奥利根:利根川本谷

2013/09/20-23 奥利根;利根川本谷

日程:2013920日〜23

ルート:奥利根・利根川本谷

参加者:L増田、五十嵐、稲葉、関

 

長年行きたくても実現しなかったこのルート。本谷を登らずしては奥利根の谷にいくら通おうと、一本背骨が通っていないような心地悪さをずっと感じていた。3連休が2週続く今年こそはと計画し、案の定、1週目はは台風で中止。満を持して臨んだ2週目で、4日間の好天とメンバーに恵まれ、素晴らしい山行ができた。

 

920日 晴れ

前夜はJR上牧駅で仮眠。中秋の名月ということで、稲葉さんが奥さん手作りの月見団子を振舞ってくれた。翌朝515に呼んでいたタクシーで民宿「やぐら」へ向かう。手違いで旦那は一足先にダム湖へ出発したというので、奥さんの運転する車に乗せてもらい後を追う。無事に落ち合って、早朝の奥利根湖をボートで渡してもらう。水位は回復したが、先週の台風で大量の流木が浮遊しており、割沢出合上までとなる。ボートを降りて身支度を整え、ひと山越えて赤倉沢出合。しばらく藪を漕いで小尾根の上に立つと、眼下に小穂口沢出合の河原が広がっている。踏み跡を辿って河原に降りると、3人の先行者が出発するところ。挨拶を交わすと先方は「岩遊」の方々で、我々と同じく23日で本谷とのこと。後で気づいたが、リーダー格の方は豊野さんであった。

出発してしばらくはゆったりとした河原歩き。やがて水長沢出合。そして雨量観測所。地形図と異なり、ずいぶん川に近いところにある。シッケイガマワシの滔々とした流れを徒渉を繰り返す。雲一つない快晴に木々の緑と岩盤が映える。又右衛門淵は水流を腰まで浸かって突破。一旦は先行パーティーの後姿を見るも、すぐに見えなくなり、この先追いつくことはなかった。六ノ沢、井戸沢を分けると巻淵。ここは五十嵐さんが空身で右から回り込むようにヘツリ、荷揚げをして、後続は確保してもらって超える。

やがて越後沢出合。越後沢は、奥にあんな大滝を擁するとは想像できないほど穏やかに出合っている。噂に聞く出合上のテン場を見学し、そのまま巻き道を行こうとするが、非常に不明瞭なので、すぐに流れに戻る。そして剣ヶ倉沢出合。ヒトマタギではお決まりのポーズで記念撮影。ここからが剣ヶ倉土合。両岸切り立ったゴルジュの中を壁伝いや水中突破で遡行する。行けども行けども次から次へと淵が現れ、徒渉・ヘツリ・水中突破の繰り返しで、水量が多く疲れる。時間がどんどん過ぎて、距離感が狂ってしまい、牧ヶ倉沢をどこかで見過ごしてしまって、実はもうすぐ滝ヶ倉出合では?と思い始めた頃、無情にも牧ヶ倉沢出合。先行パーティーは滝ヶ倉沢出合に張っているはずなので、時間も時間だし、黒滝沢出合の上によい河原を見つけて今宵の宿とした。薪は一見少なかったが、掻き集めれば十分な量となった。五十嵐さんの料理と焚火と酒と月明かりで快適な夜となった。

921日 晴れ

今朝になって昨日より10�ほど水が減っている。昨日はまだ台風の余波で水量が多かったようだ。出発してほどなく滝ヶ倉沢出合。定番のテン場はどこにあるのだろう。一段上がった上か。ここからオイックイまでの間は沢が広がり、初日同様の渡渉と水流突破。やがて前方に不穏な靄を見たと思ったら、下北沢の手前で今回初の雪渓出現。短いものが二つ架かっており、下を潜る。

下北沢を過ぎてオイックイに入ると、両岸がぐっと圧縮されてくる。川底は平らで滝や雪渓などの悪場はないが、腰までつかるところが多く、日が当たらないので寒い。裏越後沢出合は開けて日当たりがいいので、濡れた体を乾かして休憩。

ここから先は釜や滝が出てきて、下流部とは異なった表情となる。定吉沢出合上の釜は右のフェースを登り、残置を使って3mも懸垂下降。26mの魚止め滝は左のフェースを登るが、降りてもその先の流れを越えられそうになく、そのまま左のブッシュに入って高巻く。丹後沢出合手前の26m滝は、左壁をホールドにして水流を超える。次の6m滝は左を登る。

丹後沢出合には思ったほどの雪渓はなく、頂部が薄くなった雪渓をくぐり、その奥のズタズタに崩れ落ちたブロックを乗り越えて通過。

やがて写真では何度も見ている大利根滝。ここは五十嵐登攀隊長にトップをお願いし、後続はフリクションノットと確保で通過する。登攀終了時点で16時を過ぎており、本日予定の佐市平までは時間的に厳しそう。さらにハト平辺りまで来ると上流からわずかな焚火の香りがすると関さん。時間も遅いので、ハト平に泊まることとする。イタドリを刈り取ってテン場と焚火場を作ると、それなりに快適なものができた。薪も十分集まって、この日も快適な夜となった。

922日 晴れ

今日は下山予定日。深沢出合上の淵は右から巻いて懸垂下降。その後も次々現れる小滝や釜を快適に超えていく。五十嵐さんが先頭でどんどんルートを切り開いてくれる。クイーンのパワー全開だ。やがて人参滝。一見左のルンゼからかと思って巻き始めるが、上部が立っていて悪いので、戻って右のリッジから巻く。

深山滝はこれまた五十嵐隊長のリードで、後続は確保してもらって登る。赤沢滝も五十嵐さん先頭で、これは全員ノーザイルで登る。そして水上滝を超えると後は滝はない。だんだん流れが細くなり、やがて藪漕ぎもなく稜線に出た。この時点で1540.恭順の下山は無理なので、今夜は丹後山の避難小屋に泊まることにする。大水上山に登るという女性陣と別れ、私と稲葉さんは一足先に避難小屋に向かう。避難小屋には単独の先客が一人。どうやら「岩遊」の方々は予定通り下山したようだ。やがて遅れて女性陣が到着し、少し残っていた酒と乾物類やつまみで最後の夜の宴会となった。暗くなってから3人パーティが到着し、彼らは一泊二日小屋泊まりの割には大きなザックから、瓶ごとのワインやきりたんぽ鍋が出てきて、豪勢な宴会をやっていた。

923日 晴れ

避難小屋を出て登山道を下山。私はもう足ががくがくで、皆から大きく遅れて登山口に到着。そこから40分足らずで十字峡に到着。売店で打ち上げを目論んでいたのだが、なんと店をたたんでしまっていた。ちょうど居合わせた「サキさん」と思しきご婦人に尋ねたところ、2年前の福島新潟豪雨で水の流れが変わってしまい、沢から取っていた水が出なくなったので売店は廃業したとのこと。仮眠所とトイレはやっているとので、その管理をしているとのことでした。残念。

 

奥利根本谷は、下流部、中流部、上流部と日毎に表情が変わる、噂に違わない茗渓でした。4日間好天に恵まれ、思い出に残る良い山行ができました。特に、滝や微妙なヘツリのほとんどをリードしていただいた五十嵐さんには感謝です。

 

<コースタイム>

920日;割沢出合上(7:20)→小穂口沢出合(8:108:30)→越後沢出合(12:3013:00)→牧ヶ倉沢出合(15:3515:45)→黒滝沢上テン場(16:20)

921日;テン場(6:50)→裏越後沢出合(9:109:40)→丹後沢出合(14:15)→大利根滝(15:3516:20)→ハト平(17:00)

922日;ハト平(7:05)1430(9:4010:05)→深山滝(13:30)→稜線(15:40)→丹後山避難小屋(16:10)

923日;丹後山避難小屋(6:15)→登山口(9:109:15)→十字峡(9:50)

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