カテゴリー別アーカイブ: 11.エッセイ

源頭のラジオゾンデ

2004/08/12 奥利根:奥利根横断

5年前。奥利根の山と谷を1週間かけて横断した夏のこと。
3日目。奈良沢川小沢四番手沢の源頭あたりの雪渓で「ゴミ」を見つけた。発泡スチロールの弁当箱くらいの大きさのもの。なんだろうと、場所を考えると普通のゴミとは考えられなかったので雪渓の厚さを気にしながら拾いにいった。
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「秘密兵器」

 今回の夏合宿に、大鳥小屋でわらじの方々とお会いした時、その会話の中で“秘密兵器”という言葉がでてきた。そこでピンときたのだ。他の人はどのような“秘密兵器”を使っているのだろう?そして、その“秘密兵器”の知恵を共有することができたら、きっと沢ライフはもっと快適になるのではないだろうかと。
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思い出の渓

 5万分の1の地形図(※1)の「大鳥池」を開くと、その中央を南北に縦断するゴルジュ記号が目に付く。そう、皆さん良くご存知の八久和川だ。初めて遡行したのは、もう30年近く前の8月のことである。当時はまだ学生だったので、10泊で八久和川から出谷川の東俣を遡行する先輩の計画に乗ったものだった。 続きを読む 思い出の渓

「彼」の時代の山

 奥利根湖の湖岸道に「見返り峠」という峠がある。矢木沢ダムの完成が昭和42年なので左岸につけられたこの湖岸道と見返り峠は古の人々が行きかった峠ではなく、利根川の源流域に入るためにつけられたものなのだろうか。現在は船でのアプローチが可能となったため湖岸道は荒れ果てている。ダム湖がない時代、奥利根の源流域に向かった先達たちはみなこの峠を越え源流域に向かっていったのだろう。 続きを読む 「彼」の時代の山

新米リーダーが思う事

 入会6年目になる今年からリーダー会員になった。途中休会していた時期もあるので、大した山暦を積んでいる訳でもなく、リーダーと呼ばれるには経験、実力共にまだまだ足りないのだが、そんな私にリーダーを任せてくれた会の仲間の期待に応えるべく、今年は真剣に山に向かっている。 続きを読む 新米リーダーが思う事

スキーツアー雑感

テレマークスキーによるツアーを始めてから十数年になります。休日を全部埋める勢いで足繁く雪山に通ったものですが、足の故障や、体力、気力の衰えを自覚するに及んで山行回数も激減してしまった今日この頃です。自分にとって、体力の最も充実した時代の中心に据えた(或いは取り憑かれた)テレマークツアーとは何だったのでしょうか。
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「秋山図」のことなど

 或る初秋、台北の故宮博物院を見学した。期待と現物の邂逅は悲喜こもごもで、三,四千年前の作ながらかくしゃくたる青銅器の群れは私の貧弱な頭脳に歴史のリアリティーを感じさせるにはスケールの大きすぎる代物で、宋~清朝の青・白磁の数々も工芸品としての精緻さにはやはり息を呑む思いであったがどうも詫び寂びの茶陶芸術に毒されている感性にはいまいち響かなかった。 続きを読む 「秋山図」のことなど

晩秋のE山脈にて

 夜、沢に着いて河原を探した。流れの少ない貧相な沢型で、仕方なくそのすぐ脇に続いている山道の上に2人パーティーがようやく横になれるようツェルトを張った。夕食にありつきながら、11月上旬のE山脈にもまだ秋の柔らかなぬくもりが空恐しい冷たさをたたえた闇の中にほんのり漂っていることが感ぜられて、ほっとする。 続きを読む 晩秋のE山脈にて

山と神社とミゾゴイと

 高尾にある実家の裏山で聞こえてくるボ、ボー、ボ、ボーという木管楽器のような声が気になりだしたのは、今から5年ほど前の初夏のことだ。胸に響くような低い柔らかい声だ。録音をして鳥に詳しい知り合いに聞かせてみると、ミゾゴイという木の上にすむ鷺の仲間であるとのことだった。 続きを読む 山と神社とミゾゴイと

「沢ヤと自然保護」考

 「自然は無限で不変のものである。人間ごときが傷つけられるものではない」。多かれ少なかれ私たちは漠然とこう感じている。特に広大な自然に接することの多い山ヤ・沢ヤにとっては、自分たち人間が非常にちっぽけに感じられるほどのスケ-ルの違いを感じることも多い。 続きを読む 「沢ヤと自然保護」考

妻からのひとこと

 私の夫は沢登りが趣味である。 他にはたいした趣味はない。
結婚して3年になるが、結婚したころは関西に住んでいたこともあり(関西には行くところがあまりない)、ただやたら荷物が多く場所ふさぎで困ったもの位にしか思っていなかったが、東京に転勤になったとたんに山へ行きだし、迷惑している。
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新人の沢用語

最初の頃(実は今でもそうなのですが)、皆の話している言葉の意味がよくわからな いことが多々ありました。いわゆる山用語というか沢登り用語というか、「今度の沢は ナメがきれいだよ。」「ゴーロが続いて…」「ゴルジュを抜けるとえんていに出て…」 「そこう図書いて…」なんて言われても何が何だかわからなくて、しかし、いちいち聞 き返すのもためらわれて、ぼーっと聞いているだけでした。 続きを読む 新人の沢用語