石鎚山系:面河川南沢

日程;2016年8月11日〜13日
ルート;石鎚山系・面河川南沢
参加者;L増田、小南

いつかは故郷愛媛県の名峰石鎚山を巡る沢に行きたいと思っていた。昨年帰省した際の機内雑誌に「仁淀ブルー」が紹介されていたのを読んで、石鎚山南面の面河川に思いを馳せるようになった(仁淀川が愛媛県に入って面河川と名前を変える)。南沢はその中でも人気が高いようだ。同じ愛媛県人のコナンちゃんが計画に乗ってくれて、お盆休みの帰省ついでの二人山行となった。

1日目;松山駅からJR四国バスに乗って久万町まで行き、そこで伊予鉄南予バスに乗換えて面河に向かう。はずだったがここでアクシデント発生。松山市内の渋滞により乗換え時間に間に合わず、久万町で次のバスまで約3時間の足止めを食らう。次のバスは面河の奥の土小屋まで行くので、途中の展望駐車場で降ろして貰って登山道を面河川に下る。下から登るのに比べると2時間位の短縮になり、少しはリカバリーできる。
堰堤上で準備して出発。白い岩盤の美しい渓相が続く。残念ながら水量が少なく、仁淀ブルーにはもう少し水深が欲しいところ。それでも透明度はなかなかのものだ。番匠谷の出合を越えてしばらく行った所にいい河原を見つけて、この日の行動を打切った。先々週はできなかった焚火を楽しみ、平らでフカフカなベットで快適な夜を過ごした。

2日目;朝は7時過ぎと遅めの出発。南沢は登山大系によれば所要時間3.5〜4時間と短めの沢なので、余裕ありと踏んでのことだったが、これが大誤算だった。七釜、犬吠谷出合、魚止ノ滝を越えると巨岩ゴーロとなり、南沢の出合まで1時間20分ほどを要する。南沢に入っても巨岩ゴーロは続くが、1270mの二俣を右に入ると今度は一転して連瀑帯となり、高度差300mほどの間に10〜15mほどの滝をいくつも連ねて高度を稼いでいく。いずれの滝もさほど困難なものはなく、高度感はあるが快適に直登またはすぐ脇を巻ける。しかし水量は殆どなく、炎天下の岩盤が暑い。体中の水分が搾り取られて行くようだ。1600m辺りからはガレっぽくなってルートが不明瞭となり、右へ行っては行き詰まって戻り、左に行っては行き詰まり戻るで、ようやく源頭部の笹原に突入。しかし、暑さでバテバテの体に残り150mの急な笹藪はきつく、数歩登っては休むを繰り返し、やっとの思いで稜線にたどり着いたのは15時だった。出合から6時間もかかった。明るい内に鉄砲石沢の源頭部を通過することは困難(=予定ルートで明日中に下山することが困難)と判断し、石鎚山山頂から登山道を西条方面に下ることにする。稜線の登山道はかつての修験道で、岩峰を縫うようなアップダウンを繰り返す。南尖峰辺りに一カ所やばいところがあり、ピンが打ってあったのでそれにシュリンゲを掛けて通過する。ガスの中、最高峰天狗岳を通過し、石鎚神社に着いた時には16時を回っていた。山荘の人にロープウェイの最終時間を尋ねたところ、18時とのこと。この時点ではまだロープウェイに間に合うかもと思っていたが、歩き始めてすぐの鎖場でその夢は打ち砕かれる。荒沢岳の鎖場も酷かったが、ここのはまた違った酷さだ。1本1本の鎖が鉄アレイくらいの太さで握りにくい。また高度差があって下が見えない。心の中で悪態をつきながら何とか下りきる。鎖場下の小屋が無くなっていることにショックを受け、ロープウェイに間に合わないことは確実になったので、石鎚神社成就社にある旅館に泊まれることに望みをつないで、ひたすら登山道を下った。常住屋白石旅館に飛び込んで一夜の宿をこうてみたところ快く引き受けてくれて一安心。しかも風呂もあると聞いて、二人で揃って歓声を上げる(旅館なので当たり前なのだが)。ここしか空いていないと通された部屋は20畳の大広間。風呂上がりにビールという幸せに包まれている二人には、山行がまたもや中退に終わったことに対する悔しさはなかった。布団で寝られる幸せ。翌朝は神社にお参りした後、多くの登山者と入れ違いにロープウェイ山頂駅まで下り、ロープウェイ〜バスと乗り継いで西条駅に出た。下山途中に目の前に見た瓶ヶ森はなかなか立派な山容。今度はあそこの沢を探ってみようか。荒沢岳(裏荒沢)に続いて短縮ルートの山行となってしまったが、仁淀ブルーをちょっとは感じられたし、初めての山域としてはまあよかったか。石鎚山系の主稜線は、石鎚山を西端としてほぼ東西に延びている。今回の面河川は南面であるが、北面の沢は急峻でゴルジュも多いようだ。これを機会に少し登ってみようかと思った。

<コースタイム>
1日目;展望駐車場(15:30)〜入渓(16:00)〜番匠谷上のテン場(16:35)
2日目;テン場(7:25)〜南沢出合(8:45〜9:00)〜稜線(15:00)〜石鎚山(16:10)〜成就(18:50)
3日目;成就(8:00)〜ロープウェイ山頂成就駅(8:25)

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