尾瀬:鳩待峠〜山の鼻〜猫又川右岸〜ススヶ峰湿原手前(BC)〜赤倉岳・平ヶ岳〜至仏山〜鳩待峠

2013/05/03-05 奥利根:ススヶ峰〜赤倉岳〜平ヶ岳〜至仏山

日程:2013年5月3日〜5日
ルート:尾瀬・鳩待峠〜山の鼻〜猫又川右岸〜ススヶ峰湿原手前(BC)〜赤倉岳・平ヶ岳〜至仏山〜鳩待峠
参加者:L大塚、五十嵐、佐藤(琢)、増田

5月3日

寒気が残り鳩待峠は小雪が降る天気。至仏山から稜線伝いでススヶ峰まで行くのはキ

ツイと判断し、猫又川右岸からススヶ峰を目指すことにする。

スキーをやらない私はGWの猫又川など発想にも浮かばなかったが、四度目の猫又川

という増田さんが案内人になってくれて安心だった。

テレマークの増田さんにワカンの3人が続く。山の鼻から猫又川右岸を進み、柳平、

二俣を過ぎ左俣の右岸を行く。地形図の二本目の水線を越えた所から南東に落ちる緩

い尾根をに取り付く。始めはやや急だが少し登るとブナ林のきれいな穏やかな尾根と

なりススヶ峰湿原手前の稜線に出る。しばらく進み標高約1900m地点、赤倉岳との

ジャンクション付近の針葉樹林帯にBCを設置する。

午後になって天候が回復してきたので五十嵐さんにテントキーパーをお願いして赤倉

岳を往復する。針葉樹林の広い尾根を方向を見定めて適当に降りると1761mの顕著な

鞍部が見えてきたので鞍部を目指す。鞍部で小休止の後、赤倉岳に向けて登り返す。

東峰までは特に問題となる箇所はなく、ワカン組とテレマークの増田さんがそれぞれ

のペースで登る。東峰に着く頃には完全に天候も回復し風も殆どなくなる。しかし東

峰から先、三角点のある1959m本峰までは吊り尾根状となっており部分的に両側が切

れ落ちた微妙なナイフリッジになっている。

無雪期の赤倉岳はただの藪山にしか見えないのでこのナイフリッジは想定外だった。

スキーの増田さんはここまでで良しとするそうだ。しかし私としては初めて奥利根に

入った2004年からずっと心に秘めてきた赤倉岳。1959m本峰に登るチャンスは沢でも

雪山でもなかなかないので是が非でも行きたい・・・

ストックをピッケルに持ち替え20mの補助ロープを用意し取り合えず様子を見に行

く。しかしやはり微妙なナイフリッジを安全に越える自信がないので直ぐに止めた。

ここから先は雪稜の領域。ピッケルのみのアイゼンなしでロープは20m、スリングで

作った簡易ハーネスで行くべきではない。

赤倉岳「今のお前じゃ無理だ、出直して来い!」

私「はい、わかりました!」

雪を纏った赤倉岳は地味ながらも気品があり魅惑的だった。本峰のピークを踏めな

かったのは残念だったが山ときちんと対話が出来たような気がしたので未練はなかっ

た。またいつかチャンスはあるだろう。

5月4日

この日はBCから平ヶ岳を往復する日。目指す平ヶ岳の山頂付近は雲に隠れているが

天候は安定しているようだ。ススヶ峰、景鶴山とのJP、白沢山とアップダウンが多

いが、展望が良く荷物も軽いので苦にならない。白沢山からは山頂付近の雲がとれた

平ヶ岳が目前に見えるようになりハイテンションモードでギアが上がる。広い尾根で

危険箇所はない。天気は良好。無心に一歩ずつ、山頂を目指すことだけが全て。上が

る息と心臓の鼓動が気持ち良い。そして待望の山頂。最高の瞬間だ。

さすがに風が強いが展望は抜群。奥利根、越後、会津・・・今まで登った山、これか

ら登りたい山、メンバーそれぞれがそれぞれ想いを馳せて展望を楽しんだ後、BCに

戻った。

5月5日

気温も上がり安定した天候。ワカン組は至仏山を目指し、増田さんは日崎山から猫又

川に滑り込み、鳩待峠で合流することにする。日崎山は2008年7月に日崎沢を遡行し

た際に1時間ヤブを漕いで登って以来で5年ぶり。地味で目立たない山頂だが、残雪

期に再登出来たことは感慨深かった。小さなアップダウンを繰り返しながら至仏山を

目指す。北面から見る至仏山は立派でなかなか存在感がある。最低鞍部の1630m付近

から山頂までの標高差は約600m。いよいよ山頂直下の急登だ。雪は程よく締まって

いるがハイマツの下はスカスカで時々踏み抜いてもがく部分もある。ハイマツ帯を抜

ければ砂礫の岩稜帯となり、残雪と岩の間を上手く繋いで登り待望の山頂に到着。

さすがに尾瀬に百名山。人が多い。一般登山者とスキーヤーとボーダーがゴチャゴ

チャに入り混じった山頂だが、今山行の終着点。展望を存分に楽しんでから鳩待峠へ

と下山した。

天候に恵まれ快心の山行でした。参加者の皆様、有り難うございました。

(記:大塚)

<コースタイム>

5/3 鳩待峠(7:05)山の鼻(8:05)猫又川から尾根取付(10:15)稜線(11:40)テンバBC設

営(12:40-13:50)赤倉岳東峰(14:55-15:10)BC(16:15)

5/4 BC(6:00)平ヶ岳(10:00-10:30)BC(14:40)

5/5 BC(6:40)岳ヶ倉山(7:45)至仏山(12:15-12:55)鳩待峠(14:15)

【スキー班報告】

ワカンの3人に一人だけスキーで混ぜてもらうことになった。

3日はまだ寒気が残り、予想通り鳩待峠は小雪が舞う空模様。この天気では至仏山の

稜線はかなり吹かれているだろうし、展望も望めないということで、川上川〜尾瀬ヶ

原経由で行くこととなった。このルートを行くのは4回目となる。

猫又川の二俣を左に進み、奥の突き当りの稜線に取り付く。300m余り登ると、かつ

て守屋さんたちと偶然に接近遭遇した、見覚えのある平らな所へ出た。そこからさら

に一登りしてススヶ峰湿原下の樹林帯にテントを張る。

次第に天候が回復してきたので、体調不良の五十嵐さんをテントに残して3人で赤倉

岳へ向かう。針葉樹林の中をシールを付けたまま滑る。鞍部に着くころには完全に晴

れて、赤倉岳が眼前に聳え立つ様に見えた。樹林のない白い斜面を一登りで赤倉岳の

前衛峰に着く。吊り尾根状となった先が三角点のある赤倉岳(1959m)だが、ナイフ

リッジとなっていて、スキーの私はここで諦めた。大塚さんもしばらく迷っていた

が、止めて引き返すことになった。帰りはシールを外し、鞍部までの急斜面を滑る。

登り時点ではいい感じだったのだが、少し日が傾いて表層が固くなったようだ。表層

数cmが板状に剥がれる雪質で、スキーコントロールが難しかった。

4日はいよいよ今山行のメインである平ヶ岳。天気は上々。6時前に出発し、まずは

ススヶ峰まで一登り。振り返ると至仏山が、そして前方にはこれから向かう平ヶ岳が

朝日に輝いていた。鞍部からジャンクションピークまでの稜線はギャップの連続であ

るため、スキーの私は南東側の緩やかな斜面を行くことにした。JPから平ヶ岳まで

は、右にクロウ沢、シロウ沢、左に水長沢の源頭を眺めながらアップダウンを繰り返

す。途中何ヶ所かで雪庇崩れの割れ目がばっくりと口を開けている。白沢山を越える

と平ヶ岳が圧倒的な迫力で迫ってくる。真っ白で広大な斜面をただひたすら登り、そ

してついに平ヶ岳の山頂へ。長年思い続けてやっと実現した。雄叫びを上げそうにな

る衝動を55歳の分別が抑えた。朝のうち山頂付近にかかっていたガスはすっかり取

れ、360度の大展望だ。北に目をやると剣ヶ倉山へ続くたおやかな稜線があり、その

先には利根川本流左岸の稜線、そして奥には越後三山。右には荒沢岳。左に目を移す

と丹後山〜越後沢山〜本谷山〜下津川山〜小沢岳という利根川本流右岸の稜線。その

奥に見える大きな山は巻機山か。東側には丸山岳〜会津駒ヶ岳の南会津の山々。南に

は日光白根から皇海山。強風の中、「あれは○○山、こっちは○○岳」などと30分近

くも眺めに見入ってしまった。

平ヶ岳からの下りは上部はガリガリなのでシールのまま滑り、途中でシールを外し

た。雪面が適度に柔らかくなり快適。一旦はワカン組を追い越したが、鞍部でシール

を付けていると追いつかれてしまった。大塚さんの想定通り、行き帰り4時間ずつ、

合計8時間行動であった。

5日もどピーカン。一昨日行けなかった至仏山経由のルートで鳩待峠に戻ることに

なった。まず鞍部まで下り、そこから細かいアップダウンを繰り返すのだが、二日間

の疲れが溜まったのか一向にペースが上がらない。しかも朝一番の雪面は固く、シー

ル登行にえらく難儀してしまう。この状態では至仏山の急斜面で時間的に相当皆の足

を引っ張ると判断し、大塚さんに申し出て単独で尾瀬ヶ原に下らせてもらうことにし

た。日崎山(1816m)の南の鞍部から緩やかな山欅の尾根を下り、様子を見て沢に降

りる。沢は2か所で流れが出ていたが、右岸の斜面に逃げて快適に滑る降りることが

できた。そのあとは再び長くて暑い尾瀬ヶ原を縦断し、山ノ鼻経由で鳩待峠に戻っ

た。山ノ鼻〜鳩待峠間は人通りが多く、老若男女、ハイカーやらジーパン&スニー

カーの若者やら、旅行ついでといういでたちの老人グループやら入り乱れている。

「おいおいその格好で尾瀬に入るの?一応ここは雪山だと思うんですがね。」と心の

中でつぶやく。

鳩待峠で至仏山から降りてくるワカン組をビールを飲みながら待つ。のどの渇きと疲

れと達成感とで500ml缶を3本も開けてしまい、琢摩君に「酒臭い」と言われてしまっ

た。疲れた体で運転していただいた皆様、どうもすみませんでした。尾瀬〜平ヶ岳と

いう積年の想いが成就し、また赤倉岳というおまけまでついて、自分としては大満足

の山行になりました。大塚さんはじめメンバーの皆さんに心から感謝します。

(記:増田)

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