奥利根:楢俣川~ススヶ沢~奥ススヶ沢下降~本流下降

2011/09/23 奥利根:楢俣川~ススヶ沢~奥ススヶ沢下降~楢俣川下降

2011年9月23日~25日
L関、佐藤(琢)

 楢俣本流も行っていない私だが、せっかくの3連休なので、ススヶ沢からススヶ峰湿原を目指してみることにした。下降は奥ススヶ沢を計画していたが、思い込みで水長沢文神沢中ノ沢を下降してしまい、登り返し、途中ビバーク。危うく下山遅延となるところだった。しかし、そのおかげで燧ヶ岳から昇る朝日を拝むことができた。

9/23(金・祝) 曇り一時雨
 前日は湯檜曽駅にてステビバ。新しい駅舎になってからは初めてだった。ホームの待合なら快適に過ごせる。我々とタッチの差で1パーティやってきた。そちらは階段踊場で泊まっていたが、明らかにこちらのほうが快適。だったら土合のほうが良かっただろうに…。
 翌朝、そのパーティが寝ている横を通り(沢屋より遅い?!)出発。楢俣ダムのゲートから歩き始める。豪雨の影響か直前の台風の影響か、林道は荒れに荒れまくっていた。ごっそり崩壊している箇所の通過はあまり気持ちのいいものではない。釣り師の踏跡をたどって通過。狩小屋沢の下降点から楢俣本流に下りる。が、いきなり前方に釣り師が見える。無用のトラブルを避けるべく矢種沢までは鉱山道跡をたどった。
 やっと沢歩きが始まる。水量はちょっと多いようだが、楢俣川は相変わらず美しい渓相で迎えてくれる。日崎沢くらいまではとても楽しく遡行する。日崎沢を過ぎてから裏日崎沢までが長く感じた。もう歩くの飽きちゃったな、と思い始める頃、やっとススヶ沢着。幕場は…思ったより良くなかった。しかも古いテントが張りっぱなしでちょっと怖い。しかしどかさなければ我々が泊まれないのでポール抜いて端っこへ。明日はベースに戻るのが遅くなるかもしれないので2日分の薪を集めよう、と張り切ってたくさん集めた(が、結局翌日はベースには戻れず、薪は次回使う人へ…)。乾いている薪が多く楽しい焚火が出来た。

9/24(土)曇りのち晴れ
 早立ちしようと思っていたのに1時間寝坊。ススヶ沢は入ってすぐは大岩ゴーロだが、すぐに渓相が良くなる。3~5mの登れるゆるい滝、ナメ滝が多く楽しい。地形図の滝マークは小泉本で「2段19m」の滝だ。なぜ「20m」ではなく「19m」なのか?この滝は右岸の岩場を登って行ける。ブッシュ帯を巻くことも可能。最後は高度もあるのでブッシュに逃げて落口へ。その後も登れる楽しい滝は続く。樋状のところは突っ張りで越えたりと、変化もあって面白い。樋状を抜けると15m滝が待っていた。これは直登不可と判断(小泉本には直登できる、とあるが…)。この後は小滝程度が続く。ミニゴルジュもあったりと飽きることは無い。周りがだいぶ藪っぽくなってきた頃に出てくる3m滝は低いのに登れない。小さく巻く。すると前方に開けた所がある。上がってみると急斜面の小さな湿原だった。この右側の小さな水流を詰めて行く。とうとう沢型も終わり1時間程藪を漕いで尾根に出る。
 ここからススヶ峰湿原を目指す。藪の薄いところを狙って行くがなかなか思うように進まない。あまり遅くなるようなら湿原を諦めるか。あーでもここまで来たしなー、と考えながら進むと小さな湿原に出た。もうちょっとだろう、と次の藪に突っ込む。しばらく行くと…開けてきて…出たっ!出ました~ススヶ峰湿原。あー良かった。ゆっくりしている時間は余りないが、しばし景色を楽しみながら休憩する。そして奥ススヶ沢に向けて出発。少し尾根を戻ったところから斜めに降りたほうが確実だったが、時間が押してるし、始めから斜めに降ろう、と判断したのが間違いだった。尾根の反対側出てみるとまた小さな湿原。これ沿いに降ってから左に(西に)入ったがもうすでにゆるい尾根の北側だったらしい。その後磁石をふったところがまた場所が悪く、思い込みもあり、「やってしまったか!」思ったのはだいぶ下ってからだった。Co1470の二俣で確認と今後の行動を考える。尾根でビバークは寒そうだし、水場もないので、源頭部でビバークし明朝もう一度ススヶ峰湿原から出直すこととした。Co1790付近で左岸側のちょっと平らそうな笹薮を切り開いてスペースを作りツェルトを張る。ツェルト持ってきて良かった。琢磨くんがのこぎり持ってて良かった。乾いたものに着替えて食べるもの食べたら、お酒もないし、することは無いので寝る。20:00くらいから寝始めて0:00頃までは寝られたが、その後は寒くて、ウトウトしては起きて、の繰り返し。寝てても寒いので3時半前に起きだした。
 
9/25(日)晴れ
 薄暗い中、4:55発。空は明るくなり始めているが、沢の中は暗い。ヘッデンをつけて行動する。沢型が終わり藪に入る頃にはヘッデンもいらなくなる。しばし藪を漕いで登っていくと前方が開けている感じ。もしや昨日見た反対側の湿原か。と、そのとおりであった。湿原から尾根の反対側に行くと、ススヶ峰湿原。あは、戻ってきたよ。今度は間違えないようにするぞ。すると、正面の燧ヶ岳のてっぺんから太陽が昇ってきた!まるで「ダイヤモンド富士」のようだ。このススヶ峰湿原に、この時間にいて、朝日を拝んだことのある人って我々だけじゃない?!なんて優越感に浸ったりして。下降ミスしてビバークしたための「おまけ」の景色を楽しんだ。
 さて、今度は間違えるわけにいかないので、予定通り少し尾根を下ってから西を向いて下降する。もうちょっと左に、もうちょっと下にと修正しながら行くと沢型に出た。今度は大丈夫、しっかり西を向いている。奥ススヶ沢の滝は、一つ10m滝を懸垂するくらいで、クライムダウンか小さく巻き下ることが出来る。特に遡行図を書く感じではない。時間も気になるし、休まずぐんぐん下って行く。沢型が出てから2時間強で本流に出た。
 ここからは問題になるところは無い、と五十嵐さんに聞いているので一安心。上からみておや?と思う滝もクライムダウンできるし、ゴルジュも通過できる。…1箇所へつりに失敗してドボンしてしまったが…。ススヶ沢のベースに着いて、片付けものして、楢俣本流を戻る。矢種沢からはまた鉱山道跡を使った。林道への登り口で休憩して15:55発。ゲートにはとりあえず最終下山連絡時間の20:00は確実に着ける。あー良かった。沈む太陽を見ながら林道を歩いて、ゲートに着く前にヘッデンのお世話になった。ゲート着19:00。今日の行動時間14時間。疲れた…。
 下降ミスによりビバーク、長い行動時間。メンバーに疲れることをさせてしまった。琢磨くん、すみませんでした…。(記:関)

<コースタイム>
9/23 ゲート(7:50)~楢俣川本流(10:25~10:50)~矢種沢(11:15)~深沢(11:50)~日崎沢(12:20)~ススヶ沢(14:50)
9/24 ススヶ沢出合(6:50)~Co1470二俣(9:00)~Co1580二俣(9:45)~稜線(11:30)~ススヶ峰湿原(12:50~13:15)~水長沢文神沢中ノ沢右俣Co1470二俣(15:45)~Co1790付近BP(17:45)
9/25 BP(4:55)~ススヶ峰湿原(5:35~5:45)~奥ススヶ沢の沢型(6:35)~楢俣川本流(8:25~8:50)~ススヶ沢出合ベース(10:35~11:20)~日崎沢(13:40~14:00)~矢種沢(15:10)~狩小屋沢下降点への登り口(15:40~15:55)~ゲート(19:00)

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