍味等)
8月9日(日)曇りのち雨
前日の初日12時間行動の疲れと少々傾斜地のテン場の疲れを感じつつ、昨夜の残りもので朝食を済ませam6:30二日目スタートである。
上長倉沢下降には概ね3時間等で下降出来るであろうとの考えであったのだが、結果的に5時間となんとも長い下降となった。歩き始めは何ら問題のない程度の小滝が続き、ガレ床・ゴロタ床・釜付き小滝連滝・ナメ床滝とバラエティー豊かで飽きることなく、記録を取るのが煩わしいほど。茶苔で滑りやすかった。沢筋は広がったり狭まったり小ゴルジュ群と順々に変わっていく。しかし、8m級滝を右岸から懸垂したのちに、5m~10m級の連滝帯となり懸垂しようにも支点が取りづらくなんともいやらし連滝帯に出くわす。その殆どは右岸側をへつりつつ巻き、「一つ巻いておまけにもう一つ・またまたもう一つ・これまたもう一つ」との具合で下降の大巻き大会が始まる。巻き途中では沢に降り立つ時に、あと2~3mのところから足を滑らせそのまま落ち、下が平らであった為怪我はなく、着地成功10点!!とばかりに満面の笑みで降り立ち、L増田さんのあきれた視線が・・・
二回目の懸垂下降の後、本日最初の休憩(am9:41)を取る。その後も釜付き小滝連滝・ナメ床滝・滑り台とまだまだ続き、最後の3m級のナメ滝滑り台を越えてようやく沢も落ち着きはじめる。この頃から足元に小さな影を感じ始める。ゴーロ歩きが続き、左岸側の巨木(ミズナラ?大人が三人でも手が回らないくらいの幹)に見とれつつ、ようやく下長倉沢出合部に到着am11:40。そのまま小穂口沢出会部いに進みam11:45到着。下降の疲れを行水で癒す。(記:こみなみ)
小穂口沢本流は、上長倉沢出合からブナ沢出合まで特筆すべきことはなし。私は2度歩いているが今回は水量が多かった。ブナ沢出合には1時間足らずで到着。
ブナ沢に入ると、小滝というか、大石のゴーロというか、そんな感じが続く。ちょっとしたナメもあった。大きい滝はないのかなと思っていると2段15mが出てくる。これは右から巻き、もうひとつ上の3mも一緒に巻く。この後も小滝が続く。落口に大石がはまっている滝はこなんちゃんは頭から水をかぶりながら登ってしまった。後続は荷上げしてお助けをFIXしてもらって登る。今日はもう濡れないかと思っていたのにまたずぶ濡れになってしまった。その上の二俣は左に入る。沢が左に曲がるところで左岸を何とか整地して幕場とする。今日は何とか焚火が出来そうだ。ところがメインの麻婆春雨に取りかかろうとするとざーっと雨が降ってきてしまった。タープの下に逃げる。遠くで雷が鳴っているのが聞こえる。手を延ばせば水がすくえるような幕場なので増水したら嫌だな、と心配しながら寝たら濁流に飲まれる夢を見てしまった。
8月10日(月)雨
夜中も降っていたようだが増水もなく無事に朝を迎えられた。しかし朝も一時激しく降ったりしている。ブナ沢から小穂口尾根~本谷山へエスケープすることとする。幕場から1時間で稜線に出る。藪はどうにもならない程ではないが決して薄くない。ガスっていて先がよく見えないから目の前に小ピークが見えてくるたびに「あの先は藪が薄くなって楽になるか?」「あれを登ったら本谷山まですぐか?」など期待していると藪は薄くならず、本谷山はまだまだ遠く、なんだか精神的に疲れてきた。5時間の藪漕ぎで本谷山に到着。中尾ツルネは「もう下りたくない」登山道の一つだったのだがまた下ることになってしまった。途中眺望が良いところもあるのだが、下っても下っても延々続く急下降には閉口してしまう。いい加減に嫌になってきた頃、林道に出た。やっと着いた、思っていると今度はアブの襲撃に遭う。アブがたかってくるので疲れているにも関わらず早足で十字峡小屋まで急いだ。(記:関)

<コースタイム>
1日目;ダム湖・幽ノ沢出合部(7:30)~ゴミ沢・二俣部(8:40~8:50)~アイノ沢・長倉沢・二俣部(9:40~10:00)~アイノ沢・支流出合部(12:50~13:15)~三股部・休憩(14:50~15:04)~稜線部詰め上がり(16:57)~泊場(18:03)
2日目;泊場(6:30)~支流出合部(6:50)~休憩(9:40~10:00)~下長倉沢出合部(11:40)~小穂口沢出合部(11:45)~ブナ沢出合(13:35)~泊場(15:35)
3日目;泊場(6:35)~稜線(7:35)~(休憩12:00~12:15)~本谷山(12:45~12:50)~三十倉(三角点)(14:35~15:00)~内膳落合(16:25~16:35)~十字峡小屋(17:35)

<1/25,000地形図> 
奥利根湖、尾瀬ヶ原、平ヶ岳

【撤退決断の経緯】
二日目の夜から降り始めた雨は夜間も断続的に降り続き、朝になっても降っていた。目の前の沢は、若干水嵩が増えているものの濁りはない。昨夜と早朝の天気予報から得られた情報は下記のとおり。
・ 台風9号が日本の南海上を北上中。今後は東寄りに進路を変えて、東海から関東甲信地方に近づく見込み。(ラジオであるため、正確な位置はよくわからなかった)
・ すでに中国・近畿地方では大雨による被害が出ている。(兵庫県作用町のことを言っていた)
・ 今後は、東海地方、甲信地方、関東南部でも大雨に対する警戒が必要。
これらの情報と、昨夜から降り続いている雨とから判断して、この雨は少なくとも今日(8/10)いっぱいは降り続け、降り方によっては増水の可能性もあると考えた。とりあえず考えられる選択肢は3つ。
(1) このままここ(二日目のテン場;ブナ沢上流部1100m地点)で停滞し様子を見る。
(2) 今日中に何とか十分沢を越後沢出合まで下り、そこでようすを見る。
(3) 小穂口尾根から本谷山~十字峡ルートでエスケープする。
(1)は増水に耐えられるテン場ではないのでNG。(2)は十分沢が増水する可能性と、それにより途中で遡行困難になった場合、十分沢の中にテン場があるかどうかが不明。また、越後沢出合まで行けたとして、台風による停滞があと一日続いた場合(8/11も停滞した場合)、12日中の下山は無理になる。一応3人とも13日は予備日として持ってはいたが、12日中に下界と連絡が取れなければ、家族や関係者に心配を掛けることになる。(3)は長時間の藪こぎを強いられ、尾根筋であるため雷雨となった場合には危険。
(2)か(3)を迷った末、台風による波状攻撃のような雲の場合、上空に寒気が入り込むことによる雷雨の可能性は少ないと考えて(これが正しいかどうかはわからないが)、(3)のエスケープを決断した。
距離にして2km足らずの藪こぎであるため、かつて経験した袖朝日から西朝日までの藪こぎよりは短く、十分沢尾根との合流点から上は藪が薄く、かすかな踏み跡ありとの事前情報から、3時間程度で行けるかなと考えていたが、標高差にして400m超の登りの藪こぎであり、踏み跡といっても藪こぎの助けになるようなものではなかったため、5時間もかかってしまった。(でも炎天下でなくて良かった)
当日は何とか降りてこられたことで、心地よい疲労感とともに一種の達成感を感じていたのだが、翌日になってみるとやはり残してきた十分沢~剣ヶ倉沢のことが心残りでならない。リベンジするしかないな。(記:増田)

<感想>
天候の影響で予定日程を短縮せざる終えなくなったことは残念ではあるのだが、奥利根のエリアはお初ものであったのと、自分なりに課題と思っていたことが出来、短いながら楽しく有意義な山行となった。また、新たな課題として確保・ザイル出し等の確実でテキパキと段取よく確実に行なえるようにすることが課題かと、山行中はトップで行かせて頂きルート確認やらルート説明の実地も経験でき難しさの中に楽しさを覚えた合宿となりました。(こみなみ)

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