越後:水無川真沢

2013/09/28-29  越後・水無川真沢〜祓川

ルート:越後・水無川真沢

日程:2013928日〜29

メンバー:L吉原、佐藤

 

 真沢は北沢との出合に幣の滝という高さ150mの魅力的な滝で合わさり、非常に興味をそそられる沢である。もう数十年前に北沢を遡行した際に、かなり食指を動かされた記憶が今も鮮明に残っている。それ以来幾度も計画を組んだが多雪地帯ゆえまともな遡行ができる季節がどうしても9月下旬に限定される。そのためなかなかその機会を得る事が出来ず今回の山行を迎えた。

その想いが伝わったような絶好の青空の下、貴重なパートナーを得て朝焼けの森林公園から真沢のスタートとなる。昨年のお盆に訪れているデトノアイソメ、その時よりも残雪が多くスノーブリッジを潜ぐる。滝沢出合先からいよいよ核心部、やや開けたゴルジュの中の小滝を越えていく。御月沢出合付近の雪渓の残るゴルジュは、屈曲点より左岸の草付、懸垂、草付、懸垂で谷に戻る。関門の滝下のナメ滝は右岸の草付スラブの2Pトラバースと懸垂で越える。それにしても関門の滝は立派で迫力があるため見栄えが良い上、左壁から気持ちよく越えることが出来るのも嬉しい。続く10mクラスの滝は登れるものもあり、右岸より巻くものもあるが、じきに北沢と真沢の開けた滝見台の様な二俣に着く。正面には真沢の幣の滝、左手には北沢のナメ大滝と素晴らしいロケーションである。当然のごとく休憩で両方の滝を飽きるまで眺める。それにしても秋らしい快晴の空、「サイコ〜」の叫びが止まらない。

幣の滝は概ね傾斜が緩いためノーザイルで下3/4を登り、やや滑りやすい水流を登る上部でのみザイルを使用する。滝上はガレ気味の河原であるが貴重な幕場を提供してくれる。少し早いがこの先には更に難物の白龍の滝が待ち構えているのでガレを鳴らして今日の泊まり場とする。あつらえた様に薪も豊富で楽しい夜の予感、青空はやがて夕焼け空となり、満天の星空となる。眠くはあったが、しばし焚き火の周りでゴロゴロを楽しむ。

 翌朝のスタートは左屈曲点に掛かる25mナメ滝でウオームアップをすると、いきなり白龍の滝が登場!緊張感が一気に高まる。滝はやや戻ってから左岸より容易に巻くことが出来そうだが、あえて右壁の草付混じりの壁にロープを伸ばし2Pでこれを越える。なかなかの本気モードが必要でしびれる1本でした。滝上からはナメ滝が連続し祓川出合へと続く。今日も昨日以上の紺碧の空、背後の八海山もよく眺められ気分は最高潮!です。

祓川大滝は見た目の迫力とは正反対に意外と登りやすい滝で、念のため最上部でロープを1P使い程度ですが、高さがあるので油断か禁物。最後は小さな滝を二つ越すと源頭部の開けた草原の中のサラサラ小川に飛び出す。連続した滝場を越えた先にこのような楽園があることが憎らしいほど出来過ぎた演出です。源頭で横切る登山道で沢をはずれ、北は飯豊、南は富士山、西には北アルプスを望む事が出来る中の岳を経て、暑い日向尾根を十字峡へ下る。

真沢は期待通り、いや期待以上の良い沢でした。それも、これ以上ないというような絶好の沢日和と、安心のパートナーが得られて最高の二日間となりました。(記.吉原)

<コースタイム>

9/28 水無川森林公園(6:20)〜デトノアイソメ(7:50-8:00)〜二俣(14:00-20)〜幣の滝上(15:20)

9/29 幕場(7:00)〜白龍の滝上(9:10-30)〜祓川の大滝上(11:00-20)〜中の岳(12:10-13:20)〜十字峡(16:20) 

<地形図>

八海山

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